価格競争があんまり、、、と思うわけ

牛丼界で没落したゼンショー どこで競合店と差が出たのか

何年か前、ビジネススクールの飲み会のときに牛丼競争の話題になりました。当時、三社が激しく値下げして競争していたわけですが(200円ぐらいになるんじゃないかと思っていた時期もありました)、どうして値下げ競争は駄目なの?というわけです。その時は何となく詰まったところがあり、あ、駄目でしょ?とだけいったわけですが、改めてと思い出した次第です。

その時なんとなく詰まってしまったのは、値下げして市場独占にまでいたれば、後からいくらでも回収できるかもと思ったしまったからでした。現実にそれは難しいことはわかりますが、うまく説明できるような感じではなかった(飲み過ぎていたかも、でも覚えているわけで。。)かなと思います。


値下げ競争は、まずは均衡への道です。均衡に達すれば、どの企業も利益は生存ぎりぎりの状態となります。基本的に、競争戦略とは、こうした生存ぎりぎりの状態を脱して、より多くの利益を確保するために行われます。

一方で、現実には、生存ぎりぎりになればなるほど、弱い企業は撤退することになります。弱い企業を可能な限り排除した結果としてえられるのは、独占状態です。独占になれば、後はやりたい放題です(もちろん、これも現実には難しそうですが)。

同時に現実には、独占状態になる以上にメリットが生じる可能性があります。例えば牛丼市場を考えた場合、値下げをすることで、他の牛丼企業に影響を与えるだけではなく、他の隣接市場にも影響を与えそうです。ハンバーガーを食べるのではなく、牛丼を食べようかというわけです。

実際にあのときうまく答えられなかったのは、この可能性、他の市場を浸食する可能性の、問題点を思いつかなかったからでした。他の市場もとれるのならば、うまくやっていけるのかも、と思ってしまったわけです。けれども、実は他の市場を侵食した場合、いつまでも独占が成立しないという大きな問題が生じると思います。隣の市場はたくさんあるわけですので、次々に他の市場の企業とも対決していかなくてはならないわけです。

他の市場を侵食できるというのは、メリットのようにみえて、おそらく、そもそも独占状態が成立しないというデメリットです。単に、当初の話通り、価格競争は均衡に至る道だということになってしまうからです。であれば、独占に至る前に(というか至らなくなってしまっているので)、どこかで反転した別の戦略をとった方がいい。


ところで、競争戦略は、基本戦略としてコストリーダーシップと差別化にわけられます。コストリーダーシップは値下げをベーストするわけですが、ここから、条件がもう少しみえてくるかもしれません。市場や産業が他の市場や産業からどのくらい独自的であると言えるかどうか、独自的であるならば、独占を狙って値下げするという手は生きてきそうです。一方で、独自的でないならば、ファーストフード市場という場合にはそうな気がしますが、コストリーダーシップは中長期的には今ひとつかも、ということになるのかなと思います。

今更ながら、記事を読んで思い出しました。


 

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