ポカリスエットの新CMを見て

こんにちは!3年の町田です。20歳になった頃からでしょうか、街中で部活帰りの中高生たちを見ると「若いなぁ、青春だなぁ…」と大人じみたことを思うようなりました。

そんな私の心を揺さぶったポカリスエットの新CMについて、マーケティング的視点から話していきたいと思います!
こちらがそのポカリスエットの新CM「でも君が見えた」篇です。

一人の少女が大勢の生徒たちとは違う方向を向いて、曲がりうねった廊下を走っていき、扉を開けて花びらの舞う先を更に走っていくともう一人の少女と出会い、手を取り進んでいく――

このCMを見た時、私は不思議に思いました。「このCM、ポカリスエットを宣伝する発言を全然していないな?でもポカリスエットの印象が強く残るのはどうしてだろう?」と。

テレビ広告は、マーケティング活動に含まれるプロモーション政策の一つです。テレビ広告の長所として、映像や音声が組み合わさっているので視聴者の感性に訴えかけやすいこと、一度に多くの人にメッセージを伝えられることが挙げられます。しかしその反面、限られた短時間で効率的にメッセージを伝える必要があります。

例えば私たちは、携帯会社の「通話が〇分かけ放題!」や「料金は格安の月額〇〇円!」と宣伝するテレビCMや、衣類洗剤メーカーの「従来品と比較して汚れが〇%落ちる!」と宣伝するテレビCMを見たことがあると思います。これらは短時間で自社サービス・製品の魅力を、数値やデータ・写真を用いて効率よく宣伝出来ているテレビCMでしょう。

しかし今回取り上げるポカリスエットのCMはそれらとは異なります。ポカリスエットを飲むシーンの時間やポカリスエットのロゴが出る時間は非常に短く、まして製品の機能性については触れていません。

それでも、このCMは視聴者にポカリスエットの印象を強く残しています。その要因は、数値やデータでは表現できない、視覚・聴覚に働きかける映像・音楽の美しさやCMに込められたメッセージ性だと、私は考えました。

私はこの美しい映像と音楽が織りなすCMを通して、青春の最中で奮闘しながらも、自分らしく生き生きとする学生のエネルギッシュさや爽やかさを感じました。こういったメッセージ性を感じたことで、ポカリスエットは青春を感じる、魅力的な飲料だと思った視聴者は多いでしょう。

また、このCMが印象的であるもう一つの要因として、インターネットで大きく話題になったことが挙げられます。現在はインターネット広告が台頭しており、企業はテレビ広告だけでなくインターネットを上手く組み合わせてプロモーションをする必要があります。今回のCMにはCGがほとんど使用されておらず、先ほど述べた美しい映像と音楽からも「CMというよりも1つの映像作品だ」などとTwitterで大きく話題になり、トレンド入りを果たしていました。このようにインターネット上でも多く取り上げられることで、視聴者はテレビ上よりも多くCMを目にすることになり、ポカリスエットの印象が強く残るのだと思います。

数値やデータを基にアピールするか、それともより抽象的に、視覚や聴覚情報を用いて視聴者に訴求するか、どの広告媒体を用いるか…プロモーションには数多の手法があって、明確な正解など無いのかもしれませんね。プロモーションの奥深さを再認識しました!

ご覧いただきありがとうございました。

【参考】

ポカリスエット公式サイト|大塚製薬 (pocarisweat.jp) 

黒岩健一郎・水越康介『マーケティングをつかむ【新版】』有斐閣、2019年8月30日、第5章unit12

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