それは本当に「手抜き」ですか?

こんにちは、3年の吉尾です。

みなさん、「手抜き・手間抜き論争」という論争はご存じでしょうか。

20208月、「冷凍餃子を食卓に出すのは手抜きだ」というツイートをきっかけに議論が白熱。直近ではスーパーのお惣菜コーナーでポテトサラダを購入しようとした女性に「母親ならポテトサラダくらい作ったらどうだ」と声をかけた「ポテサラおじさん」が話題になったこともあり、Twitter上にはさまざまな意見が飛び交いました。

そんな論争に終止符を打ったのがこちらのツイート。

このツイートが多くの方々が抱いていた「不寛容な社会」への気持ちを代弁したこともあり、集めたいいねの数は44万を超えました。中には否定的な意見の方もいましたが、メディア取材を通して投稿の意図をより明確にしていくことで賞賛、賛同の輪は大きくなっていきました。

ただ、味の素はこの「バズり」をそのままでは終わらせませんでした。Twitter上で共感の輪が広がったことで生まれたナラティブを可視化するため、202010月に次の動画をYou Tubeにアップしました。(ナラティブ:企業が一方通行にストーリーを伝えるのではなく、顧客と共に物語を作り上げること) 

115秒という短い時間ですが、「おいしい冷凍餃子の作り方」と銘打ったこの動画の中には味の素が長年積み重ねてきた美味しさへのこだわり、そこに至るまでの「手間」と「愛情」が溢れています。また動画の「最後の仕上げは、あなたのフライパンで」という締めくくりからは企業と私たちの間で一つの物語が形成されているような印象を与えてくれます。

現在多くの企業が公式SNSアカウントを運用していますが、このケースのように直接的な販促活動ではなくとも大きな反響を生み出すことが増えています。企業との心理的距離感を近く感じられるSNSでは一方的な発信ではなく、消費者と共に物語を紡ぎ出していくことが重要になっていくのではないでしょうか。

最後までお読みいただきありがとうございました。

 

参考文献

本田哲也.”冷凍餃子の「手間抜き論争」がバズった理由“.東洋経済オンライン.2021-5-17.

https://toyokeizai.net/articles/-/427621 (参照2022-7-5)

 

星井博文.” 味の素冷凍食品が仕掛けた「冷凍餃子#手間抜き論争」は、なぜ多くの共感を得られたのか?/Twitterアカウント中の人と本田哲也氏に聞いてみた”.impress BUSINESSMEDIA.2021-2-12.

https://webtan.impress.co.jp/e/2021/02/12/38705 (参照2022-7-5)