怖くないホラーゲーム??

こんにちは!3年の吉野です。

今回は株式会社カプコンより5月7日に発売された、今年で25周年を迎える有名ホラーサバイバルゲームシリーズ『バイオハザード』のナンバリングタイトル8作目である新作『バイオハザード ヴィレッジ』についてです。

同作品は昨年6月のオンラインイベントにて発表され、今年に入ってからトレイラームービーの公開や体験版の配信などが行われてきました。そのようなプロモーションの一環として今年の4月1日、シリーズ公式ツイッターから以下のような投稿がなされました。

タイトルに“ヴィレッジ“とあるように今作は村が舞台となっていることから、吉幾三氏の名曲『俺ら東京さ行ぐだ』を彷彿とさせる『俺らこんな村いやだ~』を国内向けイメージ向けテーマソングとして発表すること。また、某教育テレビを彷彿とさせる人形劇『バイオ村であそぼ♪』を配信することの2点が本作のプロモーションとして近日中に行われることを告知しました。

しかし、告知がなされたのは4月1日のエイプリルフールで、投稿本文にも「#エイプリルフール」というタグ付けがなされています。また、ホラーゲームである本作からは想像できないようなプロモーションでもあったため、当初はよくあるエイプリルフールに乗っかったネタ、つまりはウソのプロモーションだろう……と思われていました。

ところが23日、公式ツイッターとYouTubeチャンネルにてなんと吉幾三氏本人が歌う『俺ら東京さ行ぐだ』をアレンジしたイメージソング『俺らこんな村いやだLv.100』が公開されました。嘘かと思われたプロモーションがサプライズ的に実現され注目を集め、この動画は現在YouTube上において公開から1か月ほどで660万再生を記録しています。

さらに、同じく告知されていた人形劇も30日に公開。デフォルメされた本作の登場キャラクターの人形たちが作中とはかけ離れたゆるい雰囲気の下、本作は「こわくない」とアピールしています(とはいえ、人形劇は直接的な描写こそないもののブラックジョーク的な恐怖演出があるため閲覧には注意が必要です笑)。そして、人形劇の動画の最後は、この人形劇が前作『バイオハザード7 レジデントイービル』の非購入理由の調査において1位が「怖すぎるから」であったことを受けて作られた、という話で締めくくられています。バイオハザード ヴィレッジ×人形劇「バイオ村であそぼ♪」第1話 - YouTube

しかし、バイオハザードシリーズはジャンルとしてはサバイバルホラーであり、対象年齢区分も17もしくは18才以上となっています。なぜ、恐怖という感情とは程遠いイメージソングの作成や怖くないとアピールする人形劇といったプロモーションを行ったのでしょうか?

実は、本作は制作の段階から「怖くない」ことが意識されていたそうです。このように言うと語弊がありますが、本作ディレクターの佐藤盛正氏によると、本作の開発にあたり前作は“すべては恐怖のために”というコンセプトの下、恐怖を追求しすぎた故に幅広いプレイヤーに遊んでもらえるような作品とはならなかったということが反省点として挙げられたそうです。しかし、もちろん強いホラー要素が失敗だったというわけではなく、怖すぎると言われた前作は高い評価を得ており、カプコンから発売されたゲームソフト内で歴代2位の売上を記録しています。このように前作の恐怖感を期待している人も多く、単純に恐怖を抑えマイルドにするわけにはいかなかったのです。そこで今作は、前作のような強いインパクトを保持しつつ、多くの人に遊んでもらえる作品となるようホラーのバランスの調整に注意しつつ作られたといいます。結果として、佐藤氏曰く“『バイオハザード7』ほど、つねに緊張感を感じることはなくとも、ピークでは同等かそれ以上の怖さを味わってもらえる作品”を完成させることができたとのことです。よりたくさんの人が楽しむことができ、さらにホラー好きにも喜んでもらえる作品となったのです。

こういった「広く遊んでもらえるサバイバルホラーゲーム」を目指して開発された作品であるがゆえに、普段ホラーゲームをプレイしないような人たちからも興味を集めるようなプロモーションへとつながったのだと考えられます。

 

このような背景を知ると、プロモーション動画やゲーム本編を数倍お・・もしろく感じることができますね!!

―参考―

バイオハザードシリーズ公式ツイッター :

https://twitter.com/bio_official

バイオハザードシリーズ公式YouTubeチャンネル :

https://www.youtube.com/user/biohazard/about
株式会社カプコン ミリオンセールスタイトル一覧 :

https://www.capcom.co.jp/ir/finance/million.html

『バイオハザード ヴィレッジ』舞台裏を佐藤ディレクターに聞く! “村ホラー”を追求して開発されたタイトル. 電撃オンライン :https://dengekionline.com/articles/78305/

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です