こんにちは。3年の横田です。
突然ですが、皆さんは今までシャンプーの詰め替えが面倒だと思ったことはありませんか?詰め替えの際液が容器からはみ出てしまったり、最後まで中の液を移しにくかったりしますよね。
そんな消費者の声に応え、花王は新しい詰め替えパックとして“ラクラクパック”を開発しエッセンシャルに採用することで内容量や成分を一切変えることなく半年間で売り上げを5割伸ばすことに成功しました。
今回はこの花王の成功例をマーケティングミックスを使って分析していきたいと思います。
シャンプーなどヘアケア商品を含む化粧品業界の市場シェアは2017時点で資生堂が1位、花王が2位と続いています。資生堂を追う花王は資生堂製品との差別化を図る必要がありました。
そこで花王は詰め替え用品の形状や素材を全面的に見直し、環境負担低減と実用性向上のふたつを課題に掲げ4年以上をかけてこの“ラクラクパック”を開発しました。
製品政策
中身を一切変えることなくパッケージの形状や素材のみを一新した新製品を開発しました。
上下にマチをつけたことでボトルのように持ちやすく、まっすぐに自立します。また、注ぎ口がボトルにしっかりはまって安定するのでこぼさず詰め替えができ、詰め替え後にも液が残りにくい設計にもなっています。さらにキャップにはきざみを入れ、開けやすい形になっています。フィルムの厚さを18%、使用面積を35%減らすなど従来品比で二酸化炭素排出量を約3%削減しました。
出典:http://www.nikkei.com/content/pic/20160303/
価格政策
業界一位の資生堂が力を入れるTUBAKIというシャンプーは100mlあたり126円なのに対し、花王のエッセンシャルは100mlあたり98円と低価格に設定されています。詰め替え容器の変更に伴った価格変更もありませんでした。
プロモーション政策
若者をターゲットにTwitterで詰め替えの体験ムービーを公開しました。また「#つめかえてみた」をつけて実際に詰め替えた感想を投稿することで詰め替えパックが当たるキャンペーンを実施しました。
流通政策
従来と変わらずスーパーやネットで販売しました。
このように花王は内容量や成分を変えることなく他社との差別化に成功しました。最近にはエッセンシャルのみならずメリットやアジエンスなどの他製品にも採用を始めていてこれからの製品の主流になると思われます。