第11章 デジタル技術の登場とマーケティング対応、デジタル経済下の消費者行動:新たな消費の出現とマーケティング対応

第11章 デジタル技術の登場とマーケティング対応(3年 安藤)

本章は、購買意思決定におけるAIの提供価値とAIをマーケティング手段として活用するための指針についてまとめられている。デジタル技術の登場によってAIを取り入れたマーケティングをする必要に迫られている。しかし、そのためにはAIが消費者の反応を知ることが不可欠であり、AIが有効な手段となるには消費者が意思決定をする過程でAIが何らかの価値を提供している必要がある。

本章では、3つの順序で考察が進められており、第1に、営業について、第2に、購買意思決定プロセスにおいてAIが提供する価値についての考察、第3に、AIを含めたマーケティングのどのようなパターンが有効となるのかについてである。

➀本章内で、営業はAIに類似したマーケティング手段として取り上げられている。営業の価値には、第1に、コミュニケーション価値があり、それは情報価値とアドバイス価値に分類される。情報価値とは消費者が購買意思決定において誤った選択をすることで生じる損失(機会費用)を削減することで価値を生み出すことであり、アドバイス価値とは商品の上手な使い方を消費者に助言することによって価値を増大させることであり、付加的サービスでもある。第2に、コスト削減価値があり、こちらも探索コスト削減価値と買物コスト削減価値の2つに分類できる。探索コスト削減価値とは消費者が行う情報探索などに費やすコストを削減することによって価値が増大することであり、買物コスト削減価値とは時間コストなど買物に関するコストの削減によって生じる価値のことである。また、営業は双方向性と個別性を持った情報源である。

➁AIは➀で挙げた営業に類似した役割を持っていると考えられ、コミュニケーション価値においては情報提供型AI、アドバイス提供型AIが当てはまり、コスト削減価値においては探索コスト削減型AI、買物コスト削減型AIが当てはまり、一部の企業はこれらを実際に取り入れているか、または導入の準備をしている。

➂➁で挙げた4つのAIタイプは消費者の購買行動の特性によって異なる。ここでは関与と知識の2軸で購買行動のパターンが分けられており、高関与・高知識または高関与・低知識では豊富な選択肢/わかりやすい情報を求め、対話型AIや分野特化型AIが適合している。一方、低関与・高知識または低関与・低知識ではシンプルな情報を求め、買物代行型AIなどが適合する。また、これら4つのパターンは消費者の違いだけでなく商品や購入する頻度、場面などによっても異なる。

以上より、AIを含めマーケティングは消費者の関与の水準によって大きく変わる。変化の大きいデジタル化社会であるほど、マーケティング担当者は消費者行動に関するフレームワークを知ることが重要である。

本章を読んで、消費者の購買意思決定プロセスにおいてAIが関与している点が多くあると思った。本章の探索コスト削減型AIの例として挙げられていたアシックスの、自分が求めるシューズの特徴(価格、競技、色など)を打ち込むとAIがおすすめのシューズを提案してくれるサービスは私自身も利用したことがあり、無意識に自分の購買意思決定における情報探索のコストをAIによって削減してくれていたのだと知った。