高さには理由がある

こんにちは!阿部です!今回は大好きな「青の洞窟」のマーケティングについて書きたいと思います。

ここ、一度はInstagramやTwitterで見たことがありませんか?あのインスタ映えしそうなスポット、実は「青の洞窟」が協賛しているんです。

その「青の洞窟」は日清製粉から1995年に発売されているパスタソースや冷凍パスタ等のブランドで、「グルメのためのパスタ&パスタソース」をブランドテーマとして発売された商品です。背景には1980年代のイタリアンブームがあり、様々な本格パスタが日本中に浸透していった頃に立ち上げられた本商品は今でも家庭用パスタ界で存在感を現し続けています。

今回は2つのポイントに絞って今でも売れ続けている「青の洞窟」の秘訣に迫りたいと思います。

①ブランドイメージや世界観の構築が上手

初めて私がこのブランドに触れたのは小学生の時でした。赤や黄色といったパッケージが多いパスタソースのコーナーにひときわ青いコーナーがあり、パッケージの写真もおいしそうだったので購入をせがんだ記憶があります。

この「青色」は食品業界では異様なパッケージ色で、普通は食欲を刺激する赤や黄、緑色を用いるところを食欲減退、冷たいイメージのある青を使用しています。

しかし実際イタリアにある「青の洞窟(上部の写真)」は青い海の色が洞窟内で反射し、非常に神秘的な美しさを放っています。このように深遠なブルーを使い、洞窟のような奥深い味をイメージしたブランド名やパッケージを作り上げ、高級感・特別感を印象づけたことで40、50代をターゲットに取り込めました。

今現在は「欲深い大人の濃厚イタリアン」をテーマとして、パスタソースだけでなくペンネやラザニア、バーニャカウダソースも販売しており、前菜からメインまでを包括的に提案することで売り上げを伸ばすと同時にブランドイメージを確固たるものにしています。

 

②失敗した商品も再登場させる勇気

現在、冷凍パスタの売れ行きが好調な「青の洞窟」ですが、実を言うと2002年に一度冷凍パスタを発売しています。当時は冷凍ラザニアやリゾットもありましたが、通常のパスタより高価で売れ行きが伸びず、販売を停止していました。しかし2010年にブランドテーマ等を刷新し、改めてブランド認知が高められるような施策を行いました。そこで冷凍パスタやラザニアを再度販売したのです。この再販売では社会性の変化、消費者からの声も取り入れた商品開発が功を奏し、現在でも売り上げを伸ばし、ラインナップを広げています。

また、2018年には「GRAZIA(グラツィア)」シリーズという上位ブランドを展開し、同じ商品のリメイクをしています。例えば同じボロネーゼでも上位シリーズは素材のぎっしり感や高級感、味、ソースの量の増加等こだわった一品を提供しています。

このように一度失敗した商品をリメイクしたり、上位互換を出すというのは「売れる」という確信がなければできない戦略であり、日清製粉が非常にこのブランドを信頼し力を入れていることがわかります。

 

これ以外にも、2016年から青色のLED電球というノーベル賞にも選出された発明を使用したきれいなライトアップとパスタの提供を行うクリスマス限定イベントを渋谷・代々木公園で行っており、若者からの認知度も徐々に増えつつあります。Youtubeではプロのアレンジレシピも挙げられているので、一工夫で市販品とは思えぬ味と盛り付けができ、主婦の方へのアプローチもバッチリです。

このように自分が応援してきたブランドが売れて行くのは嬉しいことですね。今後はアクアパッツァ等のパスタ以外の商品展開も精力的に考えているそうなので非常に楽しみです。

最後になりましたが、ズワイ蟹のトマトクリームが一番おいしいので是非食べてください。一度食べれば他のパスタソースが眼中に入らなくなります。

ではまた次の投稿でお会いしましょう!

参考資料

青の洞窟 Club (aodo.jp)

191025.pdf (nisshin.com)

2010年7月20日 専用WEBサイト「青の洞窟 Club」オープン!!〜会員登録で発売前商品をGET〜 | ニュースリリース | 日清製粉グループ (nisshin.com)

“家庭で楽しむイタリアン”日清フーズ「青の洞窟」シリーズ誕生の由来とは〈ブランドの造りかた〉(食品産業新聞社ニュースWEB) – goo ニュース

『青の洞窟 SHIBUYA』渋谷公園通り~代々木公園ケヤキ並木が青一色に染まる – ファッションプレス (fashion-press.net)

HIS 絶景「青の洞窟 イタリア・カプリ島」 (his-j.com)

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