新型コロナウイルスの影響によるKFCの変化

 こんにちは、水越ゼミ所属3年の正路です。

さて、まもなくGWが始まろうとしていますが今年のGWは「Stay home 週間」と言われ、不要不急の外出を避けるように言われていますね。自宅に篭って、映画やドラマを一気見したり、ゲームをしたりする計画を立てている人も多いと思います。

そんな中、大手ファストフードチェーンのケンタッキーフライドチキンは今年の422日から「GWは家でケンタッキーを食べながら映画を見よう」と呼びかけるテレビcmGWパック『GWはお家映画』』を放映しています。

 

https://www.kfc.co.jp/sp/tvcm/cm_222.html

例年のケンタッキーがこの時期に流していたcmを調べてみると「GWのお出かけのお供にケンタッキーを」とアピールするような、今年のcmとは真逆のものが多い印象でした。

そこで、ケンタッキーフライドチキンの201945月と、20204月を比較してSTP4p分析を行うことで、新型コロナウイルスの流行によるマーケティング戦略の変化を探っていきたいと思います。

初めにSTP分析を行う。

S:Segmentation

まず、ファストフード市場を価格と品質でセグメンテーションを行う。それに加えて利用人数と年齢でセグメンテーションを行う。

価格:ファストフードで客単価¥500を目安に高いや、低いか。

品質:味、製法、こだわりなど

利用人数:1人で食べるか、複数人で食べるか。シングルかファミリーか。

年齢:若年層、ファミリー層、子供、高齢層

T:Targeting

現在放送されているケンタッキーのcmを見ると、家で映画を見ながら家族でGWパックを仲良く頬張る様子が描かれている。ターゲットはファミリー層で、家で食べることを想定されていることがわかる。またcmキャラクターとして有名人を起用していないことから、有名人のファンなど特定の層を狙っているわけではないとも言える。

対して20194月ごろに放送されていたcmは当時の新商品であるパリパリ旨塩チキンをアピールする「パリパリ旨塩チキン『パリパリ』」である。

https://japan.kfc.co.jp/news_release/news190409kfc01.html

その内容は女優の高畑充希さんが春の海辺で友人2人と一緒に美味しそうにチキンを頬張るという内容のもの。ターゲットは高畑充希さんと同年代の若者や、高畑充希さんのファン層で、春の暖かな気候の中外で食べて欲しいというメッセージが感じられる。

昨年と今年を比べて違うのはターゲットの年齢と利用人数である。cmに出ている人数はあまり変わらないが、今年のcmでは明らかに一つのパックを家族でシェアしているが、昨年のcmでは一つのパック商品をシェアすることと、一人一人がそれぞれ別の商品を買っていることがどちらも想定されているように見える。昨年はランチや出かける際に買ってもらうため若年層をターゲットにしていたが、外出自粛が要請されている今年は家でシェアして食べて欲しいと明らかに家族をターゲットにしている。

P:Positioning

ケンタッキーフライドチキンは他ファストフード店に比べて価格が高めである。しかしその分看板商品であるオリジナルチキンには国内産ハーブ鶏のみを使う、各店舗で手作りする、など品質にはこだわっている。よって価格はやや高め、高品質というポジションをとっている。このポジショニングは昨年と今年であまり変わらない。

次に4P分析を行う。

Product

今年の新商品としてアピールされているのは先述した通り「GWパック」で、その中身はオリジナルチキン、ポテト、カーネルクリスピー、チョコパイ(追加料金あり)とバラエティーに富んだ内容で、さまざまな年代や好みの人が一緒に楽しめる内容になっている。ケンタッキーフライドチキンにはもともとお得なセット商品は存在する。去年の同時期に新商品として出ていた「パリパリ旨塩チキンパックA」の内容を見るとパリパリ旨塩チキン、オリジナルチキン、ポテトの3種類であくまでチキンを食べ比べるためのセットだとわかる。

ターゲットを変えるのに合わせて商品の内容も変えていることがわかる。

Place

ケンタッキーフライドチキンは店頭販売が主流で、一部の店舗ではデリバリーもやっている。新型コロナウイルスによる緊急事態宣言が出てからは東京都など7都道府県の店舗の営業時間を20時までに変更している。営業時間の変更はあるものの流通の方法は基本的に変わっていない。しかし、外出自粛の要請の影響でイートインの利用が減少し、テイクアウトとデリバリー中心に変わっている。

Price

価格も今年と昨年では特に変わっていない。ケンタッキーフライドチキンはオリジナルチキンが1p¥250で、同ファストフードチェーンのマクドナルドなどよりはやや高めと言える。

昨年と今年の新商品の価格を比べると、パリパリ旨塩チキンは1p270、パリパリ旨塩チキンパックA¥1080に対し、GWパックは¥1500である。家族をターゲットにしたことで内容を豪華にしつつ単価を上げようとしていることがわかる。外出自粛によって客の来店回数が少なくなる影響から、客の単価を上げてカバーしようとしているのかもしれない。

Promotion

テレビcmがメイン。その他TwitterInstagramなどのSNS上での広告、クーポンがもらえる公式アプリのリリースなどを行こなっている。

Targetingのところでも述べたが、メインのテレビcmは昨年の若年層向けに有名人を起用したものから、今年はファミリー層を意識したcmに変わっている。そしてcmで「家で食べよう」とアピールすることで、外出自粛を呼びかけると共に、新型コロナウイルス感染拡大防止に努めていることをアピールする狙いもあると言える。

このように昨年と今年を比較すると、ケンタッキーフライドチキンは新型コロナウイルスによる影響でプロモーションや商品を変えていることがわかりました。

飲食業界が苦境に立たされている今、生き残っていくためには従来とは違ったマーケティング戦略が必要不可欠だなと改めて感じました。

(参考URL)

https://japan.kfc.co.jp/news_release/news200417kfc01.html

https://japan.kfc.co.jp/news_release/news190409kfc01.html

(画像引用元)

https://www.kfc.co.jp/top.html

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