多様化する価値観と対応

こんにちは。3年の勝元です。

年度が新しくなって早々ヘビーな話題で恐縮ですが、消費者の価値観の変化と企業の対応について、最近思うことをお話しさせていただきたいと思います。

デジタル化、グローバル化や男女平等の推進により、人々の価値観は大きく変化し続けています。特にデジタル化の影響は凄まじく、それまで普通に過ごしていたら触れることはなかった少数の意見等に触れる機会が増えました。

最近の出来事で印象的だったのがR-1の広告です。R-1は体調を崩したくない受験生が購入することの多いヨーグルトで、広告も受験生をターゲットにしたものがあります。その1つとして、受験生の親から実際に集めた応援メッセージを広告として掲示するものがありました。駅から受験会場に向かうときは応援メッセージ、帰り道には労いの言葉が表示されるよう工夫した広告もあり、粋な演出だと話題になりました。

しかしSNS上では、わずかですが批判の声が。「母親がいない受験生に対する配慮に欠ける」等といったものです。(応援メッセージは母親からのものが多く見られました)

他にもサブカルチャー文化の拡大により、それまで一部消費者にひっそりと人気を得ていた所謂「萌え絵」が一般消費者の目に留まる場所に広告として掲示され始めたことで、不快感を訴える人やそれに対して表現の自由を訴える人等による論争(あるいは喧嘩)がSNSのそこかしこで見られるようになりました。その論争に決着はついておらず、法整備やガイドラインの形成もままならない現在の状況では、企業は自社の利益を追求するために自身で判断を下さなければなりません。「萌え絵」の例で言うならば、おそらく萌え絵に不快感を抱き批判の声を上げる消費者の殆どはその事業の顧客ではないため、反対意見に耳を貸す必要はないように思われます。当然、別の事業の(潜在的な)顧客である可能性等も考慮するべきかもしれませんが、いずれにせよ全ての消費者に受け入れられる広告はもはや難しく、消費者の取捨選択が必要になってきていると言えるでしょう。

(萌え絵に関連する騒動では「性被害者による苦痛の声」も同時に無視されることになってしまいます。それは大変心苦しく、何かしら対策が欲しいとは思いますが、マーケティングの話から外れてしまうため割愛します)

ただし、企業に与えられた選択肢は「消費者の変化に対応するか」「消費者の変化を無視するか」の2つだけではないことを忘れてはいけません。企業の行動自体が消費者の文化に変化を与えることもあります。

「イクメン」がその最たる例です。広告代理店「博報堂」のディレクターが、男性の育児参加を増やすために創り出した言葉で、それは狙い通り「子育ては格好悪い」といったマイナスの印象を取り払い、男性の育児参加に大きく貢献しました。今や男性の育児は当たり前と考える人から「イクメンという言葉は当たり前のことをしているだけの男性を美化している」と非難されるほどです。私はそういった否定的な意見を見かける度に「イクメン」という言葉の功績を感じます。企業が新しい価値観を社会に根付かせることは簡単なことではありませんが、1番理想的な形と言えるでしょう。

消費者の変化に対応するのか、抗うのか、あるいは変化を自ら創り出すのか、いずれにせよ多様化する価値観に注視して、冷静な判断を下すことが企業に求められていると感じます。画像もない堅苦しい長文となりましたが、ここまで読んでくださりありがとうございました。

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