なぜ、大学院に進んだの?

よく聞かれる質問の一つに、なぜ文系で大学院に行ったのか?、があります。確かに、自分でも考えてみれば不思議な気もしますが、まあ就活しなかったので、、、といつも答えます。研究者になりたかったのですかと聞かれれば、答えはかなりのところノーです。それはたぶん、大学院で勉強するようになってからかと思います。

いや実際、この問いは、院試の面接の時にもあったのでした。「どうして大学院を志望したのですか?」「え?就職活動とかしなかったので・・・」

そんなことを聞かれるとは思っていませんでした(今なら、最初の質問は普通これであることがわかります)。はっきりと覚えていますが、あの時は、「君、それは困るよーwwwww」と言われたのでした。まあ、素直にこう言われたら困るかもしれないですね。

で、次の質問は、「指導教官はなんと言っているの?」「あ、合格したら何をするか考えましょう、、、と。」「おぃぉいwwwwww」となりましたね。良い時代でした。

行為する中で意図も目的も生まれるものです。

とはいえ最近個人的にこの問いに対して思うのは、むしろ逆の質問であり、多くの方は、「どうして大学院にいかないのですか?」「どうして就職したのですか?」です。大学に行くときに、なぜ大学に行くのですかと聞かれた記憶はありませんし(もちろん、これは恵まれた環境にあったことはいうまでもありませんが)、中学の三者面談の時に、高校も大学もべつに行く気はないですよと言ったら、これもまた、え?となりましたこともよく覚えています。ゲームしたかったのですよ。

もちろん、大学院にまで行かない理由はよくわかります。みんな大卒で就職するから。さすがに稼ぐ必要があるから。いや、もう勉強したくないから。

個人的にはみんな大学院には行かないからという理由がほぼ全てだと思いますが、合理的な理由をつけようとすれば、稼ぐ必要性と、もう勉強したくないという理由によるように思います。もう勉強したくないという方は、確かに就職した方がいいのかもしれません。とはいえ、就職してもどうせ勉強することになるわけですので、変な主張の気もします。好奇心こそが、稼ぐ源泉ですし。

もっと直裁的に稼ぎたいという場合は、確かにそれはあるのかもと思います。就職した方が、安定的な所得と将来の出世に期待できそうです。とはいえ、大学院だと稼げないわけではなく、やりようはいろいろです。個人的には、最後はパチンコで生計を立てればいいと思っていました(大数の法則をなめてはいけない)。今であれば、株で稼ぐか、安易にユーチューバーという気もします(実際にはおそらく、研究者以上に難しい道だと思いますが)。

考えてみれば、大学院に行くのも起業するのも同じ感じで、なぜと聞かれるような気がします。稼ぎたければ、就職するのではなく、起業した方がよさそうです。いや、将来起業するために、まずは就職するのだということであれば、同じ理由で、大学院に行っても良さそうな気がします。

やはり、みんなが大学院には行かない、ということが最大の理由なのかもしれません。理系ではある程度の方が大学院まで行きます。それは、みんなが行くからという側面が強い気がします。文系も、そうなればいいような気もします。どうせ何かしらの勉強は続くのであるとすれば、そして稼ぎも可能であるとするのならば、だんだんと大学院まで行く方が増えたらいいのではと思ったりもします(大学的にも)。

経営学領域は、人材不足です。たぶん、他の分野も似た傾向になりつつあり、若手不在です。非常勤や任期制の不安定な職ばかりと思うかもしれません。とはいえそれは大学を出て就職しても同じことです。働けなければ、クビになってしまう世知辛いの世の中です。大卒ではなく、とりあえずもう2年ぐらい、修士ぐらいまで、大学院にきてみるのはありではないでしょうか。その上で、もっとやれそうならば後3年、無理そうならそこから就職を目指したとしても、トータルではきっと損にはならないと思います。「マスター・キートン」という漫画が流行ったとき、ドクター(博士)よりもマスター(修士)の方が響きもかっこいいししねと思ったものです。


2022年12月31日 | Posted in エッセイ | | Comments Closed 

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