雑感

世の中カオスな感じの今日この頃。コロナ禍前までは、それでもある程度の方向性は見えていたつもりでしたが、最近はよくわからない感じです。若ければいい時なのでしょうけれど、だんだんとそういうわけにもいかなくなりますね。ということで、いくつか気になっているところを備忘録がてら。

・経営者の時代

と、SNSで書かれているのを読んだ気がするところで、いよいよそんな感じになってきました。アメリカの政権を見るにつれ、著名な経営者の方々が政治の舵を取ります。考えてみれば、日本でもコメンテーターは経営者系の方だったりします。経営者としてどれだけ成功しているのかが評価の基準であり、どのくらい教養があるかとか、どのくらい偉いのかとかは相対化されている気がします。

世の中お金だからと言えばその通りであり、市場が社会を席巻していくプロセスこそが世界の歴史です。国家も大学もますます経済システムに組み込まれるようになりました。スポーツなんかもですね。ちょっと前までは、それでも、対抗の戦略がテーマだったと思います。今は、組み込まれた後の戦略が求められています。

研究者にとっても、本が必要だった時代は終わりましたが、まもなく論文が必要だった時代も終わり、経営者であることが必要な時代になりそうです(どのくらい先かはわかりませんし、すでにそういう分野があるのかもしれません)。

・昆虫の時代

そんな言い方が多分あるわけではなく、勝手にそう思うだけです。動物の時代のような言い方はあり、それはそれで何か意味があるのだと思いますが、昨今のSNSなどをみていると、動物的というよりは昆虫的という印象を持ちます。特に連想するのはアリです。

子供の頃、部屋にお菓子のかけらを落としてしまったりしていると、いつの間にかアリの大群がやってきていることがよくありました。どうやって気づいたのだろうと感心するわけですが、ひとしきりお菓子を食べたり持っていってしまえば、大群はどこかに消えてしまいます。で、また別のところでお菓子に群がるというわけです。

この感じ、炎上とか流行とか、そういう印象を持ちます。何かちょっとした火種のようなものがあり、そこにたくさんの人が集まってワーとなって、時間が経てば何事もなかったかのように静かになる。そしてまた別の場所でワーとなる。何を言うかとかそういうことではなく、アリの日常です。私たちがそういう存在だったことに気づくことができるようになりました。

・ツーサイドプラットフォームの時代

これは正しくなく、単に、上の二つを繋いでみるとこうなるという陰謀論です。(そういう意味では、陰謀論の時代の方が正しいかも)。つまり、一方で成功する経営者がいて、一方で彼らをエンハンスしたりあるいは操作される我々がいる時代です。フェイクニュースが日常になっている今日、その発信源やその操作に長けている人々がいるのは確かであり、彼らの手の上で踊らされているだけかもと思うこともあります。

でも、そういう人々も安泰というわけではなく、すぐに次に取って代わられる感もあります。有名人はもちろん、企業も、場合によっては国家も例外ではありません。いよいよカオスな時代ということかもしれません。


2025年04月01日 | Posted in エッセイ | | Comments Closed 

関連記事