こんにちは! 3年の濱田です。今回は、SNSを用いた『推し』消費についてお話したいと思います。
4/18(月)から私の大好きな作品、アイドリッシュセブン(通称アイナナ)と森永乳業『リプトン』470~500ミリリットル紙パック商品のコラボキャンペーンがやっと始まりました!
実はこのコラボは昨年2021年にも行われたのですが、昨年は目を見張るほどの反響を見せたのです。
コラボの発端は新型コロナウイルスによる収益減少。リプトンはコロナ禍で売り上げが落ち込み、特に減少が大きく見られたのが学生、いわばZ世代だったそうです。そこで10~20代の女性をターゲットにし、彼女たちから人気の高いアイドリッシュセブンにアンバサダー就任をオファーするに至りました。
ここでポイントなのが、『彼ら』に『オファー』するという形式。単なる2次元コンテンツとのコラボではなく、あくまで広告タレントとしてオファーという形でのコラボによって、作品内のアイドル像や世界観を壊さないようにしているのです。
コラボするにあたって、単に作品と商品を結びつけるのではなく、いかに作品内の世界観を守りながらファンを惹き付けられるかが大切なのだと感じました。
Z世代は盛んに「推し消費」という消費行動に出る傾向にあります。彼らにとってグッズ購入は「欲しいから」ではなく「推しを応援したい、支えたいから」という理由もよくあるのだそう。さらに、同じ界隈のファン友達と盛り上がるためにグッズを購入したりキャンペーンに参加したりなどもあるそうです。
そこで有効に使われるのがSNSです。推しがいるZ世代は、Twitterなどを中心に応援専用アカウントを使ってコミュニティを築いていることが多く、とても活発につぶやきあっています。さらに最近は新型コロナウイルスの影響でリアルイベントが縮小されがちであるため、その分彼女たちにとってTwitterでのコミュニケーションが不可欠になっています。
アイナナ×リプトンのコラボでは、このSNSでのコミュニケーションが凄まじい情報波及効果を生み出しました。発売2週間前に発表したところ、凄い速さで「リプトン」がTwitterトレンドで1位を獲得。また、コラボ期間中も「七瀬陸の訴求力」がTwitterトレンド1位、「リプトン」が4位にランクインしました。(七瀬陸とは、アイナナのセンターで多くの人を惹き付ける人物として描かれています。)
広告は一切出さずでのこれらの反響は、森永乳業にとっても驚くべき結果だったことでしょう。
このようにSNSでマーケティングを考える際に注目すべきであるのが、消費者を巻き込んだプロモーションです。レビューや写真はもちろんですが、ハッシュタグをつけたツイートやリツイートだけでも情報が拡散され、多くの人に行き渡ります。
アイナナ×リプトンのコラボは、まさしくこのファンたちによる情報拡散力が凄まじく、たくさんの効果を生みました。
例えば、創作活動によるプロモーション。リプトンの紙パックを用いてオリジナルのブロマイドを作ったり、ペン立てにしたりなど色々な工夫でパッケージをグッズ化し投稿することで、大きな盛り上がりを見せました。
また、アイナナファン以外のフォロワーが「パッケージの男の子の笑顔がかわいいから買ってみました!」というツイートなどに対して大きなリアクションを示すこともありました。(これが#七瀬陸の訴求力 のトレンド1位に繋がりました。)
なぜファンたちはこのような行動に出たのでしょうか。もちろんファン界隈で楽しむという目的もあるのでしょうが、そこには『布教』という要素も含まれているはずです。
普段2次元コンテンツ作品のグッズは、専門的なショップにのみ置かれることがほとんどです。しかし、リプトンのような誰もが親しむ商品とのコラボにより全国のコンビニで多くの人にキャラ達が見られるということで、作品の良さを周りに伝えるチャンスと捉えたのでしょう。実際に昨年のコラボでは、ファンの活発なSNSコミュニケーションによって、リプトン購入者からアイナナファンへと引き込むことに成功するというケースが多く見受けられました。
さらに、逆のケースも然りです。このコラボでは、購入レシートでオリジナルグッズに応募できるという企画がありました。これにより、熱狂的なアイナナファンはリプトンを大量に購入せざるを得なくなります。中には、「リプトンを買ったことがない」「紅茶が苦手」という人達もいたそうですが、アイナナとのコラボをキッカケに「リプトンの美味しさを初めて実感できた」という声があったそうです。
森永乳業にとっては、コラボによって新規顧客の獲得や休眠顧客の掘り起こしに成功したのでした。
長くなりましたが、『推し消費』を利用したマーケティングは新規顧客の獲得を促したり消費者の関与を高める大きなチャンスといえます。
しかし、最も大切なのが、世界観を壊してファンを落胆させないこと。もしファンからの反感を買えば、彼らのコミュニティが大きければ大きい分、また熱量が多い分、商品のイメージダウンがとても大きな痛手になります。
このように、リスクが大きいコラボでは、ファンがどうしたら喜んでくれるか、いかにして推し活をサポートするのが最も良いかなどを慎重に汲んだうえでキャンペーンを企画したり商品開発に臨んだりしなくてはならないため、なかなか一筋縄ではいかないような難しさがあります。
このブログを書きながら『推し消費』とSNSは本当に興味深いなぁとつくづく感じております。
冒頭で述べたように、現在アイドリッシュセブンとリプトンのコラボキャンペーン絶賛実施中です!
このブログを読まれて気になった方は、コンビニで商品をお手に取ったり、またはTwitterで「アイナナリプトン」といったワードで調べたりされてみてはいかがでしょうか?
最後まで読んでいただきましてありがとうございました(^^)
参照:
①https://dentsu-ho.com/articles/7790
②https://xtrend.nikkei.com/atcl/contents/18/00490/00002/#loginBack
③https://www.liptonchilled.com/ainanacp/