ホームファニシング業界 ―IKEAとニトリのヒットの理由―

こんにちは!
水越ゼミ4年の長澤です。
ブログ投稿が久々なので緊張しています(笑)

今回は半年ほど続けてきた歴史分析の最終発表の記事です。

1.タイトル
ホームファニシング業界 ―IKEAとニトリのヒットの理由―

2.概要・ポイント
カーテンやシーツ類のようなホームファッションに加えて、ソファやテーブル、食器棚やベッドなどの大型家具や照明、家電商品を一箇所でそろえられる大型店舗を「ホームファニシングストア」といいます。現在の日本で、このホームファニシングストアの代表格となっているのがIKEAとニトリです。今回、この2つの企業が流行している理由を新聞記事から読み取りました。結果を一言で表すならば、販売促進力のIKEA、価格崩壊のニトリといったところです。

3.グラフデータ

4.ポイントとなる記事

『日経産業消費研究所、第3四半期新製品ランキング――3位、イケア・ジャパン。』
(2006/09/22 日経産業新聞)
 3位にはスウェーデンに本拠を置く世界最大の家具小売りチェーン「IKEA(イケア)」の日本1号店「IKEA船橋」が入った。単に商品を展示するのではなく、生活空間として提案する手法はユニーク。圧倒的な品数をそろえ、顧客が自分でパーツを持ち帰って組み立てることでコスト削減するといった独自のビジネスモデルにも評価が集まった。
 店舗面積は約4万平方メートルで全1万アイテムを取り扱う。商品はすべてイケアデザイナーのオリジナルで毎年25%を入れ替える。
 店内は独身男性の部屋、新婚家庭のダイニングなど生活シーンを設定した73のショールームを設け、家具や小物を組み合わせた部屋づくりを提案している。各部屋とも10万円程度で家具一式がそろえられるようにしてある。
 展示方法は世界共通だが、部屋の広さは日本向け。出店に際して日本の家庭を100軒以上訪問してキッチンや洗濯場まで細かく調べ、ショールームづくりに反映している。
『デフレでも伸びる企業――低コスト追求し値下げ先導(経営の視点)』
(2009/09/28 日本経済新聞 朝刊 9ページ )
 物価が下がり続けるデフレ懸念が再び強まっている。企業にとっては採算が悪化、経営の新たな重荷になるが、ライバルが軒並み収益を悪化させるなか「価格破壊」をテコに収益を伸ばしている会社もある。
 家具・インテリア専門店のニトリはその代表格。昨年5月から計6回、3カ月ごとに各200―400品目を15―40%値下げした。にもかかわらず、3~8月期の既存店売上高は実に11%増。2010年2月期の経常利益を従来予想から20億円上方修正した。23期連続の増益見込みだ。
 値下げによる集客力の向上だけが利益拡大の原動力ではない。多くの小売業は価格競争が激化するなか、不採算を承知で無理な値下げを続け、大幅減益ないし赤字に陥っている。
 これに対しニトリは損益分岐点を下げ、値下げしても利益の出る仕組み作りに余念がない。物流情報システム整備による欠品や不良在庫の圧縮、説明不要のわかりやすい売り場作り、セルフサービス徹底による店舗の省人化……。中でも大きいのが1985年のプラザ合意以来の円高に対応し、いち早く進めた商品の海外調達だ。
 商社や問屋に依頼して海外商品を輸入する小売業が多いのに対し、同社は中国や東南アジアの工場に自ら乗り込んで自主企画商品の生産を委託。工程の改善も指導している。
 94年にインドネシア、04年には人件費が中国の半分以下というベトナムで自前の家具工場を稼働させ、この8月からはベトナム工場の操業時間を倍増させた。より低コストのカンボジアやバングラデシュでの生産も検討している。
 そのニトリよりも先に今年1月、バングラデシュに衣料品を生産する工場を設立したのが、衣料品専門店のユニクロを展開するファーストリテイリングだ。商品調達の9割を中国に集中していたのを改め、調達網の多様化を進める。背景には店舗網も世界に広げるグローバル戦略がある。
 ユニクロの海外店はまだ百店強だが、すでに欧米や韓国、中国に進出。2020年にはユニクロ以外の店舗も含め国内で年商1兆円、海外で同4兆円とし、衣料品小売業で世界一になるという壮大な構想を描いている。
 世界最大の小売業である米ウォルマート・ストアーズなど海外大手は世界に店舗網を広げ、調達先も日本の小売業より幅広い。生産・物流コストを勘案し、最適な調達先から最適な出店地域に商品を運ぶのが先進小売業の常識だ。
 内需型産業といわれてきた小売業も国境の壁が低くなっている。業績が低迷していたウォルマート傘下の西友は昨年以降、ウォルマートの商品調達網を本格的に活用して徐々に売上高を伸ばしている。世界最大の家具チェーンであるスウェーデンのイケアや同衣料品チェーン大手のヘネス・アンド・モーリッツ(H&M)も日本に上陸し集客力を高めている。
 外資とのグローバル競争をにらんだ調達網や店舗網を構築し、低コスト経営を確立する。デフレを克服する小売業は無理に値下げするのではなく、価格破壊を先導できる仕組み作りにまい進している。

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