ガリガリ君のはなし。

こんにちは!高津戸です。
最近暑い日が多くなり、コンビニでアイスのショーケースを見る機会が増えたと感じます。その場で気付いた訳ではないのですが、赤城乳業さんはこの春に対象商品に関して値上げを行いました。そのことから「ガリガリ君」に対しては10円の値上げがなされました。そっと値上げをしておけばよいのにも関わらず、赤城乳業さんは堂々とCMにしてしまって、話題になりました。
そこで今回は、赤城乳業さんの「ガリガリ君」について分析していきたいと思います。
まず赤城乳業さんの市場で置かれている状況ですが、森永、ロッテ、グリコ、明治などの企業と比べるとシェアで対抗しているとは言えません。しかし「ガリガリ君」の人気は、他のアイスクリームと比べても高い人気を誇っています(http://image.itmedia.co.jp/makoto/articles/1406/25/l_yd_ice2.jpg)。まさに「ガリガリ君」は赤城乳業さんの一本矢であるといえます。
そして早速ですが、STPMに基づき分析をしていきたいと思います。
〇セグメンテーション・ターゲティング
 公式HPにもあるように、「ガリガリ君」は「子供が遊びながら片手で食べられるかき氷が、出来ないか?」という思いのもと作られた商品であるので、年齢によるセグメントに注目した商品であったと言えます。しかし今では、子供の時によく食べていて、現在は成人している方々にも人気を博し、自然発生的に老若男女から愛される商品になっています。子供の頃によく食べたという懐かしさや、ノスタルジーを感じられる商品であるのかもしれません。
〇ポジショニング
 他の製品と比べると、価格の安い位置(特別安い)におかれ、シャリシャリ(ガリガリ)したシャーベットのような食感、清涼感から夏に好まれやすい商品です(http://image.itmedia.co.jp/makoto/articles/1406/25/l_yd_ice7.jpg)。
〇マーケティング・ミックス
 ・製品政策
「ガリガリ君」は新商品がSNSや口コミで話題になるため、ふらっとお店に寄って、そこにあったから購入するというより、「ガリガリ君」を求めて、お店に行っているような気がします。また新商品プラス既存のソーダ味を置いていることから、製品ラインナップにある程度の幅があり(「ガリガリ君リッチ」もあることを考えると、深さもある、、?)、棚を十分に確保できているかなと思いました。パッケージに書かれているキャラクターについては、キャラクターとして確立しており、文房具などが売られているのを見たことがあります。キャラクターが確立していることによって、他のアニメやゲームなどとのコラボを容易にしていると思います。最近ではアーティストのGReeeeNさんとのコラボもありました。
あと忘れてはいけないのが、“当たり”がついていることですね。安さに加えて、エンターテインメント性があることが、子供からの人気の秘訣だと思います。
・価格政策
木の棒一本1円以下で作り、同じ形状のアイスを何本も作るため、コストは低くできている気がします。そのため販売価格も安価です。そして消費者としての自分たちからしても、高いとは思えません。それが「ガリガリ君」の長年のヒットの理由であると思います。
60円から70円への値上げが2016年4月1日にありましたが、消費者からは批判の声より、むしろ今まで値上げをせずによく頑張ってくれたという声の方が多かったらしいです。値上げによる影響はほぼ無さそうです。
・プロモーション政策
赤城乳業さんは過去に「ガリガリ君リッチ コーンポタージュ」、「ガリガリ君リッチ クレアおばさんのシチュー味」や「ガリガリ君リッチ ナポリタン味」など、氷菓子からしたら変化球的商品を出して、話題になりましたね。これが赤城乳業さんの成功要因であると思います。普通ではないものを出すことによって、今SNSが普及した世界では、分速的、秒速的に商品情報が拡散されます。これによって、ほとんど宣伝費をかけずにPR出来たのだと思います。
SNSが普及する前には、子供同士の会話になるような話題性のある商品の開発に努めていたそうです。こういったことから、話題性による口コミが宣伝に大きく貢献していることが分かります。
(あとは、TVCMのガーリガーリクンッ♪という音楽も有名ですね。)
・流通政策
販路としては、他の企業と違うベクトルで進めていました。当初、多くの企業が量販店を主に販路としていましたが、赤城乳業さんはコンビニエンスストアに目を付けました。コンビニエンスストアの店舗数が増えてくると、他の企業もそちらに移行してきました。そうなると赤城乳業さんは量販店にも手を出すようになります。
最後になりますが、赤城乳業さんが成功した大きな理由は、消費者の中で話題になるようなことをやってきたからだと言えると思います。調べてみると、マーケティングの有効性は見つかりますが、今「ガリガリ君」という商品がいい環境にいるようなので、特に改善すべき点は見つかりませんでした。
次回作は「ガリガリ君 スイカ」だそうです。これからどんどん暑くなる季節なので、ぜひ食べてみたいですね。
赤城乳業株式会社(http://www.akagi.com/
日本経済新聞2014/5/8記事
 東洋経済ONLINE 2014/8/31記事

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です