新時代のSNS?

こんにちは。3年の小林です。

先々週のサイワールドのケーススタディ以降、ソーシャルメディア・マーケティングに関する活動が続いています。活動において様々な企業のソーシャルメディア・マーケティングについて調べていく中で、マーケティング分野におけるSNSの影響力が強まっている事を再実感しています。
そこで、今回僕が取り上げるのは台湾で配信され、マーケティング分野でも各企業の注目を集めている大学生向けの掲示板式SNS「Dcard」です。

Dcardのサービスは、利用するには所属大学発行のメールアドレスか学生証での認証が必要になるという特徴があり、今では台湾の大学生の9割が登録していると言われています。登録したユーザーは、「グルメ」「ファッション」「学生生活」等のジャンル毎の掲示板や大学毎の掲示板を用いて、他の学生との交流が可能になります。また、24時間に1枚だけプロフィールが書かれたカードを引くことが出来、相互に承認するとやり取りを行うことが出来る「一日一会」というマッチング機能も人気を博しています。主な収益源は広告費であり、ユーザーから直接収益を得るサービスは現時点では行われていません。

そんなDcardは多くの大学生が集まっている事もあり、台湾の名だたる大企業の多くが広告を打ち出したり、コラボ商品の企画を行ったり、更にはアンケート等によるマーケティングリサーチの場としても利用しています。

ここまでDcardが企業の関心を集めている要因には、Dcardのユーザー層が他のSNS等と比較して極めて限定化されている点が関係しています。Dcardはサービスの性質上メインユーザーが18~22歳に固まっており、10代後半から20代前半をターゲットにした製品やサービスの提供を行う企業にとってはこれ以上ないほど確実にターゲット層へのアプローチが可能なプラットフォームとなっています。また、そのような場でアンケートをはじめとするマーケティングリサーチを行う事で、これらの年齢層の若者がどのようなものに興味関心を寄せているのかといったトレンドを正確に把握できる点も企業側にとって大きな魅力となっていることが考えられます。

このDcardは今年の4月に「Dtto(ディット)」という名前で日本版のサービスが開始されました。

サービス開始間もないこともあり、まだ登録できる大学は首都圏の一部大学(中央大学・お茶の水女子大学・法政大学・早稲田大学・学習院大学・上智大学・一橋大学・慶應義塾大学・東京大学・青山学院大学・立教大学・明治大学)に限られていますが(5月31日現在)、今後その範囲を拡大し、最終的には日本でも9割の大学生に利用されることが目指されています。学校メールアドレスや学生証を用いた認証システムに掲示板形式という他のSNSとは一風変わったサービスを展開し、企業側にとっても極めて限定的なターゲット層へのアプローチが可能なプラットフォームとしての価値を提供するこのSNSが、日本でも台湾の場合と同様の成功を収めるのか今後注目していきたいです。

参考) Facebookの「次」を狙う台湾発の匿名SNSが日本上陸、“学生の9割が利用”の理由 | DIAMOND SIGNAL
https://signal.diamond.jp/articles/-/728

Dtto公式ウェブサイト https://intro.dtto.com/

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