研究批判の呪文体系にもとづく分析:予備ノート(PDFあり)

批判の類型化を目指して

本稿では、特に経営学分野を中心とした学術論文、および学会報告に際して利用される批判の仕方について、呪文体系を元に分類を行う。周知の通り、学術論文や学会報告では、しばしば定型の批判が採用されており、またそれに応じた応答も用意されている。この批判-応答を了解することが、いうまでもなく研究者として評価されるかどうかの一つの試金石である。しかし、その了解はたぶんに非言語的な側面を含んでおり、長期にわたる鍛錬が必要になる場合が多い。
本稿の試みは、そうした鍛錬の一助になることを目指している。 なお、今回用いた呪文体系はドラゴンクエストにもとづく。ドラゴンクエストの呪文体系については、特に表記に対して形態論的な分析が試みられていきた(例えば田川2012、@dlit2013)。これらの研究では、いわゆるギラ系がギラ/ベギラマ/ベギラゴンといった形で威力の程度が分類されていることが示されている。このことは、ドラゴンクエストの呪文体系が優れて体系だてられていることを意味する。今回の分析に際して有用な枠組みを提示するだろう。

2013年08月14日 | Posted in エッセイ | | Comments Closed 

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