日本の風習「お歳暮」の衰退までの過程

こんばんは。森桶です。就職活動に追われる日々ですが、卒業論文の練習として行っている歴史分析の投稿をします。
今回は私はお歳暮というテーマについて調べてみました。

テーマ
日本の風習「お歳暮」の衰退までの過程

はじめに

みなさんはお歳暮という日本の風習をご存じだろうか。知らない人も多いと思うので説明してみたいと思う。お歳暮とは12月初旬から20日の間にお世話になった人に1年の感謝の気持ちを込めて贈り物をすることである。要するに年の暮れということでお歳暮である。これと似たようなものでお中元というものがある。これは1年の盆である7月初旬から中旬に贈り物をすることである。贈り物としては日本酒やワインが代表的であり、最近は商品券や電化製品が渡されることも多いようだ。(http://irohajapan.net/iroha/B06_custom/05_chugen.htmlより)ちなみに受け手の人気ランキング1位は断トツで商品券であった。使い勝手がいいことが人気の理由だろうがせっかく選んだ送り手としては寂しいもんである。ところでみなさんはこれまでお歳暮のことを知っていただろうか。おそらく言葉は知っていても何をするものなのか知らない人は多いと思う。私もその一人であった。現代人にお歳暮という日本の風習が浸透しなくなってきていることの象徴であろう。実際にお歳暮の記事の数は昔と比べて急激に減っている。

グラフデータ

記事データ
当世お歳暮事情、9割以上が贈る予定――人間関係を円滑に。

1990/12/13 日経流通新聞 26ページ 2220文字
 味の素ゼネラルフーヅ(AGF)の主婦調査は、お歳暮についてのニーズの相違を浮き彫りにしている。当世お歳暮事情を同調査に当たった同社統括マネジャーの生野一郎氏に分析してもらった。この調査は今年九月、東京都と大阪市に住む主婦各二百人(計四百人)を対象に、
お歳暮に関し、今年の購買傾向を探ってみた。さらに、日本独特の風習であるお歳暮についてどのように感じているか、聞いた。まず、今年の贈答意向の有無を尋ねたところ、九一・五%と全体で九割以上の人が「贈る予定」。「毎年していない」と答えた人は、五・五%にすぎない。贈答予定件数は全体で六・七件、予算については一件当たりの平均金額が四千九百六円、予
算総額は三万二千八百七十円だった。昨年の同様の調査結果では贈答予定件数は六・九件、一件当たりの平均金額が四千八百二十八円、予算総額が約三万三千円で、ともに大きな変動はみられなかった。しかし昨年は一昨年に
比べて件数も増加し予算総額も約一割アップしていることから、好景気が続きながら家庭ではやや堅実なムードがでてきた気配が感じられる。
お歳暮についての考え方を尋ねたところ「お歳暮を贈ることにより人間関係が円滑になる」と考えている人が七五・八%と最も多い。九割以上の人が贈答意向を持っていることとあわせて、欠くことのできない習慣になっている。さらに、「お歳暮は形式的だとは思うが、よい習慣である」と肯定的な人が四九・三%と約半数を占めている。
 また「お歳暮の商品の中身で相手のセンスがうかがえる」と思っている人は六四・〇%と比較的多
く、商品を決める主婦にとってはますます頭を悩ませそうな、そして流通業界にとってはますます工
夫を凝らした品ぞろえを求められそうな結果が出ている。

歳末商戦、明暗分ける――百貨店、スーパー、歳暮ギフト好調。

 歳末商戦がピークを迎えた。業態、商品で大きく明暗を分けた格好だ。歳暮ギフトでは、法人の前倒し発注の恩恵を受けた百貨店が二ケタの伸びを見せているのに対し、個人客中心のスーパーは苦戦している。一般商品は宝飾品・雑貨、BSチューナー内蔵テレビなどが好調な売れ行きを示している一方、暖冬の影響をまともに受けた防寒衣料、暖房器具などが低迷している。消費
に“は行性”が出てきたことで、流通各社の強気一辺倒の姿勢にも変化が出てきた。選別消費がどこまで進むかが、今後の消費の行方を占う一つのポイントになりそうだ。  一方、個人客が主体で前倒しの恩恵を受けないスーパーのギフト商戦は盛り上がりを欠いている。「出足の鈍さが響き、売り上げ増が見込めない状態」(ダイエー)という。前倒し発注も「呼び掛
けたが、消費者の反応はいまひとつ」(長崎屋)なのが響いている。このため、「量が出るのは十六 日の日曜日」(イトーヨーカ堂)とみて、終盤戦での販売に望みをつないでいる。

歳暮商戦、個人向けは前年並みに――百貨店も産直品、ボーナス後勝負。

1995/12/14 日経流通新聞 23ページ 2326文字   

ここ数年、低迷を余儀なくされていた歳暮商戦が、今年は個人向けを中心に下げ止まりの様相 をみせている。ヤマ場の九、十日を越えて、百貨店では「前年割れを続けてきた昨年までと違い、 店頭の歳暮は前年並みを確保できそう」との見方が支配的になっている。最近は歳暮商戦のピークが後ろにずれる傾向も著しい。例年と同様、十二月の最初の土曜、日曜日がヤマ場だが、「第二土・日曜の比率が次第に高まってきた」(そごう、東急百貨店など)ところ が多い。なかには「九、十日が最大のピーク」(伊勢丹など)という逆転現象も起きている。 その結果、東急百貨店では「十一月中は前年実績を下回ったが、十二月に入って前年に追い付いた」とし、伊勢丹本店(東京・新宿)は「ハウス(自社)カードのアイカードの決済日である六日をすぎて動きが出始めた」。ピークが後ろ倒しになっている要因としては、(1)出費の感覚が厳しくなり、ボーナスが出てから 購入する傾向が強まった(2)宅配便の普及などで配送日数が短くなり、あまり早く発送しなくても済 んでいる――などが挙げられる。曜日別では土曜日の売り上げ増が著しい。西武百貨店池袋店のギフトセンターでは、これまでの ところ九日の土曜日の人出が最も多く、「ボーナスサンデーではなく、ボーナスサタデー」という。また高島屋東京店では、ファクスなどを使い、店に足を運ばなくても注文ができるホームショッピ ングの売り上げが前年比二五%増だ。品選びを含め、簡便に済ませたいという省エネ派が増えており、商戦の後半ずれ込みの動きと無縁ではなさそうだ。百貨店のギフトセンターが下げ止まりの気配を見せる一方で、百貨店以外は好調な伸びをみせている。スーパーでの歳暮が消費者に定着してきたほか、まだ額的には少ないものの、コンビニエンスストアや郵便小包の「ゆうパック」などが二ケタ成長を示している。「ローソン」を展開するダイエーコンビニエンスシステムズ(DCVS、大阪府吹田市)では、前年比 六五%増の十五億円の売り上げを見込む。昨年よりも取扱期間を十日延長し、十二月二十八日まで受け付ける。セブン―イレブン・ジャパンも前年比五割程度の売り上げ増を目指す。取扱品目数は前年よりやや減ったものの、産地直送の商品を強化しながら五十商品強をカタログ販売する。商品の価格帯 は三千円台が中心。郵便局の「ゆうパック」は歳暮向けに「東京お歳暮特選品」を企画、今年は個数ベースで前年比一二・八%増の七十万個を見込んでいる。
 コンビニやゆうパック好調の背景には、自宅の近くで申し込める便利さに加え、お歳暮用商品が バブル崩壊後に高級品志向から実質志向に変わってきたことがある。

虚礼廃止、年賀状や歳暮――実質的な営業重視、送り先“厳選”も(四国リポート)


1996/12/14 日本経済新聞 地方経済面
四国 12ページ 1318文字 

 日本の企業の代表的な年末年始の慣例である年賀状や歳暮などをとりやめる「虚礼廃止」の動 きが、四国の企業や金融機関の間で目立ってきた。バブル崩壊後の経費削減ムードに加え、儀礼的なあいさつを省き実質的な営業を重視する志向が強まっているのが理由。今のところ大手企業が中心だが、業種的にもメーカーから流通や金融機関まで幅広い。今後も広がっていきそうだ。バブル崩壊後、経費削減を目的に、虚礼を控える動きが広がった。景気の回復感から復活させる企業も目につくものの、「虚礼廃止」の流れが確実に広がっているのは、営業スタイルが変わり、
「単に顔を出すだけの御用聞きのような営業活動は通用しなくなってきた」ことが大きいのではないだろうか。売り込み側が顧客の意向を先取り、企画を提案する営業が一段と重視されるようになっており、
「虚礼廃止」の動きは止まりそうにない。

虚礼廃止(中)お歳暮――秘書課でも3分の1に、単価切り詰めも進む(検証社内改
革)
1996/12/04 日経産業新聞 30ページ 1428文字 
 得意先や有力取引先などに贈るお歳暮。ビジネスの“潤滑油”として営業部門などで連綿と続いてきたが、バブル崩壊後、低成長が常態化する中で、全社的な経費洗い直しの一環として削減の動きが活発になっている。各企業の取り組みを紹介する。東京ガスでは安西邦夫社長の号令下、一九九四年十一月から全社で歳暮を削減している。理由はもちろん、経費削減だ。「これまで慣例にしたがって贈ってきたが、ここで徹底的に洗い直すことにした」(広戸正之広報部副課長)。その結果、東ガスのお歳暮の出費は秘書課管轄で従来の三分の一近くに、営業部隊でも半減した。社名入りの年賀状もこの年限りで廃止した。歳暮削減の動きは、物価を高止まりさせてきた原因の一つである「法人需要」の崩壊、ひいては経営の合理化・透明化を加速するかもしれない。(中井豊)

胎動の期待スルリ、12月商況盛り上がり欠く――ギフト・歳暮購入先シフト。
1998/12/24 日経流通新聞 19ページ 870文字   

不況の荒波のなか、百貨店の歳暮商戦は今年も低迷した。法人向けが企業収益の一段の悪化
の影響で、昨年の売り上げ水準から「さらに一割以上の落ち込み」(伊勢丹新宿本店)。一方の個人客も財布のひもは固く、各社のギフトセンターでは前年を下回ったところが多い。「客単価は四千五百円と落ちていないが、贈り先を絞り込む動きが目立つ」(高島屋東京店)。消費者の節約志向は依然、根強く、高島屋全店のギフトセンターの売り上げは前年を五%下回る
ペース。伊勢丹新宿本店も十二月中旬以降、盛り返しているが、ギフトセンターは二十日までの累
計で前年比三%減だ。
 今年は法人受注の減退を見越し、個人客の確保を狙って一部で早期受注に向け割引特典を打ち出したり、送料無料商品の拡充に動くなど顧客争奪に火花を散らした。こうした策に打って出た
百貨店は前年を上回ったが、伸びは小さい。今年から、配送料無料商品を大幅に拡大した三越。同社は早期の顧客獲得に向けて、十一月中旬から今月十三日まで最高十万円の買い物用プリペイドカードが当たる懸賞を実施したが、本店ギフトセンターの十二月中旬までの累計売り上げは前年比二%増。「消費が底入れした感じはなく販促でどうにかしのいだ」(井上和雄三越社長)格好。
 西武百貨店池袋店でも十月に早期受注した得意客に一五%を割り引くサービスを始めた。個人 の歳暮需要も伸びは見込めないとみて他社の顧客を引きつける作戦だが、ギフトセンターの累計
売上高は辛うじて前年並みを確保している程度だ。
 一方、大手スーパーでは歳暮の売り上げが増えており、イトーヨーカ堂は前年比三〇%の伸び。 ダイエーの歳暮の売り上げは九七年は二%増で、今年は一%増とかための見通しを立てていた
が、これまでは二%増とわずかながら予想を上回っている。単価の下落、贈り先の絞り込みなどで客単価は下落傾向だが、客数が増加、「不況下で従来の
百貨店の顧客が流れてきているのではないか」という。家計のリストラが進むなかで、ギフトの購入先を百貨店からスーパーにシフトする動きが広がっている可能性もある。

歳暮ネット販売好調、前年比10倍の百貨店も。

1999/12/07 日経流通新聞 2ページ 1050文字   

インターネットによる歳暮ギフトの販売が急拡大している。実際の店舗での売れ筋商品がネット 上でも人気を集めており、百貨店や仮想商店街では売り上げが前年比で十倍に達したところもある。ギフト商品は実際に商品を見なくても内容が分かるものも多いことから、ネット通販に適するともいわれており、今後、ネットでのギフト購入はさらに広がりそうだ。高島屋は、ネットで取り扱う歳暮ギフトの商品数を昨年の百から今年は三千へと大幅に増やした。昨年はネットでの歳暮ギフトの売上高はトータルで数百万円だったが、今年は先月十七日に 受け付けを始めて以来、すでに売り上げは一千万円を突破した。「昨年と商品数が異なるので単純比較はできないが、昨年比だと十倍は超えるのでは」(同社)という。今期の売り上げ目標の三千 万円は達成できると見ている。三越では十一月六日からネットでの歳暮の販売を開始したが、十二月三日までで五百件の注文が寄せられている。十一月の売り上げは金額ベースで昨年比十倍。夏の中元商戦の売り上げは 約七百七十万円だったが、今年のネット歳暮商戦では十六日までに一千万円を突破すると見られる。伊勢丹のオンラインショッピングサイトでも、歳暮商品は昨年比で五―六倍の売れ行き。今年は 四百五十の商品をそろえたところ、今夏の中元商戦よりも出足が良く、総売上高も十二日には一千万円を達成する勢いだ。小田急百貨店も十一月十七日からネットでの歳暮商品の販売を開始したが、二週間でアクセス 数は一万件に達し、「地方在住者からの注文も増えている」(同社)という。  売れ筋商品は「洋菓子やパスタ商品」(伊勢丹)、「ビールやハム」(小田急)などで、実際の店舗 での人気商品がネット上でも人気が高い。三越では、ギフトをもらった人が商品を選べる「選べるギ フト」サービスが好評だ。仮想商店街での売り上げも好調。「楽天市場」を運営する楽天(東京・目黒、三木谷浩史社長) は、東急百貨店、阪急百貨店を含め全体の取扱商品を昨年の三千五百商品から一万三千商品 へと約四倍に増やしたことなどが奏功。十一月末の売上高は前年同月比で十倍に達した。インターネットのポータル(玄関)サイト「goo」を運営するNTTエムイー情報流通(NTT―X、東 京・千代田、池田茂社長)のショッピングページ「goo―ショップ」も歳暮商品をまとめてコーナー化したり、男性向け商品や価格帯などで検索できる機能を強化したことで売り上げが増加。歳暮期間中は通常月の二―三倍の売上高を見込んでいる。
歳暮商戦が本格化――2割近く、ネットで購入(買い手のホンネ産地研調査から)

2009/12/03 日本経済新聞 朝刊 33ページ 858文字 

歳暮商戦が本格化してきた。ここ数年、店に出向かずインターネットで購入する人が増えている。日経産業地域研究所が首都圏で実施した消費者調査によると、歳暮を今年贈るとした人のう ちネットで購入する人(一部の利用を含む)は19%と2割近くに達した。2年前の同じ時期の調査では11%にとどまっていたが、昨年9月の調査で18%まで増え、今年はそれをさらに上回った。実際、10~11月の歳暮の早期受注では「ネット受注金額に限ると前年比2割増」(高島屋)といった店もある。2007年の調査では、ネットでの購入予定は男性が13%、女性は10%と男性の方が割合は高 かったが、今回調査では男性の17%に対し、女性が21%と逆転した。年齢別は、ネット利用が活発な若い層の方が比率が高く、20代は33%、30代も32%と3割を超す。40代は
14%、50代は17%で、60代になると6%と1割以下だった。 歳暮を贈る人の割合は近年、減少傾向にある。07年調査では55%だったが、08年調査では
52%に低下。今回調査では49%と50%を下回った。特に若い層の比率が低く、20代は37%、30代は39%にとどまる。
それだけに20代、30代に歳暮利用を促すにはネットでの受注活動がカ
ギを握る。職業別では、ネットでの購入は店に行く時間を確保しにくい勤め人の利用が目立つ。今回調査でも、勤め人で歳暮を贈る人のうち、ネットでの購入予定者は22%と全体での割合を3ポイント上回る。ただ、専業主婦でもネット利用は急増している。07年は6%にすぎなかったが、今年は全体での割合と同じ19%を占めた。専門自由業や無職男性は利用意向が低い。市場が縮小しているとはいえ、百貨店にとって歳暮は大きな商機。今回調査でも、歳暮を贈る人のうち66%が百貨店の利用を予定している。ネットでの購入予定者を確実に取り込めるかが歳暮商戦を左右しそうだ。調査の方法10月3~13日に首都圏30キロメートル圏に住む20~69歳の男女モニターに郵送で実施。回答は470人。

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