先入先出法と進捗管理(マネジメント)

学生の頃に習った会計の考え方に先入先出法があります。最初に仕入れた商品から順番に売れていったと考えて、簿記をつけていく方法です。一方で総平均や移動平均ですと、全体の平均で売れていったものを計算していきます。計算は当然前者が簡単ですが、価格の変動が大きいような場合、実態が掴みにくくなる可能性があります。

当時習った頃には、もう一つ、後入先出法がありました。後から仕入れたものが最初に売れたと考える方法ですね。これだと帳簿上に古い物が残り続けるという問題があります。今はなくなったみたいです。

先入先出法と、この後入先出法は、なんとなく業務の進捗管理やマネジメントを連想させます。最初からある案件を順次やっていくパターンと、後から入った案件の方が新鮮なのでとりあえずやってしまうパターンです。律儀でしっかりしているのは前者ですが、往々にして融通が効かないことになったり、案件が一つ止まってしまった時に大渋滞を引き起こしかねません。一方で、後者はフレキシブルではありますが、このフレキシブルさをうまく管理するようがあり、その能力がないと案件が残って溜まり続けることになります。

個人でもこの手の違いを見て取れます。例えば冷蔵庫やご飯を考えてみるとわかりやすいです。先入先出タイプの方は、買った順番、古い順番から逐次処理を繰り返していきます。無駄は生じにくいですが、突発的なお土産や出来事にはうまく対応できなくなります。融通が効かないともいわれそうです。一方で、後入先出タイプの方は、突発的なお土産や出来事にも柔軟に対応できそうですが、能力がなければ、冷蔵庫に古い食材が並んでいくことになります。そのうち捨てるしかなくなりますが、捨てるという選択自体が取りにくい可能性があります。反応がいいように見えながら、実は後ろに色々隠しているような。。。

現実には多くの人はこの間に位置するわけで、基本は先入先出で、能力の範囲で後入先出を実践しようとします。自分がどの程度先入先出タイプなのか、逆に後入先出タイプなのかを意識しておくのは重要な気がします。真面目な人ほど先入先出で渋滞のリスクがあり、調子の良い人ほど(能力が高いと思っている人?)は、後入後出で新しいものを先に処理しようとして、後ろにいろいろと溜まっていくような気もします(あくまでイメージ)。


2021年10月13日 | Posted in エッセイ | タグ: Comments Closed 

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