瀬戸内国際芸術祭のマーケティングを考える

こんにちは! 3年の小山です。

今回は瀬戸内国際芸術祭のマーケティングのついてまとめてみたいと思います!

瀬戸内国際芸術祭とは、瀬戸内海の島々を舞台に開催される現代美術の国際芸術祭であり、トリエンナーレ形式(3年に一度開催される国際美術展覧会)で開催されています。
2010年に開催された第1回では延べ約94万人の来客者を数え、さらに規模が大きくなった2013年の第2回では来客数約107万人で順調な成果をあげています。
また、2016年には第3回も予定されていて前回同様大きな成果が期待されます!

(参照:瀬戸内国際芸術祭-Wikipedia)

それでは、具体的に瀬戸内国際芸術祭のマーケティングについてまとめてみたいと思います。

1.目的

瀬戸内国際芸術祭は、大まかにいうと「島の元気」と「海の復権」を目的に始められたそうです。

具体的には、

・芸術祭を通して、過疎高齢化の島を元気にして、香川の観光力を高める。また、舟運や二次交通等のインフラを整備させる。

・美術や文化による地域づくりのモデルとして、世界的なネットワークをつくる。
といった目的があるそうです。

こうした地域の活性化を目的とした芸術祭の開催は最近では珍しくなく、「大地の芸術祭」(新潟県越後妻有)や「いちはらアート×ミックス」(千葉県市原)、「みちのおくの芸術祭 山形ビエンナーレ」(山形県)など、アートによる地域振興は今ブームになっているそうです!

2.顧客

瀬戸内国際芸術祭は、地元の近隣住民だけではなく、主に都会に住んでいる若者の人々に来てもらうことを1つの目標として考えています。また、国際芸術祭と銘打ってるので、海外の人々も顧客として考えてもいいかもしれません。

つまるところ、「これまで瀬戸内近辺をはじめとした里山や島々を訪問することがあまりなかった人々」が瀬戸内国際芸術祭の顧客なのではないでしょうか。

3.アプローチ

まずは瀬戸内国際芸術祭をSTP分析してみると、目的は以前にも述べたように、都会に住んでいる若者の来訪、ですので、目指すべきポジションとしては「都会では見ること、感じることのできないアートによる芸術祭」なのではないでしょうか。

つづいて、マーケティングミックスの4Pの視点からこのポジションを目指してみると、

Productは、多くの国や地域から参加してくれたアーティストによる現代アート作品であり、3年間の準備期間があるので非常にいい出来の芸術作品が期待できると考えられます。

Priceは、前売り券は4000円(2013年、1シーズン)ですが、これはその期間中なら何度でも使えるものであり、後述しますがこの芸術祭は来客者が日帰りではなく2,3日の滞在をすることを前提としていますので、相応の金額かな、と思います。他に比較対象があまりないのでよく分かりませんが…。

Placeは、都会では味わうことが出来ない大自然と現代アートの融合ということで、瀬戸内の島々で開催することによって価値を創造することができると思います。これは、瀬戸内国際芸術祭の持っている強みでもあります。

Promotionは、公式サイトを作って内容をわかりやすく何か国語にも対応できるようにしたり、Twitter公認アカウントを日英バイリンガルで運営して、SNS上でのつながりを大事にしたりなどして、国内外問わず色々な方法で広めていったそうです。

(参考記事:【インタビュー】瀬戸内国際芸術祭2010:ウェブ制作とオンラインプロモーションの道のり

また、今回はデスティネーション・マーケティングということもあり、観光目的地でもある瀬戸内の島々の地域住民との関係性が問題となって浮かび上がってきます。

そもそもこの瀬戸内国際芸術祭は島々すべてを美術館のようにまとめて展示している構成上、全ての展示物を見るには1日だけでは足りません。そこで、来客者に旅行のような形で来てもらうことが考えられるため、必然的に宿泊等地域の施設を利用することが考えられます。これによって、地域の経済が活性化し、地域住民も多くの人が島を訪れることによって元気になり、実際島民の8割以上が継続開催を期待しています。

以上が瀬戸内国際芸術祭のマーケティングのまとめです。
アートというものは人の感性、インスピレーションによって成り立つものですので、それらを最大限感じることのできる環境づくりが大事だと思います。

いつもと違う環境で、いつもは見ることのできない作品を、いつもとは違う見方で感じることができるこの芸術祭に足を運べば、何か新しいモノがうかびあがるのではないでしょうか。一度作品を実際に見に行きたいものです。

(画像引用・記事引用→Art Setouchi 公式サイト

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