ガリレオ時計
子どものテストの見直しをいっしょにしていて、難しいことしているなと思う今日この頃です。30年前はこんなこと習っていなかった、というわけではないですが、なんと言うか、論理的な組み合わせや、見通しの広さについては当時はなかったのではないかと思います。こんなことを子どもの頃から勉強していくと、30年後は一体全体どういう存在に???末先恐ろしいですね(知らんけど)。
というわけで、今回の問題はガリレオ時計でした。正直、ガリレオ時計という名前すら知りませんでしたが、液体の中で玉のようなものが浮かんだり沈んだりして温度がわかるというあれです。インテリアとして置いてある所は結構ありますね。
まずはガリレオ時計の原理が語られます。この時点で、個人的には正直ちょっとショックでした。というのも、あれがどういう仕組みになっているのか、知らなかったからです。ガリレオ時計を見かけるたび、これどうなっているのかな?とぼんやりと思っていました。オイルとか入っているのかなとか、勝手に思ってはいましたが、それ以上に考えたり、調べたりしたことがなかったわけです。人に偉そうに日常の驚きを大事にしようと言ってまわっているわけですが、驚きをスルーしていた事実に気づかされました。難しいですね、真に日常に驚き続けることは・・・
水は(というか物体は)、温度によって体積あたりの重さが変わる。あー、習いましたね、いつの日だったかは思い出せませんが、確かに習いました。そしてこの時点で、ガリレオ時計の仕組みも一気に氷解します。一般的に、物体は温度が上がれば上がるほど、体積あたりの重さは軽くなります。分子が動きやすくなり、一空間に占める数が減るからですね(正しい理解かどうかはわかりませんが、イメージとして)。とすれば、水の温度と重さに合わせて、中に重りを入れておけば、温度の変化に合わせて、浮いたり沈んだりするわけです。
ここまでがガリレオ時計の説明で、問題文に書かれています。個人的にはこれですでに十分でした。うちの子はそれが何かわからんかった、ガリレオ時計買ってきて欲しいということになったわけですが、そういうことではない。。。(わかってもわからなくても問題に挑戦してほしい)。
実際の問題は、ここから計算と説明に移ります。水の重さは、温度に応じて、例えば15度であれば1.0003cm3で1gとか、16度だと1.0004cm3で1gになります。一方で、重りについては、Aは1cm3あたり0.997g、Bは1cm3あたり0.998gとか、そんなことが書いてあるわけです。要するに単位あたりが逆にしてあって、このデータをもとに、どの温度でどの重りが動くのかを例示させるような形になっています。この辺りは、ガリレオ時計そのものを知らなくても、文章の意味がわかれば解けますかね。
とこんな感じの問題でした。見通しは広いです。算数や理科に限らず、ガリレオについて問うこともできれば、コンマ何グラムという精度に注目することもできます。もちろん、この仕組みそのものだって立派な問題になります。水の温度と重さ、あるいは単位を入れ替えた計算、これらは30年前も習ったと思いますが、これらの組み合わせや、そのことの意味をよく考える機会は、あまりなかったと思います(たぶん)。