「極端」から始まる商品企画

こんばんは!長澤です。

今回は
「1からの商品企画」
編著:西川英彦,廣田章光
発行:碩学舎
発売:中央経済社
という本を参考にした記事です。

この本は、商品企画のプロセスやノウハウについて書かれていてマーケティングを勉強する側としてはとてもおもしろい内容です。この本の第3章「観察法」について以下で述べていきます。

観察法とは商品企画を行うにあたり、自分ではなく他人の「言葉にされない思い」に注目し潜在ニーズに気付くことです。例えば文中で紹介されているATMの例ですが、ATMの利用者に話を聞くのではなく、実際に自分でATMを使ってみたり、普段人々がATMをどのように利用しているか観察したりしています。また平均的な人だけを観察するだけでなく、ATMは絶対窓口の人と一緒に操作する、というような極端な人の観察も行っています。あえて極端な人の観察を行うことは「先入観を覆されに行く」ことでもあるのです。

この章のおわりに自社製品の購入者から設置場所の写真を集め、床に置いている人が一番多いという統計を出したことを観察法といっている会社があるが、この会社の何が間違っているのかという記載がありました。
この問いの答えは、観察法の意味を履き違えているということに尽きると思います。観察法は大多数が言っているような平均的な意見を知るためだけではなく、極端な人から満たされないニーズや競合に打ち勝つヒントを発見するための方法です。そのため、購入者の意見を集計して満足するのではなく、少数意見にも注目して新たな商品企画のヒントを見つけ出す必要があります。
潜在ニーズというものは「極端」な人の意見に隠れていることが多いため、統計的な事実に従っても潜在ニーズをうまく拾えないのだと考えました。

では「統計的な事実に従っても、潜在ニーズをうまく拾える」ことはないのでしょうか。これについては全くないとは言い切れないと思います。そもそも観察がしっかりできていないまま世に出回っている商品であれば、大多数が不満に思っていたり改善の余地があると思っていても商品制作側に伝わっていないという状況になっているはずです。そのため、平均的な人、極端な人双方の意見を大切に扱っていく必要があるのだと感じました。

観察法では、他人の行為から商品のアイディアや改善点を見出していくことができます。自分一人では考え付かないようなものが見えてきて、最終的に潜在ニーズに気付くことができるのが観察法だと思います。

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