東京マラソンの狙いとは


http://www.tokyo42195.org/2012/archives/1286/index.htmlより)
一人一人名前があるそうです。

1.目的は何か

東京マラソンのもっとも大きな目的は東京の大規模な経済発展を図ることであった。東京マラソンは1981年から行われていた東京国際マラソンと東京国際女子マラソンというエリートランナー向けのフルマラソンと東京シティロードレースという市民ランナー・障害者向け10kmのロードレースを1つに統合し市民参加型の大規模マラソンを開催しようと企画されたものであった。マラソンにエリートランナーではなく一般市民の参加を増やした狙いは東京という土地の知名度を生かし日本のみならず、世界中から人を集めること。または大規模な参加者を募り東京全体を盛り上げるいわば祭りのようなことを行うことにより世界中から注目を集めることにあったと考えられる。実際、東京在住の参加者は全体の4割に満たず、62%が都外から訪れた。また外国人ランナーも全体の1割弱を占める数を集め、海外へのマーケティングにも成功している。(http://www.spnt.jp/sns/articles/DGXNASDJ1201D_01313M2Z000000/より)

さらに参加者受付を前日3日間に行ったことや、多くの観戦者を呼び込んだことで多額の宿泊費等の経済効果を生み出した。こうした大規模イベントを開催することでオリンピック開催への1つのアピールになることも見逃せない。こうした多くの経済効果の期待が東京マラソンにおけるもっとも大きな目的であることは間違いないだろう。

また、希薄化する人間関係を防ぐ地域コミュニティーの再生も1つの目的として考えられる。観戦者としてだけではなく、多数のボランティアによる参加を求めたことで地域全体の一体感は高まる。さらに応援やボランティアという共通体験を行うことは顔見知りになるきっかけにもなりうる。

日本陸連にとっては東京マラソンという世界的に注目されるマラソンは陸上競技の大きな宣伝となる。稼ぎ頭であるマラソンを盛り上げることで競技人口を増やすことや、スポンサーからの広告料を増やし様々な競技への財政支援を増やすという狙いもあっただろう。

2.顧客はだれか

東京マラソンにおける顧客は非常に幅広いと感じる。マラソンの参加者や観戦者またはボランティアはもちろんそれをテレビで見る人々や口コミで聞く人など少しでも関わる全ての人が顧客としての対象となる。東京マラソンのような大規模な行事は東京または日本という国の象徴とも捉えられるのでその開催が知れわたるだけでも宣伝効果を生むと考えられる。その中でも東京都は大きな経済効果を生む地方または海外からの参加者に重きを置いていると考えられる。

3.顧客へどのようなアプローチをしたのか

では最後に東京マラソンのマーケティング戦略を自分なりに考えてみたい。まずSTPを使って東京マラソンを分析しようとすると、東京マラソンは地方や海外からの参加者もしくは観戦者を呼び込むことが大きな目的であったと考えられると先ほど述べた。大きな経済効果が見込める上に市場に日本のみならず世界全体を巻き込むことができるからだ。そこでこの世界的にも知名度が高いTOKYOは開催地にはうってつけの場所であった。

 

ではこの東京に世界中から人を集めるためには何を開催するべきなのか。その答えが市民参加型の大規模マラソンだったように思える。日本を代表する世界各国から参加者が集まる大会というポジションを確立することで圧倒的なブランド力を発揮した。エリートランナーのみが走る大会は場所がどこであろうと観客数はある程度集めることができる。東京という信頼の知名度と便のよさがあれば、このようなポジションを確立することができるという戦略があったに違いない。

 

目指すべきポジションを決定した後、それではどのようなマーケティングミックスを展開すればそのポジションに近づけるのか。4Pの視点から考えてみると、東京の知名度と便の良さを考えればprice,place,promotionは必然的についてくるものと考えられる。よってこの重要なのはproductではないだろうか。この大会を長く続けていくにはそのマラソンのスタッフの質や安全性が重要となってくる。国を代表する行事は世界の人々から見ると国そのものにみられる。普通のマラソンよりも長い7時間の制限時間や各企業からの多くの補給品さらに5000人の警備体制や10000人以上のボランティアは参加者のマラソンの定員の3分の1近くに及ぶ。(2012年度のデータ)このような安全性などにおける質の高さがマラソンへの信頼性を高め、結果として参加者の年々の増加に大きくつながっているのだろう。

 

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