消費者の隠れた心理を読み取る観察法

こんにちは。経営学系の大倉です。

今回は商品企画におけるひとつの手法であるオブザベーション(観察法)について書いていきます。

「観察法」とは調査対象の行動を観察することで、消費者自身さえも気づいていないような潜在的なニーズを知る手法です。

この「観察法」について『1からの商品企画』(硝学舎 西川英彦・廣田章光)より水越先生の質問である以下の4つの質問についてまとめていきます。

1.最後の一文「読者には、この会社の何が間違っているか、もうおわかりだろう。」の答え。

2.続きの一文「統計的な事実に従っても潜在ニーズをうまく拾えず」という理由。

3.テキストに反して、「統計的な事実に従っても、潜在ニーズをうまく拾える」可能性の考察。

4.結局の所、観察法で何ができるのかについてのまとめ

1の「この会社」とは自社商品の購入者から設置場所の写真を集め、これによる統計を観察法だと捉えていた会社のことです。しかし、冒頭にも書きましたが、観察法とはあくまでも消費者の隠れた心理を見つけるためのものです。この会社のような、消費者の自発的な情報を集めているようでは、それは潜在的ではなく顕在的なものとなり、観察法とは言えません。

これとつなげて2の統計的な事実からは潜在的なニーズを得られないというのはなぜかというのも、統計による調査は、大多数から「平均的」な「傾向」を探ることには優れている分、少数派の意見が見過ごされがちでありますが、消費者の隠れた心理は、こういった「極端」な人からこそ、発見が多いものであるため、潜在的なニーズは得られないのです。

しかし、3の統計的な事実に従って潜在ニーズを拾う可能性というのもあると思います。統計では「極端」な人の意見は知ることが難しいかもしれませんが、その大多数の意見である統計も組み合わせることで因果関係を考え、そこから消費者の隠れた行動プロセスが掴めれば、潜在的なニーズを発見したことになると思います。

最後に4についてですが、以上の1、2、3の話も踏まえて、観察法の可能性とは、ひとつはやはり統計とは対極的とも言える、少数派の気持ちが知れることです。もうひとつは消費者自身ですら気づいていないような潜在的なニーズを引き出すことができることです。これらによって商品企画において新たな市場の発見や競合に打ち勝つヒントの発見につながると思います。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です