みなさんこんにちは!3年の田中です
もう気づいたら 12 月ということで、1 年が終わろうとしています 。時が経つのがとても早く感じますね。
元旦といえばみなさん、何を思い浮かべますか?
そう!!箱根駅伝ですよね!!
箱根駅伝とは東京箱根間往復大学駅伝競走と言い、1920 年より毎年 1 月 2 日と翌 3 日の 2 日間にわたり行われる関東地方の大学駅伝の競技会(地方大会)です。関東学生陸上競技連盟が主催し読売新聞社が共催しています。
出場校は 20 校で、これとは別に出場校以外の競技者による関東学生連合チーム(オープン参加)が参加します。
コースは国道 1 号線、東京都千代田区大手町・読売新聞東京本社ビル前から、鶴見、戸塚、 平塚、小田原の各中継所を経て神奈川県足柄下郡箱根町・芦ノ湖までの往復で、往路 107.5 km、復路 109.6 km、計 217.1 km。1 月 2 日に東京から箱根への往路を、1 月 3 日に箱根から東京への復路を走るものとなっています。
↑往路
毎年学生たちによる熱いドラマが繰り広げられており、涙なしには見られないような正月の風物詩となっています。
駅伝なのでみなさん出場している大学や選手の順位や記録に関心を持たれると思いますが、 履いているシューズに注目して見たことはありますか?
ほとんどの方が関心を持つことはないと思います。近年シューズに面白い変化が見られたので是非紹介させていただきたいと思います。
まず例年はアシックスとミズノが 2 大勢力でした。17 年大会でも出場 210 人のうち、アシ ックスが 67 人(31.9%)、ミズノが 54 人(25.7%)、アディダスが 49 人(23.3%)、ナイキ が 36 人(17.1%)、ニューバランスが 4 人(1.9%)というデータが残っています。
2 大勢力といってもいろいろな企業のシューズが着用されていたことが分かると思います。 しかし 18 年大会ではナイキ(28%)とアシックス(26%)とナイキのシェア率が伸び、翌年の 2019 年に一気に 50%近いシェアを占め、2020 年は約 84%、さらに 2021 年の前々回大会 は約 96%にまで上りました。まさにナイキ一強時代の到来です。ではなぜこのような事態が起こったのでしょうか。
これは 2017 年に発売されたナイキの厚底レーシングシューズ「ナイキ ズーム ヴェイパー フライ 4%」の影響であると説明できます。
↑「ナイキ ズーム ヴェイパーフライ 4%」ナイキより
これは当時できるかぎり薄底で軽量化を図るというシューズの常識を変えた革新的なシュ ーズでした。
この靴はマラソン(42.195 km)において人類史上初となる 2 時間切りを目指し て作成されました。世界記録保持者であるキプチョゲ(ケニア)の声を直で反映した結果、人 類史上初となる 2 時間切りを達成できたのです。詳しい効果などはかなり専門的な内容となってしまうので気になった方は独自に調べていただけると幸いです。(こちらに詳しいことが書いてあります https://www.runhack.jp/30358)
この効果はすぐに日本の長距離界に伝わり、長距離界の高速化が進んだのです。箱根駅伝のランナーにも広がった結果、ナイキが箱根駅伝出場ランナーのシューズをほぼ独占するという事態を呼んだのです。
これは常識だと思われていたことから、実際に使用する顧客の声をよく聞き潜在ニーズを見つけ出し、そのニーズに応えるというマーケティングの基本であると思います。ただ基本と思われていることを実際社会で活用し成功を収めることは大変難しく、ここまでの成果を実現したナイキはすごいなと感じました。
近年では少しずつ他企業さんも厚底シューズに手を出しシェアを得てきています。今年の 箱根駅伝ではどういった情勢になっているのか、ぜひ熱い戦いの裏でシューズにも着目し てみてください!!!
【参考文献】
・「ランニングの未来を変える」ナイキ ズーム ヴェイパーフライ 4%発売 その秘密と
は? https://markmag.jp/2017/07/nikezoomvaporfly/104983
・「箱根駅伝」ナイキだけじゃない! 各メーカー最新シューズがそろい踏み
https://news.yahoo.co.jp/byline/wadasatoshi/20220104-00275829
・https://www.hakone-ekiden.jp/course/