誤読から始まる経営学(仮)
ということで、先日は松嶋先生のお話を久しぶりに聞きました。とても印象深く、色々考えさせられた次第でした。内容的には経営管理論で、院生の頃加護野先生でしたか坂下先生でしたか習ったなという感じと、その再解釈や再配置を伴う新しさがあり、その幅がよかったです。
ちなみに、帰って当時自分が書いたレポートを読み直しました(笑)。こいつ驚くほど才能なかったな、、、という反省が先立つレポートばかりでした。最近は偉そうに人のレポートを採点していますが、もう少し寛容にと思います(その意味では、レポートはちゃんと保存しておいて、10年後、20年後に自戒を込めて見返すのがいいかも。。)
印象的だったのは、古典的な研究は誤読を伴って理解され、しばしば一般に流布していくということでした。バーナードの組織の定義などは、まったくそのとおりだと思います(二人以上の、、、にどうしても目が入ってしまう)。ただ同時に重要なことは、それは決して良い悪いという話ではなく、むしろ時には誤読によって新しい研究領域が提示され、その後一大潮流へと発展するということでした。この現実のすごさですね。
どんなテキストも、それから本人が生きていたとしても、伝達の過程は不確実です。常に誤読され、別の展開可能性に開かれています。その多くは誤読であり失敗ですが、それは同時にイノベーションでもあります。我々は、まずは失敗を恐れずに誤読すること。怒られて直すもよし、直せない自分に従うもよしであります。
『哲学の誤読』(入不二基義、ちくま新書、2007)を思い出しましたが、今度は松嶋先生による『経営学の誤読』を楽しみにしております。