マホカンタよりマホステの方が好きでしたね

Gamewith「ドラクエウォーク」からキングスライム。たぶん、これがマホステ使ってきたのではないかと。

唐突感しかない文章も書いておこうかなという今日この頃です(昔からそうではありますが)。ということで、子供の頃に思っていたことを思い出しながら。

今のドラクエがどうなっているのかは知りませんが、ドラクエ4あたりで登場していた魔法に、マホカンタとマホステがありました。効果は似ているのですが、マホカンタは魔法を跳ね返すのに対し、マホステは魔法をかき消すということで、微妙な違いがあります。例えば、敵モンスターがベギラマを打ってきたとして、マホカンタの場合、その魔法を跳ね返し、逆に相手にベギラマのダメージを与えるのに対し、マホステの場合は、ただそのベギラマの効果をかき消し、無効にするという感じです。

どちらがいいかというと、マホカンタの方がいいです。消費MPがどうなっていたのか覚えていませんが、マホカンタであれば、相手にダメージを与えられるわけです。しかしマホステは与えられない。ただ魔法を無効にするだけ。子供ながらに、マホステ使う意味あるのかなと思っていました(マホカンタは特定の個人だけで、マホステは全体に効いたのかもしれない)。

音もマホカンタの方がなんとなくかっこよく、跳ね返す感じのカキーンという音がありました。決まった感があります。マホステは変な感じで、ビヨビヨするノイズみたいな音だった記憶があります。いよいよ、なんだこれはという感じでした。

ただその一方で、マホステが効いた時のコマンド文が印象的でした。「呪文が とどかない!」といった感じだったと思います。ネットで検索すると、「かきけされた」という表現もあるようで、そうだったかもしれませんが、記憶としては届かない系でした。

呪文が相手に届かない。霧かなにかに阻まれて、という一文もあった気がしますが、とにかく、届かないわけです。相手と面して戦っていて、相手に向けて魔法を打ったはずなのに、それがなぜか相手にまで届かない。跳ね返されるわけでも、撃ち落とされるわけでもない。もちろん避けられるわけでもない。とにかく、届かない。この感覚がうまく理解できず、逆に印象深く残っているわけです。

大学生の頃、スガシカオの「夜明け前」を聞いた時、同じ感覚を持ちました。あれですね、僕らの銃声は闇を貫いて夜明けまで届きそうなのに、風がただ吹きつけるだけ。マホステというのは、これだったのではないかと(ちなみに、スガシカオの場合は、銃声とは無関係に、結局夜は明けていくわけで、銃声の空虚さが際立つところでもあります。マホステはそこまでないと思いますが)。

マホステ強いなと改めて思うわけです。どんな攻撃も届かない。マホカンタのような跳ね返しは、ある意味その魔法の壁に対してもっと力をかけて、割ってしまうこともできそうな気がします。撃ち落とすことができないくらい強い魔法もあるかもしれない。避けられないぐらい速く打てるのかもしれない。しかし届かないという場合には、なんとなくそういうことではなく、届きようがない気がする。それは銃声が夜明けに届かないのと同じように、次元がそもそも違っていたり、あるいは届ける先がそもそもよくわかっていないような感じ。

次元を超えてしまうような攻撃もあるわけですが(そういえば、次元刀ってありましたね)、当時きっと不遇だったに違いないマホステを時々思い出す今日この頃でした。時々思い出すシリーズの一環です(前回は手塚ゾーン)。


2021年01月01日 | Posted in エッセイ | | Comments Closed 

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