成功要因は個別で、失敗要因は一般的か
時々聞くような気もする話で、成功する要因は個別的だが、失敗する要因には共通性や一般性がある、というものがあります(ないかもしれませんが)。この話は、さらに、成功するかどうかはわからないが、失敗するかどうかについてはコントロールできるという話にも繋がります。
どうして、成功と失敗を非対称的に捉える事ができるのでしょうか。成功も個別的だし、失敗も個別的、であったり、成功もある程度は共通性があり、失敗もある程度は共通性がある、といっても特段問題ないような気はします。
理由として想定できるのは、第一に、おそらく成功はしにくいのに対し、失敗はしやすいということです。つまり成功するということを例外事象として考え、失敗することを一般事象として考えることによって、その要因についても、成功要因は例外的で個別的、失敗要因は一般的で共通的と見なすということかと思います。ただこの場合だと、数が少ないがゆえに、成功要因は例外的で個別的であるようにみえている、だけかもしれませんので、かなり気をつけないと変なことになりそうです。
もう一つは、成功は他者が絡んでくるのに対し、失敗は失敗しないようにするという意味で、自分の話で完結するように見えるということもありそうです。サッカーや野球などを考えたときに、ミスを減らす事で失点を最小限にするという場合、失敗しないようにすることが自分たちのコントロール可能な範囲に収まっている感はあります。一方で、一点獲るという場合には相手が絡んでくるため、勝てるかどうかはわからないが、「こちらのミスで」負けないように注意することが重要になります。とはいえ、言っておいてなんですが、この話は、成功は個別的で、失敗は共通的な要因があるという話からは外れています。その要因がコントロールできるかどうかという話が強くなっていることに留意が必要です。
成功と失敗が二者択一だと考えないのならば、おそらくこの手の議論はいろいろと考えていくことができそうです。