カルビーの異端児「じゃがりこ」

こんにちは。3年の池田です。突然ですが、みなさんは遠足に持って行きたいお菓子、学校でみんなと一緒に食べたいお菓子は何?と聞かれたら何と答えますか?答えは様々あると思いますが、「じゃがりこ」は確実に上位にランクインしてくるのではないでしょうか。
みんな大好き「じゃがりこ」ですが、実は発売までにかなりの工夫が施されています。今回はその「じゃがりこ」についてマーケティング的な観点で分析していきたいと思います。


まず、STP分析から見ていきます。
カルビーは、これまで「かっぱえびせん」「ポテトチップス」など、袋タイプのスナック菓子を販売してきました。この商品のターゲットは30~40代の主婦で、多くは家で食べられていました。そこでカルビーは新規顧客獲得のため、「外で食べられるスナック菓子」を基本コンセプトとして新たな商品の開発を始め、「外で食べられる」→「大人数で外で楽しく食べられる」と考え、ターゲットを女子高生に設定しました。


「外で食べられるスナック菓子」を考える際に課題となったのが、「持ち運びがしやすい形状でなければいけないこと」、「手が汚れてしまうパウダーの使用を避けること」が挙げられました。そこで「じゃがりこ」は、持ち運びやすいカップ型の箱を採用し、さらにフレーバーを練りこむことで手も汚れない工夫を施し、「ポータブル性」×「手の汚れやすさ」といった観点でポジショニングに成功しました。

続いて、4P分析について見ていきます。

  • Product

③「じゃがりこ」という可愛い名前
「じゃがりこ」という名前で売り出そうとした際、「じゃがりこ」だと中身がわからないという意見から「じゃがスティック」という名前でテスト販売。しかし売上はいまひとつ。
→ネーミングとパッケージを組み立て直し、「じゃがりこ」という名前で再チャレンジすると、名前の響きの可愛さが話題となり、爆発的ヒット。

  •  Price

②大人向けのやや高めの商品
じゃがりこファンを増やすため、30~40代の男性をターゲットにしたお酒のおつまみとなる「大人のじゃがりこ」を通常のじゃがりこより少し高めの価格で販売。通常のじゃがりことの差別化。「サッポロ 麦とホップ」の景品にもされた。

  •  Place

②ご当地じゃがりこの製造によるお土産コーナー進出
名古屋の手羽先味や、福岡の明太子味など、ご当地のじゃがりこを販売することで、地方各地のお土産コーナーでの販売を促進。

  •  Promotion
    ①CMによる食べ方の楽しみ方
    「じゃがじゃが、りこりこ、じゃ・が・り・こ」というメロディでじゃがりこを食べるCMを放映したことにより、じゃがりこを食べることに楽しさが生まれる。

②ユーザー発信のじゃがりこの楽しみ方の普及
じゃがりこにお湯を注ぐことで即席ポテトサラダを作ったり、割けるチーズを入れて「じゃがアリゴ」というレシピを考案したりと、じゃがりこを独自に発展させて新たな料理を作ることがユーザーにより普及している。また、女子高生の間では、友達の誕生日にじゃがりこを積み上げて、じゃがりこタワーケーキを作って祝うなど、手軽に買えるじゃがりこの強みが生かされた、ユニークな楽しみ方が普及している。

③消費者参加型商品開発
「みんなで創るじゃがりこ2021プロジェクト」を実施。新商品の味やパッケージ、バーコードデザインなどを投稿する、ファン参加型のイベントとなっており、ファンとのコミュニケーションを図り、じゃがりこファンを増やしている。

このように、STP分析や4P分析を改めてしてみると、「じゃがりこ」が売れるのも納得だなと感じました。特にじゃがりこの場合は、そのじゃがりこの親しみやすさから、ユーザーが独自に楽しみ方を考えたり、自由に製品企画の案を出したりして、ユーザーが自然とプロモーションを行っている点がじゃがりこの異端児らしい部分だなと感じました。みなさんも今は大人気のお菓子や商品も、改めてその人気の秘密を分析してみると面白いかもしれません!

最後まで読んでいただきありがとうございました。

【参考文献】
みんなで外で楽しく食べる「じゃがりこ」|シュン | 読書家マーケター|note
「じゃがりこ」が350億円の“お化け”商品に成長したワケ “いじられ”力と独自製法がカギ:2020年に25周年(3/5 ページ) – ITmedia ビジネスオンライン
ユニークさが生む共創。「じゃがりこ」熱狂的なファンコミュニティの秘伝レシピを大公開! | PR TIMES MAGAZINE
「じゃがりこ」既成概念を取っ払え! | あの人気商品はこうして開発された「食品編」 | J-Net21[中小企業ビジネス支援サイト] (smrj.go.jp)

 

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