H&Mについてのマーケティング分析

こんにちは!二週連続の3年橋目です。

そろそろブログのネタに困ってくるころですが、今回はちょっと昔から私が注目していたH&Mについてマーケティング分析をおこなってみようと思います。

まずファストファッションという分野の企業は大きく二つに分けられます。その代表例は『ユニクロ』と『H&M』です。どちらの企業も価格帯が低い衣服を販売していることで有名ですがこの二つの企業は何が違うのかという部分を先に説明したいと思います。

まずユニクロについては『規模の経済』という言葉がキーになってきます。規模の経済とは「生産量の増大に伴い、原材料や労働力に必要なコストが減少する結果、収益率が向上すること」と定義されています。ユニクロにおいては毎年あまり変わらないフリースを世界規模で大量に生産するため価格を抑えられているということになっています。

次にH&MをはじめとするZARA、Forever21などのファストファッション企業のキーになる言葉は『速度の経済』というものです。速度の経済とは「商品の開発,生産,販売,流通,物流の回転速度を上げることによって得られる経済的効果」と定義されています。このことは流行に合わせた服を少量作り、流行の間に売り切ってしまい、また次の商品を売っていくということです。

たしかにユニクロのおいてある服はあまり変わらないのに対して、H&Mの服は次店に行ったときには全然違う商品に変わっているということを私も感じたことがあります。

ここからはSTPMに基づいた分析をしてみたいと思います。

・セグメンテーション、ターゲティング

H&Mではおしゃれ自体には興味があり、高額でなければ商品を購入してもらえる消費者層をターゲットににしている。深く調べてみるとH&Mは、そのターゲットをトレンドをおいかけるアーリー・アダプターではなく、それにあこがれるアーリー・マジョリティを中心に、レイト・マジョリティのごく一部をカバーするマジョリティでもクリエイティブよりに設定したとある。
特に“トレンドにとても敏感なアーリー・アダプターにあこがれる層”というのがポイントであり、つまり、アーリー・アダプターとマジョリティの合間にあるキャズム(溝)を的確にとらえ、それを価格の大改造によってうめ、市場のニーズを掘りおこしたということも重要である。

・ポジショニング

ここでは他社との差別化をどう位置づけるかということだが、一つ目にファストファッションブランドということで大きく全体のファッションブランドとの差別化は図られていると考えられる。とはいってもファストファッションの市場は近年かなり大きなものとなっている。そこで二つ目にファストファッションブランドのなかでも速度の経済を生かしたトレンドに敏感で、ファッショナブルなブランドとしてユニクロなどほかのブランドと大きく差別化されていると考えられる。この二つのポジショニングでH&Mは大きく成功したと私は分析する。

・マーケティングミックス(4P)

製品政策
H&Mの製品政策は簡潔に説明すると高級ブランドの模倣品を低価格で製造し販売するというものである。このような形態の企業では基本的に自らトレンドを作りはしない、いかに高級ブランドの商品に似たものを低価格で再現し、低価格でトレンドの服をほしがっている消費者に販売するかが大事になっている。

価格政策
速度の経済の理論に基づき、速度そのものが顧客にメリットを与えるという効果、回転速度を上げることによって競争優位を築くことを可能にし他社よりも価格優位に立っていると考えられる。
 またH&Mは自社工場を持たず、世界の800を超えるメーカーに生産を委託している。為替や物流などを勘案して、その時点で最適なメーカーを選択し、大量生産を行う。この速度の経済の中に大量生産という規模の経済のメリットを取り入れることで世界的な大企業になったと分析する。

プロモーション政策
広告、雑誌、PRイベント、ファッションショー、コレクションなど、すべてのコミュニケーションに一貫したメッセージを持たせてあり。H&Mの広告は、他のライバル他社と間違いようがないほど、H&Mのスタイルを貫いている。H&Mが掲げる、”fashion and quality at the best price”を表現すべく、あたかも高級ブランドの一角であるようなコミュニケーション戦略と、実際に店舗に出向いて見る価格の安さとのギャップに、H&Mの巧みなブランド戦略が秘められていると分析されている。
出所 http://www.harudesign.com/review/review42.html
また日本では日本人の特性、トレンドにあった店舗作り、商品販売をプロモーションしている。

流通政策
H&Mは安く商品を作れる世界中の国から低価格な海運で商品を運んでいる。これはユニクロも同じであるが、ZARAはスペインの自社工場で生産し、コストのかかる空運で商品を各国の店舗に運んでいる。ZARAは流通の速度(トレンドへの対応の速度)を重視していることがわかる。たしかに日本でのZARAはそこまで低価格というイメージは私も持っていない。
H&Mではインターネットが普及した今日、オンラインストアというものをいち早く重視し世界各国の消費者に商品を流通させた。それまではヨーロッパのトレンドがアメリカや日本に伝わるのには時間がかかったが、グローバル化が進んだ現在ではその時間がほぼなくなっているのでオンラインストアは爆発的な成長の一角を担ったと考えられる。

最後にH&Mはファッションブランドにイノベーションを起こしたのである。これまでの既存のやり方とは全く違うやり方で世界トップの売り上げを誇るファッションブランドになったのである。これからもマーケティング分野からの視点でもファッションブランドからの視点でもH&Mの企業戦略は見離せないはずだ。

参考記事
http://toyokeizai.net/articles/-/34844

https://www.wwdjapan.com/business/2013/09/28/00007121.html

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