電力自由化市場ってこんな前からあったのね!

中嶋です、こんにちは!
私の弱みは計画性の無さです。
大反省、、、

さて、電力自由化市場って最近話題ですね
でもこの言葉最近生まれたわけじゃないんですよ!

てことでテーマは

電力自由化市場

そしてこれを深く調べていくにあたって
次の3つのキーワードを挙げます。

【電力自由化】

従来自然独占とされてきた電気事業において市場参入規制を緩和し、市場競争を導入すること。何度もの電気事業法の改正をもとに1995年からすでに始まっており、資源エネルギー庁が段階を踏んで進めてきた。

【電力安定供給】

電力の需要と供給のバランスが取れていること。(電気の周波数を安定させるために必要で、電力がたくさんあれば消費電力の節電を気にせずに電力を使用できるわけではない)

                                                  

【電力システム改革】

小売及び発電の全面自由化、また広域系統運用*の拡大、そして法的分離の方式による送配電部門の中立性*の一層の確保の3改革構成

 

*広域系統運用の拡大

地域を超えた電気のやり取りを可能にする

*法的分離の方式による送配電部門の中立性の一層の確保

電力会社の送配電部門を別の会社に分離することで、送配電ネットワークを公平に利用できるようにする。公正な競争環境を整備するためには、送配電ネットワーク部分を中立的な共通インフラとして開放する必要があり、そのためには送配電部門の中立性を確保することが重要である。
上記①~⑤のポイントに注目したい。

電力自由化・電力安定供給というキーワードの出現

一般家庭向けの電力自由化は日本では最近になってからであるが、なぜ日本は欧米に遅れをとったのか?

「電力自由化」の再注目

「電力自由化」の伸び

「電力システム改革」の伸び

「電力自由化」のキーワードと比べて記事数が多すぎるようにみえないか?

「電力システム改革」減速と「電力自由化」「電力安定供給」との反比例関係

なぜ「電力システム改革」は減少し、「電力自由化」「電力安定供給」が増えるのか

アウトレットモールの歴史

こんばんは!浅田です。
歴史分析最終発表用のブログです!

テーマ
アウトレットモールの歴史

選定理由
SCが続々と新設していることに気がつき、どう変化しているんだろう?と疑問を持ち、このテーマにしました。その中でも新しい業態であるアウトレットモールに焦点を当てて、歴史分析を行いました。

キーワード

アウトレット:多少傷のついた商品,季節外や旧型の商品,売れ残り品,またはその販路。本来は出口,はけ口の意味。
アウトレットストア:通常の使用に耐えうるこうした商品を値引き価格で販売する小売店

アウトレットモール(パーク):ショップが大規模な敷地に集積したもの。1980年代のアメリカ合衆国で発展し,1990年代に日本に進出した。


グラフデータ

グラフデータから、「アウトレットモール」というキーワードの検索数は、二つの波  (オレンジ、青)があることがわかります。
誕生、2つの波、衰退の4つの段階に分けて歴史をまとめました。

製品ライフサイクル

抜粋記事

①導入期

1993年に日本初のアウトレットモールが神戸で誕生した。1992年頃から、ローコスト経営の前提となる土地、テナント料の下落もあり、アウトレットストアが各地に増加していた。[1]これを受けて、アウトレットストアを集約したのが、神戸の「リバーモール」内のアウトレットモール(積水ハウス)である。「ダンロップ」のゴルフ用品を扱う住友ゴム工業の「RIC―OTL」やワールドの子会社、オリゾン ティ(神戸市)が運営する「キャパピー」など八店舗があり、安売りを競っていた。「実は、もともとマーケットシーン・リバーモールにアウトレットモールの計画はなかった。関係者によると、開業目前までテナントが決まらなかったため、急きょ、アウトレットモールを立案。リバーモールの目と鼻の先にあるファッション製品の常設展示場、神戸ファッションマート(KFM)に話を持ち 掛けてKFMのテナント六社を誘致し、なんとか八つの店舗を埋めたのが実情だ。」とあるように、発展性を見込んで作られたとは言えないようだった。[2]
[1]『日本経済新聞 大阪夕刊 関西トレンディ』、1993/06/21 、30ページ。
[2]『日経流通新聞』、1993/10/09 、12ページ。
②成長期

SCの増加とともに、アウトレットモールも増加していた。1999~2000年の二年間で約二十ものアウトレットモールが開業した。通常のショッピングセンター(SC)は九二年以降、年間百を超す出店ラッシュが続き過当競争気味。有力店がどのSCにも顔を出すなど 特徴が出せなくなってきた。「日本に適合したモール」を巡る各社の模索は続いている。[1]

そもそも「アウトレットモール」という形態は、米国では1980年頃から存在した。20年遅れて、日本で1990年代に増加したのには、2つの理由がある。不況と、商品サイクルの変化である。外資系の大手運動靴メーカーの例にとると、「製品サイクルの短縮で年一回だった新製品の発売が年六回に増加。流行遅れの商品が大量発生し多くの処分店が必要になった」[2]という。これらが、1990年代に日本でアウトレットモール増加の理由なようだ。
 しかし2000年代にさしかかる頃、在庫処分以外の役割も求められるようになった。企業が独自コンセプトのアウトレットを構築する例が増えたのである。集客力を発揮するモールの中で店の魅力を高めるには、プロパー商品を相当なボリュームで並べたり、「アウトレット専用商品」 を投入したりして品ぞろえを強化する必要があるがあったからだ。[3]
[1]『日経流通新聞 』、2001/02/06 、2ページ。
[2]『日本経済新聞 朝刊』、2001/02/11 、 17ページ 。
[3]『日経流通新聞 』、2001/02/06、 1ページ。
2002年頃から、アウトレットモールの差別化が重要視され始めた。「集客範囲が広いアウトレットモールは施設間の距離が離れていても競合しやすい。開業効果が一巡した後の課題はどう施設の魅力を高めていくかだ。大型店や専門店のバーゲンより買い得感を出すなど特長を鮮明にできないと開業景気が一巡した後、客足が遠のきかねない。飲食やシネコンなどサービス・娯楽機能の複合化は一つの方向性だ。来店頻度を高めるのか、 客単価を引き上げるのか狙う客層とともにマーケティングの軸を明確に据える必要もある。」[1]
[1]『日経MJ(流通新聞)』、2002/09/24 、8ページ。

③成熟期

デベロッパー関係者は「アウトレットモールは日本でも特別な存在ではなくなりつつある」と説明する。「時間を惜しんで掘り出し物を探す姿がすっかり減り、むしろ散歩がてら、ゆったり買い物を楽しむ人が多い。 犬を連れてくる人も目立つ。「安さより、気持ちよく買い物できることのほうが魅力」との声も聞かれた。」とあるように、2002年からの各モールの固定客確保のための働きかけによって、消費者の意識にも変化が見え始めた。出店者側も、最近はアウトレットだからといって正規店より内装やサービスの質を低くしておくことは許されなくなっていると説明する。

2010年には、テナントが埋まらないまま営業する施設が出るなど施設数の増加で市場淘汰が進んだ。そのため、アウトレットモールが特別な買い物場所から、百貨店や総合スーパーと同等の日常的な購入チャネルとなった。現在の施設を複合商業施設として郊外ショッピングセンターのように日常性が強いタイプと、レジャー要素が強いエンターテインメント訴求型のモールに分類。前者なら反復利用を促す提案、 後者なら非日常性を打ち出した提案や、施設で過ごす時間を楽しめる要素が必要だと指摘した。

 

④衰退期
2012年にはアウトレット市場の衰退を示す記事が見られた。
「低価格を武器に成長してきたアウトレット市場が曲がり角を迎えている。百貨店でもシーズン商品のセールが拡大しており、アウトレットの存在理由が希薄になりつつある。業界の試算ではアウトレットの市場規模は6千億円。矢野経済研究所(東京・中野)の推計によると、11年度は前の年度比3%増にとどまった。日本ショッピングセンター協会によると、国内のアウトレット施設は39。業界関係者の間では「アウトレットの出店余地はあと2~3カ所程度」(商業コンサルタント会社プロッドの田中紘之社長)」[1]
これをうけ、三井不動産などは海外出店へ方向転換をした。日本企業による中国での商業施設は富裕層を顧客とする百貨店が先行したが、消費市場拡大で中間層を狙った施設の需要が急増すると判断。国内は出店余地が少なくなる中、成長市場で攻勢をかける。三井不動産は中国で大型商業施設を多店舗展開する。上海市にショッピングセンター(SC)の1号店を開業し、アウトレットも出店する。日本企業による中国での商業施設は富裕層を顧客とする百貨店が先行したが、消費市場拡大で中間層を狙った施設の需要が急増すると判断。国内は出店余地が少なくなる中、成長市場で攻勢をかけた。[2]
[1]『日本経済新聞 朝刊』、2012/04/12 、10ページ
[2]『日本経済新聞』、2010/09/12

日本の風習「お歳暮」の衰退までの過程

こんばんは。森桶です。就職活動に追われる日々ですが、卒業論文の練習として行っている歴史分析の投稿をします。
今回は私はお歳暮というテーマについて調べてみました。

テーマ
日本の風習「お歳暮」の衰退までの過程

はじめに

みなさんはお歳暮という日本の風習をご存じだろうか。知らない人も多いと思うので説明してみたいと思う。お歳暮とは12月初旬から20日の間にお世話になった人に1年の感謝の気持ちを込めて贈り物をすることである。要するに年の暮れということでお歳暮である。これと似たようなものでお中元というものがある。これは1年の盆である7月初旬から中旬に贈り物をすることである。贈り物としては日本酒やワインが代表的であり、最近は商品券や電化製品が渡されることも多いようだ。(http://irohajapan.net/iroha/B06_custom/05_chugen.htmlより)ちなみに受け手の人気ランキング1位は断トツで商品券であった。使い勝手がいいことが人気の理由だろうがせっかく選んだ送り手としては寂しいもんである。ところでみなさんはこれまでお歳暮のことを知っていただろうか。おそらく言葉は知っていても何をするものなのか知らない人は多いと思う。私もその一人であった。現代人にお歳暮という日本の風習が浸透しなくなってきていることの象徴であろう。実際にお歳暮の記事の数は昔と比べて急激に減っている。

グラフデータ

記事データ
当世お歳暮事情、9割以上が贈る予定――人間関係を円滑に。

1990/12/13 日経流通新聞 26ページ 2220文字
 味の素ゼネラルフーヅ(AGF)の主婦調査は、お歳暮についてのニーズの相違を浮き彫りにしている。当世お歳暮事情を同調査に当たった同社統括マネジャーの生野一郎氏に分析してもらった。この調査は今年九月、東京都と大阪市に住む主婦各二百人(計四百人)を対象に、
お歳暮に関し、今年の購買傾向を探ってみた。さらに、日本独特の風習であるお歳暮についてどのように感じているか、聞いた。まず、今年の贈答意向の有無を尋ねたところ、九一・五%と全体で九割以上の人が「贈る予定」。「毎年していない」と答えた人は、五・五%にすぎない。贈答予定件数は全体で六・七件、予算については一件当たりの平均金額が四千九百六円、予
算総額は三万二千八百七十円だった。昨年の同様の調査結果では贈答予定件数は六・九件、一件当たりの平均金額が四千八百二十八円、予算総額が約三万三千円で、ともに大きな変動はみられなかった。しかし昨年は一昨年に
比べて件数も増加し予算総額も約一割アップしていることから、好景気が続きながら家庭ではやや堅実なムードがでてきた気配が感じられる。
お歳暮についての考え方を尋ねたところ「お歳暮を贈ることにより人間関係が円滑になる」と考えている人が七五・八%と最も多い。九割以上の人が贈答意向を持っていることとあわせて、欠くことのできない習慣になっている。さらに、「お歳暮は形式的だとは思うが、よい習慣である」と肯定的な人が四九・三%と約半数を占めている。
 また「お歳暮の商品の中身で相手のセンスがうかがえる」と思っている人は六四・〇%と比較的多
く、商品を決める主婦にとってはますます頭を悩ませそうな、そして流通業界にとってはますます工
夫を凝らした品ぞろえを求められそうな結果が出ている。

歳末商戦、明暗分ける――百貨店、スーパー、歳暮ギフト好調。

 歳末商戦がピークを迎えた。業態、商品で大きく明暗を分けた格好だ。歳暮ギフトでは、法人の前倒し発注の恩恵を受けた百貨店が二ケタの伸びを見せているのに対し、個人客中心のスーパーは苦戦している。一般商品は宝飾品・雑貨、BSチューナー内蔵テレビなどが好調な売れ行きを示している一方、暖冬の影響をまともに受けた防寒衣料、暖房器具などが低迷している。消費
に“は行性”が出てきたことで、流通各社の強気一辺倒の姿勢にも変化が出てきた。選別消費がどこまで進むかが、今後の消費の行方を占う一つのポイントになりそうだ。  一方、個人客が主体で前倒しの恩恵を受けないスーパーのギフト商戦は盛り上がりを欠いている。「出足の鈍さが響き、売り上げ増が見込めない状態」(ダイエー)という。前倒し発注も「呼び掛
けたが、消費者の反応はいまひとつ」(長崎屋)なのが響いている。このため、「量が出るのは十六 日の日曜日」(イトーヨーカ堂)とみて、終盤戦での販売に望みをつないでいる。

歳暮商戦、個人向けは前年並みに――百貨店も産直品、ボーナス後勝負。

1995/12/14 日経流通新聞 23ページ 2326文字   

ここ数年、低迷を余儀なくされていた歳暮商戦が、今年は個人向けを中心に下げ止まりの様相 をみせている。ヤマ場の九、十日を越えて、百貨店では「前年割れを続けてきた昨年までと違い、 店頭の歳暮は前年並みを確保できそう」との見方が支配的になっている。最近は歳暮商戦のピークが後ろにずれる傾向も著しい。例年と同様、十二月の最初の土曜、日曜日がヤマ場だが、「第二土・日曜の比率が次第に高まってきた」(そごう、東急百貨店など)ところ が多い。なかには「九、十日が最大のピーク」(伊勢丹など)という逆転現象も起きている。 その結果、東急百貨店では「十一月中は前年実績を下回ったが、十二月に入って前年に追い付いた」とし、伊勢丹本店(東京・新宿)は「ハウス(自社)カードのアイカードの決済日である六日をすぎて動きが出始めた」。ピークが後ろ倒しになっている要因としては、(1)出費の感覚が厳しくなり、ボーナスが出てから 購入する傾向が強まった(2)宅配便の普及などで配送日数が短くなり、あまり早く発送しなくても済 んでいる――などが挙げられる。曜日別では土曜日の売り上げ増が著しい。西武百貨店池袋店のギフトセンターでは、これまでの ところ九日の土曜日の人出が最も多く、「ボーナスサンデーではなく、ボーナスサタデー」という。また高島屋東京店では、ファクスなどを使い、店に足を運ばなくても注文ができるホームショッピ ングの売り上げが前年比二五%増だ。品選びを含め、簡便に済ませたいという省エネ派が増えており、商戦の後半ずれ込みの動きと無縁ではなさそうだ。百貨店のギフトセンターが下げ止まりの気配を見せる一方で、百貨店以外は好調な伸びをみせている。スーパーでの歳暮が消費者に定着してきたほか、まだ額的には少ないものの、コンビニエンスストアや郵便小包の「ゆうパック」などが二ケタ成長を示している。「ローソン」を展開するダイエーコンビニエンスシステムズ(DCVS、大阪府吹田市)では、前年比 六五%増の十五億円の売り上げを見込む。昨年よりも取扱期間を十日延長し、十二月二十八日まで受け付ける。セブン―イレブン・ジャパンも前年比五割程度の売り上げ増を目指す。取扱品目数は前年よりやや減ったものの、産地直送の商品を強化しながら五十商品強をカタログ販売する。商品の価格帯 は三千円台が中心。郵便局の「ゆうパック」は歳暮向けに「東京お歳暮特選品」を企画、今年は個数ベースで前年比一二・八%増の七十万個を見込んでいる。
 コンビニやゆうパック好調の背景には、自宅の近くで申し込める便利さに加え、お歳暮用商品が バブル崩壊後に高級品志向から実質志向に変わってきたことがある。

虚礼廃止、年賀状や歳暮――実質的な営業重視、送り先“厳選”も(四国リポート)


1996/12/14 日本経済新聞 地方経済面
四国 12ページ 1318文字 

 日本の企業の代表的な年末年始の慣例である年賀状や歳暮などをとりやめる「虚礼廃止」の動 きが、四国の企業や金融機関の間で目立ってきた。バブル崩壊後の経費削減ムードに加え、儀礼的なあいさつを省き実質的な営業を重視する志向が強まっているのが理由。今のところ大手企業が中心だが、業種的にもメーカーから流通や金融機関まで幅広い。今後も広がっていきそうだ。バブル崩壊後、経費削減を目的に、虚礼を控える動きが広がった。景気の回復感から復活させる企業も目につくものの、「虚礼廃止」の流れが確実に広がっているのは、営業スタイルが変わり、
「単に顔を出すだけの御用聞きのような営業活動は通用しなくなってきた」ことが大きいのではないだろうか。売り込み側が顧客の意向を先取り、企画を提案する営業が一段と重視されるようになっており、
「虚礼廃止」の動きは止まりそうにない。

虚礼廃止(中)お歳暮――秘書課でも3分の1に、単価切り詰めも進む(検証社内改
革)
1996/12/04 日経産業新聞 30ページ 1428文字 
 得意先や有力取引先などに贈るお歳暮。ビジネスの“潤滑油”として営業部門などで連綿と続いてきたが、バブル崩壊後、低成長が常態化する中で、全社的な経費洗い直しの一環として削減の動きが活発になっている。各企業の取り組みを紹介する。東京ガスでは安西邦夫社長の号令下、一九九四年十一月から全社で歳暮を削減している。理由はもちろん、経費削減だ。「これまで慣例にしたがって贈ってきたが、ここで徹底的に洗い直すことにした」(広戸正之広報部副課長)。その結果、東ガスのお歳暮の出費は秘書課管轄で従来の三分の一近くに、営業部隊でも半減した。社名入りの年賀状もこの年限りで廃止した。歳暮削減の動きは、物価を高止まりさせてきた原因の一つである「法人需要」の崩壊、ひいては経営の合理化・透明化を加速するかもしれない。(中井豊)

胎動の期待スルリ、12月商況盛り上がり欠く――ギフト・歳暮購入先シフト。
1998/12/24 日経流通新聞 19ページ 870文字   

不況の荒波のなか、百貨店の歳暮商戦は今年も低迷した。法人向けが企業収益の一段の悪化
の影響で、昨年の売り上げ水準から「さらに一割以上の落ち込み」(伊勢丹新宿本店)。一方の個人客も財布のひもは固く、各社のギフトセンターでは前年を下回ったところが多い。「客単価は四千五百円と落ちていないが、贈り先を絞り込む動きが目立つ」(高島屋東京店)。消費者の節約志向は依然、根強く、高島屋全店のギフトセンターの売り上げは前年を五%下回る
ペース。伊勢丹新宿本店も十二月中旬以降、盛り返しているが、ギフトセンターは二十日までの累
計で前年比三%減だ。
 今年は法人受注の減退を見越し、個人客の確保を狙って一部で早期受注に向け割引特典を打ち出したり、送料無料商品の拡充に動くなど顧客争奪に火花を散らした。こうした策に打って出た
百貨店は前年を上回ったが、伸びは小さい。今年から、配送料無料商品を大幅に拡大した三越。同社は早期の顧客獲得に向けて、十一月中旬から今月十三日まで最高十万円の買い物用プリペイドカードが当たる懸賞を実施したが、本店ギフトセンターの十二月中旬までの累計売り上げは前年比二%増。「消費が底入れした感じはなく販促でどうにかしのいだ」(井上和雄三越社長)格好。
 西武百貨店池袋店でも十月に早期受注した得意客に一五%を割り引くサービスを始めた。個人 の歳暮需要も伸びは見込めないとみて他社の顧客を引きつける作戦だが、ギフトセンターの累計
売上高は辛うじて前年並みを確保している程度だ。
 一方、大手スーパーでは歳暮の売り上げが増えており、イトーヨーカ堂は前年比三〇%の伸び。 ダイエーの歳暮の売り上げは九七年は二%増で、今年は一%増とかための見通しを立てていた
が、これまでは二%増とわずかながら予想を上回っている。単価の下落、贈り先の絞り込みなどで客単価は下落傾向だが、客数が増加、「不況下で従来の
百貨店の顧客が流れてきているのではないか」という。家計のリストラが進むなかで、ギフトの購入先を百貨店からスーパーにシフトする動きが広がっている可能性もある。

歳暮ネット販売好調、前年比10倍の百貨店も。

1999/12/07 日経流通新聞 2ページ 1050文字   

インターネットによる歳暮ギフトの販売が急拡大している。実際の店舗での売れ筋商品がネット 上でも人気を集めており、百貨店や仮想商店街では売り上げが前年比で十倍に達したところもある。ギフト商品は実際に商品を見なくても内容が分かるものも多いことから、ネット通販に適するともいわれており、今後、ネットでのギフト購入はさらに広がりそうだ。高島屋は、ネットで取り扱う歳暮ギフトの商品数を昨年の百から今年は三千へと大幅に増やした。昨年はネットでの歳暮ギフトの売上高はトータルで数百万円だったが、今年は先月十七日に 受け付けを始めて以来、すでに売り上げは一千万円を突破した。「昨年と商品数が異なるので単純比較はできないが、昨年比だと十倍は超えるのでは」(同社)という。今期の売り上げ目標の三千 万円は達成できると見ている。三越では十一月六日からネットでの歳暮の販売を開始したが、十二月三日までで五百件の注文が寄せられている。十一月の売り上げは金額ベースで昨年比十倍。夏の中元商戦の売り上げは 約七百七十万円だったが、今年のネット歳暮商戦では十六日までに一千万円を突破すると見られる。伊勢丹のオンラインショッピングサイトでも、歳暮商品は昨年比で五―六倍の売れ行き。今年は 四百五十の商品をそろえたところ、今夏の中元商戦よりも出足が良く、総売上高も十二日には一千万円を達成する勢いだ。小田急百貨店も十一月十七日からネットでの歳暮商品の販売を開始したが、二週間でアクセス 数は一万件に達し、「地方在住者からの注文も増えている」(同社)という。  売れ筋商品は「洋菓子やパスタ商品」(伊勢丹)、「ビールやハム」(小田急)などで、実際の店舗 での人気商品がネット上でも人気が高い。三越では、ギフトをもらった人が商品を選べる「選べるギ フト」サービスが好評だ。仮想商店街での売り上げも好調。「楽天市場」を運営する楽天(東京・目黒、三木谷浩史社長) は、東急百貨店、阪急百貨店を含め全体の取扱商品を昨年の三千五百商品から一万三千商品 へと約四倍に増やしたことなどが奏功。十一月末の売上高は前年同月比で十倍に達した。インターネットのポータル(玄関)サイト「goo」を運営するNTTエムイー情報流通(NTT―X、東 京・千代田、池田茂社長)のショッピングページ「goo―ショップ」も歳暮商品をまとめてコーナー化したり、男性向け商品や価格帯などで検索できる機能を強化したことで売り上げが増加。歳暮期間中は通常月の二―三倍の売上高を見込んでいる。
歳暮商戦が本格化――2割近く、ネットで購入(買い手のホンネ産地研調査から)

2009/12/03 日本経済新聞 朝刊 33ページ 858文字 

歳暮商戦が本格化してきた。ここ数年、店に出向かずインターネットで購入する人が増えている。日経産業地域研究所が首都圏で実施した消費者調査によると、歳暮を今年贈るとした人のう ちネットで購入する人(一部の利用を含む)は19%と2割近くに達した。2年前の同じ時期の調査では11%にとどまっていたが、昨年9月の調査で18%まで増え、今年はそれをさらに上回った。実際、10~11月の歳暮の早期受注では「ネット受注金額に限ると前年比2割増」(高島屋)といった店もある。2007年の調査では、ネットでの購入予定は男性が13%、女性は10%と男性の方が割合は高 かったが、今回調査では男性の17%に対し、女性が21%と逆転した。年齢別は、ネット利用が活発な若い層の方が比率が高く、20代は33%、30代も32%と3割を超す。40代は
14%、50代は17%で、60代になると6%と1割以下だった。 歳暮を贈る人の割合は近年、減少傾向にある。07年調査では55%だったが、08年調査では
52%に低下。今回調査では49%と50%を下回った。特に若い層の比率が低く、20代は37%、30代は39%にとどまる。
それだけに20代、30代に歳暮利用を促すにはネットでの受注活動がカ
ギを握る。職業別では、ネットでの購入は店に行く時間を確保しにくい勤め人の利用が目立つ。今回調査でも、勤め人で歳暮を贈る人のうち、ネットでの購入予定者は22%と全体での割合を3ポイント上回る。ただ、専業主婦でもネット利用は急増している。07年は6%にすぎなかったが、今年は全体での割合と同じ19%を占めた。専門自由業や無職男性は利用意向が低い。市場が縮小しているとはいえ、百貨店にとって歳暮は大きな商機。今回調査でも、歳暮を贈る人のうち66%が百貨店の利用を予定している。ネットでの購入予定者を確実に取り込めるかが歳暮商戦を左右しそうだ。調査の方法10月3~13日に首都圏30キロメートル圏に住む20~69歳の男女モニターに郵送で実施。回答は470人。

「子供市場」が消えた?!

こんばんは、4年の西尾瞳です。
久しぶりの投稿で、悪戦苦闘しております…

早速本題に入ります!
今回は歴史分析ということで、私は「子供市場」について分析しました。
では、はじめます。

テーマ


子供市場の移り変わり

概要

現在、少子化と不況の影響で、子供服・用品や玩具・娯楽関連全体の子供市場は縮小し、子供向け商品は厳しい状況にある。
一方、子供の将来を考えて、幼少期から英会話教室や学習塾を受けさせるなど、子供市場でも関連市場は今後も拡大が予想されている。

また、団塊ジュニアは出産後も共働きケースが増えていること、シングルマザーなどの増加に伴って、少子化にもかかわらず、保育所や放課後児童クラブの利用児童数は増加している。
このほかにも、晩婚化の影響で子供一人当たりにかける金額が増加するといった要因により、教育関連やサービス関連は伸びを示している。

この傾向は、将来も変わらないと推測されている。
そこで、過去20年間の歴史を分析することで、子供市場がどのように変化していき、現在の状態になっているかを考察しようと思う。

(※今回、子供は0歳から14歳までを対象とする。)
 
 

グラフデータ 

 
資料:「こども市場総覧2009」ボイス情報株式会社より

 

ポイントとなる記事

(引用)2007/01/17 日経MJ(流通新聞) 2ページ

 
ポイント

(1)子供関連消費では少子化による豪華さより価格と品質重視の「賢い消費」が台頭

(2)服や持ち物では子供っぽいものより大人と同様の製品が増加。習い事消費も増える

(3)大人並みのテイスト分化、厳しい商品選択で競争が激化。物販拠点は住居に接近する

豪華さより価格・品質重視

 子供向け支出に関する消費者調査と関連企業への取材の結果、従来イメージとは異なる「キッズ関連消費」の動向が浮き彫りになった。被服費の抑制、食品の低価格と健康・安全性へのニーズなどから見えてくるのは、少子化による「豪華さ」よりも「賢い消費」。モノ選びの基準は「大人同様」になり、価格、品質、テイストなど様々な面で親子双方の選別が厳しさを増している。(中略)

 小学二年生の持ち物では九七年と比べ人形セット、レターセットなどが減少。ゲーム機や鍵盤楽器、携帯電話、パソコンの保有率が上昇した。子供っぽい商品からの離脱と情報化が進む。(一部抜粋)

(引用)2013/12/23 日本経済新聞 朝刊 11ページ

 
イオン系アミューズメント施設運営大手のイオンファンタジーは東南アジアで遊戯施設の出店を拡大する。従来はイオンのショッピングセンター(SC)が中心だったが、2014年夏にはフィリピンで独自出店を始める。東南アジアでは海外勢もテーマパークなどを相次いで開いており、膨らむ子供市場を巡る陣取り合戦が激しくなっている。

 東南アジアは人口に占める子供の割合が大きいうえ、経済成長により一定の所得水準を持つ中間層が拡大している。フィリピンの場合では、年間出生数が170万人と100万人の日本を大きく上回る。インドネシアは14歳以下の人口だけで約6500万人に達する。

 日本総合研究所の調査によると、家計に占める子供にかける費用の割合は東京は約4%だが、東南アジアの主要都市は軒並み東京を超えている。一方で少子化が進む日本では子供向け遊戯施設の市場は伸び悩み、出店余地が以前より乏しくなっている。

 このため、イオンファンタジーはフィリピンで小売り大手SMグループと連携して屋内型の遊戯施設を出す。SMグループは同国内に40を超すショッピングモールを展開しており、3年間でこのうち10カ所に出店する。SMグループとしても家族連れを集客するにはイオンのSCのように子供向け遊戯施設が充実していることが重要と見ており、順次、施設を増やしていく計画だ。(中略)

 すでに進出しているタイやマレーシアでも店舗を増やす。現在、マレーシアはイオンのSC内を中心に直営店を展開するが、現地の商業施設などの引き合いに応じてイオン以外への出店も進める。

 14年度には中国、タイ、マレーシアの3カ国での直営店舗数を145と、13年度見込みより6割増やす計画だ。

 

新たな衣服、スマートGジャン

こんばんは、中川です。安定の滑り込み投稿です。
さて今回僕が取り上げる話題はなんと、初回のケーススタディで僕ら3年生が未熟さを痛感したリーバイス社の新商品についてです。大手ジーンズメーカーであるリーバイスがこの度あのGoogle社と手を組み発表した商品がこちら、「スマホ入力ができるGジャン」です。???「衣服のIT革命や〜」

・・・・・・まあパッと見はただのGジャンですよね、しかしこのGジャンは導電性のある特殊繊維を織り込んだ袖の一部を指でなぞったりたたいたりすると、スマホをポケットから取り出さなくても簡単に操作することができます。要は袖にあるセンサーで操作できるということです。なるほど確かに画期的ですね。
スマホなどの微弱な静電気を利用するタイプのタッチパネルを操作できる手袋等はだいぶ前から販売されていますが、これはスマホ本体を触るわけではなく、スマホ自体は服の中に入れておくだけです。袖のボタン部分にUSBメモリーほどの大きさの小型端末を装着し、スマホとはBluetoothを使って接続します。小型端末を取り外せば、普通のGジャンと同じように洗濯できるようになっています。

細かい話をすると、グーグルとリーバイスは昨年5月にスマートウエア開発で提携し、グーグルの先端技術研究部門「ATAP」が日本の繊維会社の協力を得て開発したハイテク繊維を使い商品化に漕ぎつけたそうです。そしてこの商品がヒットすればゆくゆくは別のスマートウェアも開発を進めるとのこと。

実際に道案内のナビとして使っている様子はこちらのPVをご覧下さい↓
https://www.youtube.com/watch?v=yJ-lcdMfziw

どうでしたか?個人的な感想を言うと、これ一着持ってると便利かな?程度です。日本国内では動画のような自転車に乗りながらイヤホンをすることは規制されているので歩行中での使用に限られてしまうことがネックになりそうです。この服が売れるかどうかは、消費者たちが製品開発側の予想もしないユニークな使い方をいかに発見してくれるかにかかっていると思います。

最後にわりとどうでもいいことですが、Gジャンって死語ですかね?今はデニムジャケットと言うべきでしょうか?というのもこういう細かい商品名にも若者は敏感で売上を左右する要因になる・・・のかなと疑問に思ったからです。

「プレミアムビール」と「高級ビール」

こんばんは!4年の大倉です。
今まで何回か投稿していて今さらではありますが、今回初めて、パソコンからちゃんとログインして投稿しています。(笑)

今回は歴史分析の最終発表のためのブログ投稿です!

1.タイトル

ビール業界~高価格帯ビールの変化~

2.概要・ポイント
近年、「若者のビール離れ」といった問題のように、国内のビール系飲料の消費は、伸び悩んでいます。ビールメーカーはそうした問題に対して、新しい市場を創造してきました。
そうした消費者のニーズに応えるための動きを分析するために、いくつかのキーワードについて歴史分析を行いました。
中でも、高価格帯ビールの言葉として扱われている「プレミアムビール」と「高級ビール」を検索したところ、両者の検索結果にばらつきが見られました。
私は、一見同じ意味を持つ言葉として捉えてもおかしくはない両者の間に何らかの違いがあるのではないかと考えました。
そこで、今回は、この両者の扱いについて深めるために、分析を行いました。

3.グラフデータ

4.ポイントとなる記事

サッポロビールは「エビスビール」を米国に輸出する。国内では通常ビールより一缶当たり希望 小売価格が十五円高い“プレミアムビール”として販売しているが、「米国でも高級ビールの需要
が高まってきた」(同社)と判断した。

引用: 1996/08/10 日本経済新聞『サッポロ、米に「エビス」輸出。』
 
 
 
東京ドームは全国のビール市場の縮図だ。売れ筋首位のアサヒ「スーパードライ」をキリン、サッポロが追う。サントリーの東京ドームでの販売シェアは約一七%(二〇〇五年)と、ほぼ万年四位の定位置だった。ところが今年四月、「ザ・プレミアム・モルツ」を扱ってから販売量が増加。七月三十日の日本ハム―ソフトバンク戦では三〇%近いトップシェアとなった。「四社のビールを同条件で売る球場で、当社が一位を獲得したのは歴史的に初めて」(サントリー)という。プレミアムビールという市場を、時間をかけて耕した成果だ。売るテクニックを磨くより、製法や原材料へのこだわりなど、技術を語りかける工夫に労力を割いた。
 
引用:2006/08/18 日経MJ(流通新聞)
『サントリー、「お荷物」を宝に――ビール「プレミアム・モルツ」好調。』
 
 
発売当初はじわじわと限定的にしか売れないが、ある時点を境に急激に売り上げを伸ばす「じわじわ大ヒット」も増えている。
~省略~
最もわかりやすい例のひとつに、プレミアムビールがある。プレミアムビールは、当初は「原料・製法にこだわった上質・限定ビール」という文脈で認知され、主にビールにこだわりを持つ消費層に支持されていた。しかし、「ちょっとリッチなスローライフの流れ」がきっかけとなり、「ちょっと贅沢(ぜいたく)気分で、ゆったりとした時間を楽しむビール」という文脈に転換した(図表5参照)。購買層はこだわり層からビール一般愛飲層に広がり、市場を押し広げた。
 
引用:2009/05/13 日経MJ(流通新聞)
『第三のビール、40代男支持――外での飲酒、大幅に減少(消費分析)』
 
 
 

スポーツの商業化と観光

こんばんは!
4年の上川です。
みんなも苦戦していた歴史分析がついに完成?しました!
少し長くなってしまいましたが、概要をアップします!
1.タイトル
 スポーツの商業化と観光
2.概要・ポイント
 スポーツは娯楽の一環というイメージもあるが、オリンピックやW杯などの大きなイベントはビジネスチャンスとみなされ、新しい価値が見出され経済に与える影響も大きくなっている。スポーツイベントがどのように商業化されてきたのか、その推移を見た。
 また、スポーツをする際、観戦する際には人の移動が生じるというスポーツが持つ価値は、2020年のオリンピックを機に観光にも大きな影響を与えるのではないかと考える。そこで、スポーツ単体・観光単体・2つの組み合わせの4つをキーワードとして設定した。
3.グラフデータ

 

4.記事データ
『観光立国』

2003年に小泉元首相が観光立国宣言を出したことから観光に関する記事が増加している。2008年には観光庁が発足し、再び観光立国への注目度が上がった。2010年は、「観光立国」という名称だけでなく、地域単位で行われている観光振興への取り組みや、観光資源(料理・宿・体験)が取り上げられている。特に「ニューツーリズム」が注目され始める。
2013年に訪日外国人客数が初めて1000万人を超えたことから観光への注目度が上がり、2014年の記事数が上昇した。課題や取り組みがより具体的になり、「外国から観光客が来る」ことは私たちが身近に感じやすいものになってきている。

 海外からの観光客誘致は国の積極的な施策展開もあり、国内各地で東アジアを中心とした観光客を多く見かけるようになってきた。一方で国内旅行、受け入れる地域、観光地の側はいまだ閉塞(へいそく)感から脱却しきれていない。そのなかで近年「ニューツーリズム」というテーマが注目されている。従来の観光旅行の対象であった観光資源や観光施設にとどまらず、「エコツーリズム」や「グリーンツーリズム」「産業観光」「ヘルスツーリズム」など、よりテーマ性や目的性の強い観光スタイルである。

引用:2010/07/05
日経MJ(流通新聞) 『観光立国実現へ向けて(1)「ニューツーリズム」を継続(成長への道しるべ)』

『オリンピックandマーケティング』

  またテレビとネットなど複数の媒体を活用するクロスメディア広告が増えるなど広告の手法は急速に複雑化している。北京五輪は、こうした新しいスタイルの広告が定着する契機にもなりそうだ。

引用:2008/08/03
日本経済新聞 『五輪神話、「北京」でも健在?――電通社長高嶋達佳氏(そこが知りたい)』

クロスメディアは、さまざまな媒体を使用しつつ、その表現も変更しながら購入に導く“しくみをつくる”という発想。紙媒体、テレビCMで目にするものを、選手が実際に使用していること、雑誌などで目にするブランドをスポーツ選手が身に着けて会見に臨むなど、スポーツを利用することで広告の形は広がるのかもしれない。

今回の五輪で効果が確認された広告宣伝の新手法は今後、通常の新商品の告知キャンペーンなどに広がっていく可能性が高い。例えば、テレビCM内の音声に反応するアプリを応用すれば、ラジオCMを使ってクーポン券を配布し、来店を促す手法などが可能になる。ネットを活用したマーケティングの技の競い合いは五輪後に熱を帯びそうだ。

引用:2012/08/21
日経産業新聞 『五輪スポンサー企業の広告――競い合う新手法成果(ネット新潮流)』

オリンピックを契機に広告の形が変化、またスポーツが新たなマーケティングツールとして注目を浴びるようになった。

 2020年に開かれる東京五輪をターゲットにソフトバンクなどが無料開放を進めており、訪日客の最大の不満解消に一役買いそうだ。ソフトバンクにとってのメリットは、Wi―Fiを通じて得られるデータ収集だ。利用者を特定できないようにしたうえで、どんな観光情報を得たか、どのWi―Fiスポットで何度ネットに接続したかを把握。「訪日客の行動を分析し、サービス開発やマーケティングに活用したい」
 日本を訪れた外国人は12年から増加し、14年は1300万人を突破。日本に滞在中の消費額も年2兆円規模と大きく、政府は東京五輪が開催される20年には1・5倍の2千万人をめざしている。通信会社にとって関係の薄かったインバウンド消費だが、Wi―Fi提供を通じてデータ分析などが進めば、新たな商機を掘り起こすこともできそうだ。

引用:2015/07/23
日経産業新聞 『Wi―Fi無料開放進む、訪日外国人向け、ソフトバンクやNTT、東京五輪にらむ。』

このように、オリンピックを商機と考える業界、オリンピックが与える影響は年々拡大しているように思われる。特に2015年はオリンピックを契機に観光産業への取り組みに活かしていくといったような記事が目立った。

『スポーツor オリンピックandツーリズム』

 2010年から右肩上がりを続けている。震災の影響からか、記事数が減少傾向にあるにも関わらず、この項目のみ2011年に増加している。2010年から観光庁の取り組みの一環として「スポーツツーリズム」への関心が上がっている。スポーツ観戦やマラソンなどの参加型スポーツイベントを通じて観光地化を目指す取り組みを行う自治体が増えた。
 オリンピック誘致が成功したことにより、「オリンピックツーリズム」が取り上げられるようになった。オリンピックに付随して、国際大会やイベントを誘致・企画する専門組織が誕生した。一方で、急激な観光客の増加により、2020年までに取り組むべき課題も語られている。

 スポーツ観光は大きく「見る観光」と「する観光」に分けられる。見る観光とは、いわゆるスポーツ観戦のこと。大リーグの試合を見に行くような旅行がこれに当たる。する観光とはスポーツの体験や実践を目的とした旅行のことで、スカイダイビングの体験やマラソン大会への出場などを目的とした旅行が相当する。近年はこれらに加え「支える観光」も注目され、大会の運営ボランティアに参加するなどといったスポーツイベントを支援する観光スタイルも登場している。

引用:2011/11/30
日経MJ(流通新聞) 『スポーツ観光(キーワード)』

 国際大会やイベントを誘致・企画する専門組織「スポーツコミッション(SC)」が、全国で続々と誕生している。...東京五輪決定やマラソンブームを受け、スポーツを教育や健康福祉の施策にとどまらず、ビジネス機会と捉える動きが広がっている。...訪日外国人旅行者は今年1千万人に届きそうな勢いだが、それでも世界30位前後。2千万人を目標に掲げる国は、プロスポーツ観戦やスキー、ゴルフなど「DOスポーツ」を旅程に組み込んだスポーツツーリズムを育成する考えだ。

引用:2013/11/05
日本経済新聞 『大会誘致、戦略組織走る――スポーツコミッション全国に(スポーツ新潮流)』

 観光立国、スポーツを関連させたマーケティング、それぞれに検索数の波があり内容を見ると、それぞれの波には要因があり、時代背景が映し出されていると感じた。特に、マーケティング手法がSNSなどの発達によって変化していることが印象的であった。

 2001年からスポーツ・観光共に注目を浴びている分野ではあり、似たような動きをするグラフではあったが、実際に関連して考えられるようになったのは2010年に入ってからである。2011年に震災の影響で一時的に記事数は減少したものの、2013年に東京でのオリンピック開催が決まってからは右肩上がり。オリンピック開催における経済波及効果が大きいのは、開催が決まった年から7.8年かけて注目度が上昇していくからなのだとわかった。
 2020年に向けて、オリンピック・観光ともにこれまでに浮き彫りとなっている課題がどのように解決されていくのか、また、両者が今後どのような語られ方をしていくのか注目していきたい。

Let’s sweets!

お久しぶりです。水越ゼミ4年の小山です。

最近のマイブームはポップコーンです。
今は800円くらいのちょっとリッチなポップコーンにはまってます!
やっぱり一番はキャラメル味ですね! できたてのカリカリ感がたまりません!
カリカリのキャラメルポップコーンを大きなスクリーンの前で食べる時が一番幸せです!

…先生ゼミ中にいつも食べてばっかですいません(笑)

ということで、歴史分析の最終発表について投稿したいと思います。

1.タイトル

「スイーツ」の始まりについて

2.概要

似たような言葉である「スイーツ」と「デザート」。近年では「スイーツ」の方が用いられている機会が多いが、実はまだ日本で使われて15年程度。「デザート」といった適格な言葉がある中なぜ「スイーツ」という言葉が使われ始めたのか。その理由を知るために、新聞記事から分析しました。

3.グラフデータ

※棒グラフは「スイーツ」のキーワードが含まれている記事の中に「デザート」のキーワードが含まれている割合(右メモリ)

 
4.ポイントになる記事データ

『2003年ヒット商品番付――消えた「激安」、消費者心理に転機。』

 

「イラク戦争、重症急性呼吸器症候群(SARS=サーズ)と年明けから暗い話題が続いた二〇〇三年も、下期には日経平均株価が一万円台を回復するなど先行きへの明るい兆しが見え始めた。そんな世相を反映しヒット商品にも変化が起きた。日経MJが選んだ「第三十三回ヒット商品番付」では、過去数年上位を占めてきた「激安」商品が消え、「高機能」を売り物にしたり、「大人」がリードしたりする商品・サービスが主役になった。(関連記事2、3面に)

□「大人」が作る

 二〇〇三年のヒット商品番付、東の横綱に座ったのはデジタルAV(音響・映像)機器だ。新製品の相次ぐ登場で薄型テレビは「主流の四十二、四十三型よりひと回り大きい五十型を買い求める客が増えてきた」(ヨドバシカメラ)。品定めする消費者の基準は価格から「機能」に移った。

 ブームは若者がつくる。そんな既成概念を打ち破ったのは西の横綱「昭和」。懐に余裕ができた三十―四十歳代の「大人」が、青春時代の淡い思い出に浸って元気を取り戻す。そんな願望を満たしたのが、往年のヒット曲をおまけに付けた菓子や、昭和の街並みを再現したショッピングセンターだ。東の大関、六本木ヒルズも海外ブランドや有名シェフの高級店をそろえ、大人を引き寄せた。(『日経MJ(流通新聞)』、2003年12月4日、1頁)」

『森永乳業常務山崎暁氏――中高生もっとデザートを(談話室)』
「“健康志向”などを背景にヨーグルトの市場が拡大している一方、アイスクリームとプリンなどのデザート市場は縮小傾向が続いている。森永乳業の山崎暁常務は「メーンの購入層である中高生の買い控えの影響が大きい」という。(『日経産業新聞』、2003年1月20日、19頁)」

ヘンリー・ミンツバーグ『私たちはどこまで資本主義に従うのか』どこまで?


ヘンリー・ミンツバーグ『私たちはどこまで資本主義に従うのか―――市場経済には「第3の柱」が必要である』、ダイヤモンド社、2015。

先にコトラーの「資本主義に希望はある」を読んだ上で、もう一つ一緒に買っていた本、「私たちはどこまで資本主義に従うのか」(原著名は、Rebalancing Society)を読み始める。分量からいえばずいぶんと軽めで、簡単に読めそうだ。と同時に、著者はヘンリー・ミンツバーグ。こちらは戦略論の大家である。コトラー同様、社会にひとこと言いたいのだろうか。そういえば、どちらの書籍も、ダイヤモンド社から発売されている。社会にひとこと言いたいのは、出版社の方かもしれない。

コトラーと同じかもしれないが、冒頭のキレは鋭い。少し長いが引用しておこう。

「1989年、東欧の共産主義体制が倒れはじめたとき、西側諸国の有識者たちは安易な説明に飛びついた。資本主義が勝利したーそう主張したのである。しかし、それはとんでもない間違いだった。その誤解がいま大きな不幸を生み出している。
 1989年に勝利を収めたもの、それはバランスだった。共産主義体制の国々は、政府セクター権力が過度に集中し、著しくバランスを欠いていた。…その後、多くの(西側諸)国でバランスが失われていった。民間セクターの力が過度に強まったのである(4頁)。」 

資本主義そのものがもたらす問題というよりは、この整理により、本当の問題は民間セクターが強くなりすぎたというアンバランスにあることになる。そういえばフランシス・フクヤマが何度も批判されている。そして、その解決として、「多元セクター」と称されるNPOや第三のセクターや市民社会と呼ばれてきたような新しい第三極の促進が必要であると指摘される。コトラーの本が主に課題提示だけにとどまっていたのに対し、ミンツバーグの方はわかりやすい方向性を提示している。


 

この構成により、ミンツバーグの批判の対象は、強くなりすぎた民間セクターと、弱くなりすぎた政府セクターへと向けられることになる。コトラーが解決の方法を明示できなかったのは、企業と顧客の不可分な結びつきに留意し、マーケティングらしくあろうとしたせいかもしれない。これに対して、ミンツバーグは問題の所在を変更することで、よりキレのある展開を可能にしている。戦略論らしいといえるだろうか。

企業に対しては、例えばCSRが批判される。「『社会にとって好ましいことをして、利益をあげている』企業は、もちろん称賛に値する。…しかし、この種の取り組みが産業界全体に広がって、利益の追求と社会問題の解決が両立する『ウィン・ウィン』の世界が到来するなどとは、期待しない方がよい(94頁)」。一方で政府セクターに対しては、例えばNPMが「古くからある企業経営の手法」として批判される。「政府の活動のほとんどは、ビジネスのようにマネジメントできないからこそ、政府が担っているのだ(152頁)」。

ミンツバーグが強調するのは、要するにバランスである。それぞれがそれぞれの役割を果たし、力として拮抗する。その上で、2つの対立ではバランスが取りにくいことがわかったのだから、多元セクターの育成が今求められているというわけである。同時に、それゆえに多元セクターが将来的に強まりすぎることも望ましくはない。ポピュリズムの弊害が大きくなる可能性があるからである(78頁)。 

そんなに批判したいポイントもないのだが、逆にいえば、大体は読まなくても見えてしまうという感もある。本を書くのは難しい、と人事のように思いました。


フィリップ・コトラー「資本主義に希望はある」?


フィリップ・コトラー『資本主義に希望はある―――私たちが直視すべき14の課題』、ダイヤモンド社、2015。 

コトラーといえばマーケティング。マーケティングといえばコトラー。それなりにマーケティングを勉強したことがある人ならば、一度は聞いた名前だろう。いろいろ言い方はあるけれど、本書での紹介を借りれば「近代マーケティングの父」である。

マーケティングが専門とはいえ、大御所にもなればいろいろと社会や経済全体に向けて一言もあるだろう。本書のタイトルは壮大である。「資本主義に希望はある 私たちが直視すべき14の課題」、英語の主題はConfronting Capitalismで少し違うが、一体全体どういう話なのか、コトラーを知っていればいるほど気になる。どんな希望があるのだろう。そして、14の課題とは?

冒頭の一文は、マーケティングに詳しい人であればあるほど刺激的に違いない。「…マーケティングは市場の輪郭を決め、市場に強い影響を与える。これまでの経済学者は、マーケティングのそのような役割と力を見逃してきたと私は思う。マーケティングは資本主義社会の根底をなす概念の一つなのだ(12頁)」。期待は高まる。

だが、結論を先取りしてしまえば、この後は正直なところ冴えない。最初に取り上げられる課題は、貧困問題である。確かに、今日の資本主義にとって、貧困問題は極めて重要なテーマとなっている。それは確かなのだが、だからこそ、マーケティング研究者であれば、貧困問題に対しての定番的なアプローチの視座がいくつもある。例えば、第二次世界大戦より前には、すでに「新たな市場」としての貧困者層が語られてきた。また、その昔を知らずとも、社会の変革を目指すソーシャル・マーケティングといえば、そもそもコトラー自身によって先導されてきた経緯もある。

こうした読み手の期待をあえて無視するかのように、マーケティングは語られない。そして貧困問題の最後の頁で、「ソーシャル・マーケティングの手法を使うべきだ(48頁)。」と唐突に語られる。だが、それがなんであり、どういう解決が可能なのかは示されないままである。後段にもっと大きな答えがあるのだろうか。

次に出てくるのは、格差の問題であり、日本でも話題になったピケティが登場する。コトラーの立場は、基本的にピケティ支持のようだ。それ自体はもちろん悪くないのだが、やはり最後になって次のように語られる。「本当の難題は、スーパーリッチ層がより高い税金を払えば、一般大衆だけではなく彼ら自身にとってもメリットが生まれると納得させることだ(95頁)」。そのとおりである。そしてそのために、ソーシャル・メディアの手法を使うべきだということになるのだろう。けれども、一体全体、それはなんであり、どうやって行われるのだろう。貧困の時と同じ疑問だけが残る。もう少し次に続くのだろうか。

 

この後、労働者は搾取され、機械によって仕事が奪われていくことが語られる。大事な問題だが、やはり課題はあっても答えがない。まだ10個も話題があるのだから…とは思いながらも、段々と不安が大きくなる。機械のところで肩すかしだったのは、「ここで我々にとって問題なのは、そうした(機械が仕事をするようになった)リテールの店舗で働いていた人々はどうなるのかという点だ(125-126頁)」という一文だった。「いう点だ」が、ちょうど頁をめくったところにまたがって書かれているため、予想の裏切られ感が半端ではない。この一文で予想するのは、あるいは期待を持つからこそここで予想したのは、少なくとも資本主義の希望やマーケティングとして議論する以上、ここでの問題は、機械によって仕事を追い出された人がどうなるのかという当たり前の話「ではない」、という主張だった。ここでは、もっと考えるべき重要な問題があるのだと、言って欲しかった。

5つ目の課題は誰が社会的費用を払うのかと題され、冒頭では、外部経済とコモンズの悲劇、そして独占問題が指摘される。ついに本題に入ったのかもしれない。資本主義、あるいはマーケティングの本丸であるともいえる。マーケティングとは、そもそも、独占資本段階における寡占的製造業者による…という懐かしい一文が頭のなかをよぎっているうちに、早々とこの章は終りを迎える。144−156頁、わずか10頁そこそこしかない(笑)。先の所得の問題が50−96頁もあるのに。14つあるという課題も、どうも大きさが違うようだ。その上、その大きさは、こちらの期待度(課題度)とは少し異なっているのかもしれない。あるいは、日本訳の際に削られたのかもしれない。

ほぼ力尽きたので流して読みはじめる。利己心の是非では、「私の別の著書『コトラー 8つの成長戦略』、(220頁)」が紹介され、「CSRの利用法」が語られている。私の翻訳本でもあるので、これはこれでぜひご覧頂きたい。多分、資本主義の問題はそれほど語られていない。

  

一気に流れて、ついに12個めの課題「マーケティングの功と罪」が語られる。まさかの大ドンデン返しがみられるのかもしれない。確かに、これまでとは異なり、こちらの予想に沿うストーリーが展開される。冒頭では、コカ・コーラとマクドナルドが槍玉に挙げられる。肥満レベルの増加をもたらした企業であるという。だがその上で、次の一文には久しぶりにはっとさせられる。「この二社は人々を肥満させようともくろんでいるわけではない。我々の舌が好むものを提供しているにすぎない(286頁)。」 

ここで語られているのは、問題の所在を一方的に企業=悪には還元できないという、企業と顧客の癒着の図式である。マーケティングは、顧客志向を標榜する。だがその結果、本当に社会はよくなるのだろうか。この問題は、残念ながら一刀両断できない。付き合い続けるという面倒な選択肢が消極的な結論だろう。その中で、マーケティングは発展してきたようにも思う。 

もちろん、「広告は欲望を作り出す(289頁)」。そのとおりである。紹介されるガルブレイスの依存効果の時代から知られてきたことでもある。そして本書の最初の一文に帰るのならば、これこそが、資本主義をこれまで生き永らえさせてきた根源でもある。広告をはじめとするマーケティングがなければ、おそらくもっと早く、資本主義は戦争という外的市場獲得の方法によって崩壊するか、あるいはある種の革命を伴った別の仕組みへと移行していただろう。無限に市場を深耕するメカニズムこそ、資本主義の根源であり、要するにマーケティングである。資本主義に希望があると近代マーケティングの父・コトラーが語るとき、マーケティングとして注目すべきなのは、マーケティングの功とともに、罪であることは全く異論がない。

 

マーケティングの功と罪では、最後に改めてソーシャル・マーケティングの活用が示される。最初の唐突さに比べれば、今度はそれなりにオチを提供しているようにもみえる。だが、もう少しその論理に踏み込めるような気もする。それを60年代以降やってきたはずだ。

残りの2つはまとめという感じである。幸福を目指そう。とすれば、12個目だけがこの本らしく、ただこれだけでは不十分だと思う。もっと他の本も合わせて読んだほうがいいのかもしれないし、そもそもこの本も、もっと大きなテーマの一部として書かれたものなのかもしれない。と、そんなことを思った次第でした。