シルバニアの本質

ご無沙汰してました。森桶です。

 

今回は一念発起して書評に取り組んでみました。大したことは書けないと思いますがせっかく読んだので書いてみたいと思います。ちなみにブックオフで400円くらいで買いました。

 

この本は感性マーケティングという手法で購買活動を行う3社の代表者による講義を書き出した本です。最後には意識の高い学生からのインタビューも乗っています。

 

3社書いてありましたがその中で一番感性マーケティングに触れていたエポック社について説明したいと思います。

 あかりの灯る大きなお家

シルバニアファミリー公式サイトより

エポック社は玩具業界のおもちゃ分野での大手企業です。その主力商品には野球盤なども有名ですが何といってもシルバニアファミリー。女性の方なら小さいころに一度は遊んだことはあると思います。その企業が行っているというのが感性マーケティングです。これは合理性や機能性とは対極し美しさや美意識もしくは感情に訴える付加価値によって差別化を図るというものです。

このマーケティングを行う業界として美容師業界やお菓子業界も挙げられていました。

 

この企業はどのような感性マーケティングを行うのでしょうか?

最も重要な部分は本当にこの世界があると思わせる真実性をもたせることといいます。家具や家は徹底して細部までこだわり、学校やショッピングはもちろん別荘もつくられています。子供たちはこれを使って話をつくりごっこ遊びをするのです。僕も昔は山のように積み上げられたポケモンの指人形でよくやっていました。シルバニアと比べるとすごく乱暴な使い方をしていたと今は思います。

 

この真実性を高めるためには、本当に細かい部分に取り組まなければなりません。例えばコマーシャルはコンピューターを使わず、1コマ1コマを動かして撮影しているそうです。その方が自然な動きを表現できるとか。また店舗のジオラマも大切な要素になっています。子供たちは本当にこの世界があるのではないかと思うからです。

 

また、シルバニアの世界はみんなが幸せな世界を描いています。そのため子供たちはごっこ遊びをしている途中、幸せの疑似体験をしているのです。その幸せの世界から子供たちは他人への思いやりや豊かな人間性を生むそうです。また、大人が見てもかわいいと思えるフォルムすることで、みたときに子供の頃に遊んでいた幸せな気持ちを思い起こさせます。これは大人も子供に買ってあげたいと思うでしょう。

 

個人的に思ったことは顧客の感性に問いかけてマーケティングをするためには顧客をその世界に引き込むことが重要だと思いました。そのためにはパッケージや販促活動等で世界観を映し出す必要があります。イメージを壊すようなことは絶対にできませんね。

この商品は徹底してかわいいを追及していますが、最近はきもいという感性もトレンドになりつつあると思います。買ったことないですが決してかわいいとは言えない小人シリーズのおもちゃとかありました。他にも最近広島カープという野球チームを応援するカープ女子といったワードも流行りました。彼女たちがなぜ縁もゆかりもない広島の野球チームを応援するかというと弱すぎてかわいそうという心が働くからだそうです(笑)。本来ならばマイナスの意味合いをもつ感性が母性本能をくすぐるのでしょうか。まあなんにせよ機能性による発展に限界も感じられてきたこの頃では感性マーケティングは今後重要な位置付けになってくると思います。

 

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