ゲームでインフラを救え!

こんにちは。3年の阿部です。

さて…今回私が紹介するのは…

インフラ×ゲーム

です

では早速…(U〇er風)

 

昨今はPokémon GO、ドラゴンクエストウォーク、Pikmin Bloomのような位置情報を用いたゲームが有名ですよね。よくご高齢の方が立ち止まってボールを投げていたり、電車でキャラクターが歩く画面を眺めている会社員の方がいたりと日常に寄り添ったゲームは老若男女に好まれると思います。

 

スマートフォン

↑今回紹介するゲームは「マンホール聖戦」と呼ばれる、位置情報と写真撮影を掛け合わせた「社会貢献ゲーム」です。足下を見て歩くとマンホールが意外と多いことに気づくと思いますが、実を言うと多すぎて自治体が老朽化に気づけないという問題があります。この老朽化を防ぐために、ゲームユーザーはゲーム内の地図に記されているマンホールを撮影、もしくは地図に記されていない新たなマンホールを撮影して、一日何個撮影できたか・期間中何個撮影できたかで競い合い、賞金をゲットするために東奔西走します。また運営会社は撮影された写真を元に手入れが必要なものの管理ができ、通常の検査体制よりも金額を抑えた形で全国的な調査が可能になるというまさにWin-Winなゲームなのです。

 

今年8月に渋谷区のマンホールをコンプリート。10月には東京23区編、現在は全国編を展開中しています。東京23区はコンプリートには至りませんでしたが、24万/40万を2週間ほどで集めたようです。ユーザーには賞金というインセンティブがありますが、それよりも「理念やコンセプトに共感した」という参加理由が多いようで、社会貢献や官民共同を簡単に行えるツールをゲームやデジタルとして世に打ち出すという”ゲーミフィケーション”の有効性を裏付けるような企画として注目されています。

またこの企画は老朽化が激しいマンホールの場所を視覚化しつつ、水路等の情報とも組み合わせることでインフラが摩耗しやすい地域の割り出しにも繋がったり、シビックテックのさきがけとして事業が広まったりと、これからの時代に求められ「デジタルと人の協同」を推進する事業でもあります。

しかし、登録者は二万人を超えているようですが実際に活躍しているユーザーはわずかなようです。あまり広まらない要因としてはゲームの時まで社会貢献したくない人が多いのと、アプリではなくブラウザのみなのでやりづらいことなど多岐にわたりそうですが、一番の原因にはターゲットが特殊なセグメントに偏らないということが大きいと思います。

マンホールカードを集めたり、常日頃からマンホールを見ている人はこの企画が自然と目にとまるかもしれませんが、「マンホールか社会貢献に興味があり、時間と体力にある程度余裕のある人」というのは中々いなそうな枠です。唯一の訴求力は賞金ですが地域の一番にならない限り、抽選で当たるか否かなので続けていくのも限界が来そうです。

 

目新しい企画ですが、今以上にこの企画を盛り上げていくには遊びやすさ(投稿のしやすさ)の充実や、さらなる特定顧客の集客・企画などを推進する必要もありそうです。

皆さんもサイトを覗いて、是非「マンホール戦士」になり、一攫千金を狙ってみては?ちなみに南大沢1丁目で撮影されたマンホールは0/210です。早い者勝ちなのでみなさん沢山撮ってくださいね~

それでは…

 

参考サイト

第4回#マンホール聖戦「全国出陣祭り」 (guardians.city)

登録者数 2万人突破! 大好評につき、#マンホール聖戦 〜東京23区コンプ祭り〜を延長決定!|Whole Earth Foundation Ltdのプレスリリース (prtimes.jp)

GoTo復活なるか。

こんにちは!3年の小堀です。

 

皆さんは近場での宿泊に魅力を感じますでしょうか。

私は、昨年のGoToトラベルをきっかけに、都内や横浜といった近場のホテル泊に惹かれ、とある月には、1週間に1度、何処かのホテルに滞在しているなんてこともありました(笑)

 

すっかりホテル好きになった私ですが、新型コロナウイルス感染症によってホテル業界が厳しい現状にある事実も理解しています。最初の感染症流行を皮切りに、昨年4,5月の宿泊者数は2019年同月比で8割減少し、収まりつつあった夏以降徐々に回復傾向に転じるも、緊急事態宣言の発出に伴い、再度減少傾向となりました。また、今夏の東京オリンピック・パラリンピックに関連した需要増は、一時的な物であったため、当面の大幅な需要拡大は見込めないと考えられます。

(PwCコンサルティング「COVID19:ホテル業界への影響 2021年9月号」より)

こうした現状を踏まえた上で、早ければ来年の1月以降の再開が見込まれている「GoToトラベル」、本日はこの制度の在り方と課題を考察したいと思います。

 

まず、「GoToトラベル」とは、冷え込んだ観光需要を取り戻すため、2.3兆円の予算を用意した国による経済政策です。これまでの制度では、1人1泊あたり2万円を上限に、総額の35%の旅行代金を割引き、15%を地域共通クーポンとして配布することで、実質半額を政府が補助する仕組みでした。

(Go To 2.0 ※11/19時点)

この制度を利用した昨年の旅行の支出総額は、1兆1,663億円程度となり、昨年度の名目GDPの0.22%に相当するそうです。また、大和証券によると、「GoToトラベル」を再開した場合の経済効果は、直接効果で2,8兆円、波及効果と合算すると3.7兆円に及ぶと言われています。これらの試算から、キャンペーンによる経済効果は一定の根拠を持つと同時に、日本の経済全体を押し上げる施策であると判断できます。

 

一方、昨年まで実施されていた制度では、課題も浮かび上がりました。第一に、割引率の高さから、普段は利用しない高級・ラグジュアリーホテルへの宿泊が集中したことです。2万円の宿泊なら1万円の補助が受けられますが、1万円なら5千円しか補助が受けられないといった心理的な割安感が生じ、高価格帯での利用に偏ったのです。また、利用者は感染リスクを抑えた上での宿泊を狙ったため、しっかりとした感染症対策を行っている高級ホテルや大手チェーンに予約が流れやすかったことも影響し、既存の制度では、中小・零細事業者が恩恵を受けたかどうかに関して、疑問が残りました。

 

このように、「GoToトラベル」は、落ち込んだ観光事業ならびにその他の関連した産業への大きな経済効果が期待できる一方、制度上の課題から、支援を受けたい事業者全体には効果が行き渡らなかった可能性も示唆されます。そのため、現在検討されている割引上限の引き下げに加え、繁忙期と閑散期での割引率を変えて、需要を分散することや、割引率の段階的な引き下げといった対策が盛り込まれることに期待します。また、供給側である企業に焦点を当てると、インバウンド需要が見込めない中で、国内需要を喚起する必要があり、当分の間はマイクロツーリズムの推進が図られると考えられます。前回のGoToの反省を踏まえ、各企業が時間をかけて集客に向けた戦略を練ることができるという点においても、昨年とは違った動きが見られることでしょう。

皆さんも、「GoToトラベル」が再開した際には、キャンペーンを利用してみてはいかがでしょうか。

【参考文献】
Go To トラベル旅行者向け公式サイト
トラベルジャーナルオンライン|GoToの制度設計 産業界が望む2.0から訪日・海外版まで
PwCコンサルティング|COVID19:ホテル業界への影響 2021年9月号
大和証券|Go Toトラベル再開のインパクトと求められる視点
RIETI(独立行政法人経済産業研究所)|GoToキャンペーンをどうすべきか?
ナレッジ・インサイト|GoToトラベル再開で3.8兆円の景気浮揚効果:再開には慎重な検討も