『ソイビオ豆乳ヨーグルト』STP・4P分析

こんにちは。新3年の茨木です。

最近私が虜になっているポッカサッポロ フード&ビバレッジ株式会社の「ソイビオ豆乳ヨーグルト プレーン無糖(400g)」について、STPと4P分析を行います。

 

STP分析

・Segmentation「健康効果を全面に押し出し、ターゲット層を絞った市場へ」

まず初めに、ヨーグルト市場について考察する。日本食糧新聞(2018)によると、2018年度(18年4月~19年3月)のヨーグルト市場は、前年比1~2%減少傾向にある。ヘビーユーザーからの需要はあるが、メディア露出の減少やヨーグルト以外のカテゴリーで健康訴求商品投入が続き、ライトユーザーを中心に需要が流れたとの見方もあると述べている。市場成長が一段落する中、各メーカーは、さまざまな新価値訴求を進めており、特にターゲット層を絞った健康効果を前面に押し出す商品展開が目立つ。

豆乳ヨーグルト市場は14年から5年連続で伸長し、健康・美容ニーズやSDGsなど環境意識の高まりにより今後も成長が見込まれる。市場の過半のシェアを握る当社の豆乳ヨーグルトが牽引役となり、同社の豆乳ヨーグルト事業は前期(12月期)前年比33%増の18億円となった(食品新聞、2020)。

・Targeting「美容や健康に関心がある女性」

ポッカサッポロフード&ビバレッジ株式会社(2019)によると、美容や健康に関心のある30-40代の女性に向けた商品で、毎日おいしく食べながらイソフラボンと乳酸菌を一緒に摂取でき、手軽にすっきりキレイをサポートしている。仕事や家事などで忙しい中でも、自分や家族の健康に気を付けたいという要望に応え、家族でも食べられる大型容器の商品。なめらかなおいしさのプレーン無糖タイプでくせのない味わいなので、アレンジや料理にも向いており、様々な食べ方で家族の健康もサポートできる。デザートやおやつとして食べるだけで、手軽に毎日のすっきりキレイをサポートできると30-40代の女性の方々を中心に評価を得ている。

・Positioning「成分における大差はないが、女性中心にしていることや味わいに相違点がある」

ヨーグルト市場として考えると、豆乳の機能性がある点が普通のヨーグルトと異なることは言うまでもない。豆乳ヨーグルト市場における製品は、当社以外にマルサン、フジッコ、トップバリュ、ホリ乳業などが主としてある。各社の成分を比較したが、現時点では他社との大差は見当たらなかった。当品は、味覚を向上するため、アク抜き抽出や、大豆を丁寧に細切りし微細化することで、おいしさにこだわった豆乳を搾汁していることが特徴。大豆たんぱく質、大豆イソフラボン、食物繊維入り、コレステロールゼロ、乳製品不使用の設計になっている。

4P分析

・Product「吸収しやすいイソフラボン」

豆乳ヨーグルトとは、大豆たんぱく質・大豆イソフラボン入りでコレステロールゼロの乳製品不使用の植物性ヨーグルトのことで、豆乳を乳酸菌で発酵させた点を特徴とし、このメリットについてはイソフラボンの吸収量を増加させるなど複数の研究結果が発表されている(食品新聞、2018)。

誰もが食べやすいおいしさにこだわり、サッポログループでおいしさに関する研究を行う「サッポロホールディングス(株)おいしさ技術研究所」が、農研機構と豆乳ヨーグルトのおいしさについて共同研究を行い、研究結果を活かしたおいしさにこだわった設計をしている(ポッカサッポロフード&ビバレッジ株式会社、2019)。

・Price

価格は、250円。他社の豆乳ヨーグルトは同値、もしくはそれ以上であった。普通のヨーグルトを考えると1.5倍程高いが、機能性を考慮すると妥当ではないか。

・Place

スーパーやネットで販売されている。沖縄を除く。

・Promotion「認知率とトライアル率を向上させる必要がある。一度食べてもらい価値を理解してもらい、リピートにつなげる」

まずは商品を認知してもらう必要がある。豆乳ヨーグルトを食べてもらえない理由として未知、イメージ不能、効果の不透明さを挙げた。認知や理解を得るために、「豆乳を発酵させた豆乳ヨーグルトであることをしっかり訴求していく」との考えの下、パッケージは“豆乳”の文字を大きくあしらうとともに“豆乳ヨーグルト”を一体で見せるようにした。味わいについては、クセと酸味がないまろやかな味であることを明記し、物性価値は“吸収しやすいイソフラボン”のアテンションを大きくデザインして訴求強化した。メインユーザーとなる健康志向の強い女性層は、原材料への関心も高いことから裏面に食物繊維がイヌリンであることや4種の乳酸菌も記載。乳製品不使用の表記も大きくした。店頭では当初4月からマネキン販売を強化していく予定だったが、新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けプランを練り直し、4月13日から5月31日にかけて「おいしくなかったら全額返金キャンペーン」を実施してトライアルを促進していく(食品新聞、2020)。

 

市場の成長を見込み豆乳ヨーグルト市場に積極的に参入したことが分かる。また当社は、以前は1人向けですぐ食べられる豆乳ヨーグルトのみを販売をしていたが、400gサイズにすることで主婦の女性だけでなく、その家族も巻き込むことが可能になった。本商品の成分としての差別化は難しいが、強調する部分を他社とは変えることで差別化を図っているのではないか。

 

〈参考資料〉

・日本食糧新聞(2018)「ヨーグルト・乳酸菌飲料特集:ヨーグルト市場、再ブーストの助走期間へ」 https://news.nissyoku.co.jp/news/ozawa20190523034259854アクセス:2020/04/27

・食品新聞(2020)「豆乳ヨーグルトって何? 「ソイビオ」刷新して疑問解消へ ポッカサッポロフード&ビバレッジ」https://shokuhin.net/29757/2020/03/24/kakou/%E6%97%A5%E9%85%8D/%E5%A4%A7%E8%B1%86%E8%A3%BD%E5%93%81/アクセス:2020/04/27

・ポッカサッポロフード&ビバレッジ株式会社(2019)「SOYBIO(ソイビオ)豆乳ヨーグルト プレーン無糖 400gカップ」 https://www.pokkasapporo-fb.jp/company/news/release/190326_01.htmlアクセス:2020/04/26

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