大学ストライキ

日本ではストライキ自体あまり聞かなくなった気がしますが、大学(の教員を含む一部)がストライキするというのは、海外ならではという印象があります。そういえば、先日確かブリヂストンの現地工場の話を聞いたときに、昔は何度かストライキがあったけど最近は良い関係が構築されていると言われていた気がします。最初のストライキは、そもそも工場ができる前にすでに起きていたらしい(笑 文化、ですかね。

これを消費文化というかどうかはともかく、労働者の権利を守るユニオンの考え方は、雇い主である資本家たちに相対するために重要なことだったと思います。その一方で、資本家と労働者の対立が現代において(日本だけ?)薄められていったのは、労働者という身分よりも、消費者という身分の方が際立ってきたからであるように思います。労働者は資本家に搾取されているのだ、というよりは、企業は消費者に奉仕しているのだといった発想の転換です。フォードがT型フォードを大衆にも届けようとしたとき、その大衆とは、他ならないフォードの従業員たちでした。

そんな時代の移り変わりの中で、大学でストライキが起こり、授業がなくなってしまうというのは、なんというか、印象深いことです。今回のストライキのメインは、TAと契約教員(非常勤講師なのか、それともテニュア(任期制限)を持たない講師のことなのかは、ちょっとよくわからない)ということではありますが、テニュア教員ではないとはいえ、あんまりザ・労働者という感じもしないですし。古いことしているなというよりは、何か新しい現象なのかもと思ったりもしました。

日本だと、少なくともTAにはユニオンはないでしょうか。こちらも基本的に大学院生がTAをしているようですが、日本だとTAは一つの職業というよりは、ちょっとお金のもらえる手伝いぐらいの位置づけですかね。非常勤講師については、日本でも昨今は雇用止めの問題があり、ユニオンが重要になってきているのかもしれません。テニュアのない教員についてはどうでしょうか、これもユニオンというほどのものはない気もします。いずれ出来てくるのかもしれません。

授業がないだけで、大学の中は至って普通です。学生の数は少ないものの、自習している感じの人たちも結構います。不便といえば、道路が封鎖されていて、バスが入って来れなくなっていることくらいでしょうか。聞くところでは、相互のユニオンの協定があり、相手のピケがはられている領域は、他のユニオンはそれを尊重して入ってはいけないらしいです。


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