こんばんは。3年の飯島です。今回は、書評にチャレンジしてみたいと思います。
今回ご紹介する本は、午後の紅茶×ポッキープロジェクト編著『ブランドのコラボは何をもたらすか~午後の紅茶×ポッキーが4年続く理由~』(宣伝会議、2018年)です。
まず、皆さんはこのようなコラボ商品を知っていますか?この商品は、午後の紅茶×ポッキープロジェクトの第1弾で2015年に発売されました。午後の紅茶とポッキーを隣に置くことで絵が完成するだけでなく、一緒に食べることでアップルパイの味になるというコラボ商品です。
今回ご紹介する本は、このコラボプロジェクトの始まりから、第1弾・第2弾・第3弾そして今年第4弾と4年間も続いている成功要因について実際にプロジェクトのメンバーだった方々が紹介しています。
まず、このプロジェクトメンバーはターゲットである20代~30代女性で構成されました。そして、世の中にあふれる「女子向けの商品」を反面教師にしながら、メンバーが1人1人の女性として「女性が幸せを感じる瞬間」について考え互いのブランドを越えて議論していき、商品化しました。
この本で1番印象に残っているのは、プロジェクト成功要因の1つでもある「消費者の遊び心をくすぐる「余白」を残したコミュニケーション」です。「余白」とは、消費者に能動的に活動してもらうよう働きかける一方で、押しつけがましくないちょうどいい距離感だと思ってもらうのに必要なものです。午後の紅茶とポッキーはコラボしているとはいえ、2つの商品であることに変わりはありません。つまり、消費者が2つとも購入し、かつ合わせて食べるという消費者の能動的な活動を期待しなければコラボ商品にならないのです。その「余白」とは上の写真の場合、王子様とお姫様の組み合わせを自由に与えたり、イラストをシルエットにして「匿名性」としたり、広告などで緻密な情報をあえて与えなかったりしたことで消費者に任せました。これにより、消費者の発想力を掻き立てることにつながり、余白を生かした遊びがインターネット上で話題となりヒットにつながりました。このように、あえて商品の全貌を明らかにしないことで消費者が興味をもち「試してみたい」と思わせることで成功したのだと思いました。
私は今までコラボというと、人気ブランドのコンテンツ力を借りたものやお互いの名前を交換し合うものをイメージしていました。しかし、この本を読んでお互いのブランドイメージを尊重しつつ、新しい商品を作るというコラボの形があることを知り驚きました。私がまだ気が付いていないコラボ商品の形はたくさんあると思うので、これからたくさん知っていきたいと思いました。