日立製作所のオブザベーション

こんにちは、3年の大賀です!

今回は、先日ゼミで行った観察法を用いて商品開発がされた日立製作所の例を2つ紹介したいと思います。

 

日立製作所は、1996年頃から海外向けの商品開発に際し、現地の生活の実態を把握する実態調査を行ってきました。例えば、東南アジア向けの掃除機は、現地でのオブザベーションの結果を反映した商品です。その一つが、本体の大きなハンドルです。ユーザー観察によって、東南アジアの人は掃除機を手にもって運びながら使うことが多いことが分かり、サイクロン式のハイエンド機種や大きなハンドルを採用した商品になっています。日本市場向けの掃除機のハンドルは格納式がほとんどで、掃除機の出し入れ時以外はほとんど使いませんが、東南アジアでは床よりもソファーや車のシートなど布類の掃除に使い、このとき掃除機を手に持つケースが多いことが分かったからだそうです。

東欧、中央アジア向けの2ドア冷蔵庫もまた、観察法の結果を生かした商品となっています。調査結果を反映した工夫の一つがサイズです。ウクライナやカザフスタンでの調査結果から、集合住宅が多く、冷蔵庫の搬入経路が狭いことが多いことから、横幅を日本向け製品よりも狭い59.5cmとしました。また、現地で多く使われていた西欧メーカーの冷蔵庫は大柄のユーザーに合わせて本体の高さが200cmほどですが、本製品は現地の人々の平均身長に合わせて高さを190cmに抑えました。

また現地では、どの家庭も大きめの鍋で調理をして、その鍋をそのまま冷蔵庫にれるという使い方をしていました。そこで、中身が入った鍋を出し入れしやすいように、スライドする棚を採用しました。

このように、ユーザーが日常的に実施している一連の動作を観察するオブザベーションを使った製品開発が行われていることが分かりました。先進技術を駆使した社会の実現の一方で、普段は気が付かない生活の実態を発見し、解決することは非常に重要であることが分かりました。

 

 

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