15年経ちました2。

少し前に、今年で就職15年という話を書きました(「15年経ちました」)。奨学金の返済が免除される特別な年です。それに関連して、というわけでもないですが、就職してまもなく始めた15年払込の保険も、このほど払込が完了しました(ぱちぱち)。別にこれで将来が安泰というわけではまったくないですが、早いもので、いろいろな転機ですねとは思います。

保険は若いうちに入っておけとは、いつでしたか石井先生談でしたが、まあ年取って保険に入る理由は少ないですよね。先も見えてきますし、そもそも所得や貯蓄が増えていく(はず)なので、自分でもしもに備えられるようにもなってくる。直接こういう話はしませんが、就職したらとりあえず保険に入っておくのは悪くないです(別にこの15年でメリットがあったわけではないです。それはそれで幸いなことに)。

この保険、当時流行っていたドル建て保険です。最近は金利差がなくなっているので、あまり人気ではないようですが。今でもとても覚えていますが、渋谷駅のエクセルホテル東急のカフェで担当の方にお会いして、その場で初回の支払いをしました。あまりよくわからないままに、まあ貯金の代わりにもなるらしいし、これで良いのかなと思いながらはいはいと加入しました。思い返せば、あれからあっという間だったなと思います。毎年の支払いはその都度の為替に依存し、円安になったり円高になったり、上下20%ぐらいは変動がありましたが、最後の年はなんのことはない、最初の年とほとんど同じ額でした。改めて為替の変動をみるとなかなかですよね、円高時は75円、円安時は125円。しかし、結局今は15年前と同じ。。。

外貨どっとコム:為替レートの変動。

いろいろなものは、成長や変化というよりは、繰り返していて循環しているようにみえます(典型的な日本人的発想?)。循環が基本で、その外側に何か蓄積物や老廃物が溜まっていくという感じ。とはいえ、普通は、こちらの蓄積物や老廃物の方に注目し、それを我々は成長や変化と呼ぶようです。植物が典型的で、ただ水が循環するシステムが生命であり、ただより良く水を循環させようとし、その結果生じる副産物が葉となり花となり実となっている。綺麗な花や実をつけようとして水を吸っているのではなく、水を吸って吐き出すシステムがまずあり、結果として花や実がついていく。さらにいうと、人間の意識のようなものは、システムの側ではなくて、花の実の側にある(だから、物事や順序がいつも逆転してみえる)

大学も同じで、4年で卒業していく方々はまさに成長の過程ですが、大学をもシステムとして考えれば循環の過程です。3月に卒業し、4月に入学し、また3月に卒業していく。この循環がまずはある。人間もシステムとして考えれば、水が循環するだけではなく、情報が循環することで成立しているといえるかもしれません。研究でいうと、本を読んだり現場に出かけたりしながら考え続けることが循環で、その蓄積物や派生物として、論文や本が新たに生まれる感じでしょうか。あと先ほどの経済だと、循環してるのはもちろんお金でしょうね。お金が回れば、いろいろとイノベーションが生じる(かも)。

結局のところ、お金を貯めたいとか、知識を増やしたいとか、イノベーションしたいとか、本を書きたいと言うのは、だからなにか逆転した発想なのだろうと思います。それが良いとか悪いとかではなく、人として、お金を貯めて本も書きたいわけで、保険にも頼るわけです。最近定年も無くなってきて、一体全体、後、何年働けばいいのだろうと思うような時代なわけですし。あと15年あれば、定年もさらに伸びてますよね。。。


2021年03月27日 | Posted in エッセイ | | Comments Closed 

関連記事