内部留保しないこと

先日石井先生と話していて、P&Gなど海外企業は配当性向が100%を超えるようになっていることを聞きました。もちろん極端な例ではありますが、確かに調べてみると、配当と自社株買いで利益のほとんどを株主に還元してしまう傾向が強まっているようです。昨今の株価が四半期決算で大きく変動するのも、その利益が直接株主に還元されることを前提としていそうです。その利益がほぼ100%配当になると考えておけば、それに応じて株価を予測しやすくなります。

利益をどう考えるのかと言うのは興味深い点でもあります。思い出すのは、例えばアマゾンのような企業は、昔から(は?)利益をほとんど出さず、むしろ赤字にする戦略をとってきました。確かに企業は利益を出しても仕方がないわけで、全ては経費として、社員や投資に回してしまった方がいい。残ってしまった利益は、株主に返すか税金で収めれば良い。お金が短期でショートしそうな時はつどつど借りればいい。

対して、日本企業は内部留保が多すぎると言われてきました。会社は誰のものよろしく、株主のものというよりは社員たちのものだからかもしれません。とはいえ、社員たちのものであれば社員に還元すればいいだけなので、会社は会社のものという視点が内部留保が多い理由になろうかとは思います。

この点については因果は逆かもしれません。内部留保自体は、なんとなくお金を持っていた方が安全だろうぐらいの意識が先にあり、結果的に、会社の実体感が増している。海外企業は、この意識がすでに検討済みで不要になっていて、結果的に会社の実体感が薄れている。あるのはせいぜいブランドとかのれん。であれば、残った利益もブランドやのれん価値向上に投資(株価向上)するのが良い。加速感がましているということかもしれません。

税金対策などもあろうかと思いますので、もう少し戦略的な意味合いはありそうですが、会社観のようなものを考えるポイントにもなりそうです。


2026年05月31日 | Posted in エッセイ | タグ: Comments Closed 

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