世界中の”WOW”を届ける WOWOWの企業戦略

こんにちは!3年の山口です。

1つ下の記事で吉野さんが取り上げている話題を私も今回候補の1つに考えていたので、被らなくてよかったなと安心しています(笑)

今年のGWも緊急事態宣言真っ最中で、思うように外へ遊びに行けませんよね…。

そこで今回はGWのおうち時間も楽しくしてくれるかもしれない「WOWOW」の企業戦略について紹介します。

WOWOWは1984年に設立され、現在は映画やドラマ、国内外のコンサートやスポーツイベントなど、様々なコンテンツを放送する日本初の民間衛星放送会社です。「世界のトップエンタテインメントを日本のお客様に届ける」という志のもと、30年にわたり人々に親しまれています。

しかし、新型コロナウイルスの拡大による相次ぐコンサートやスポーツイベントの中止、そして近年、動画配信サイトの選択肢が格段に増加していることにより、2020年度の正味加入者数(新規加入者数-解約件数)はマイナスとなっています。
このような状況で、WOWOWはどのような戦略をとっているのでしょうか。

今回はマーケティングの「基本戦略」を基に考えてみます。

現在、動画配信サービスで多くのシェアを占めているNetflixやAmazon PrimeVideoに比べ、WOWOWは月額料金が2530円と高額であり、低コストを武器に競争優位を得ることは難しいと考えられます。

そこでWOWOWが現在行っており、今後も主軸としていくであろう戦略は「差別化戦略」です。これはコスト以外の面で他社との差別化を図り、人々に独自性を認めてもらえる価値を創出しシェアを拡大していく戦略です。

WOWOWは同社の重点戦略の1つにもあるように、「WOWOWらしさを貫いた徹底的なコンテンツの差別化」を行っています。
脚本に力を入れたクオリティの高い作品が並ぶ『ドラマW』シリーズや、テニスなら『グランドスラム』、映画賞なら『アカデミー賞授賞式』といった世界の「トップ」を届ける番組など、WOWOWは強いこだわりを持った他社に模倣されにくいコンテンツの制作を心がけています。特に世界的な試合や授賞式における放送権の獲得は同社が長年かけて積み上げてきた技術力や実績の賜であるため、これは他社が一朝一夕で真似することはできない、WOWOWの強みであると言っていいでしょう。

また、市場開発にも積極的に取り組んでいます。
今年の1月に開始された「WOWOWオンデマンド」はテレビやスマートフォンで番組を視聴することができるサービスです。今までならアンテナなどの衛星放送の設備がないとWOWOWの番組を視聴することはできませんでしたが、これからは誰でも好きな機器でWOWOWの番組を楽しむことができます。

このように、WOWOWは他社との差別化を積極的に行い、様々な動画配信サービスの台頭の中、さらなるシェアの拡大を図っています。

皆さんも今年のGWはWOWOWで世界のエンタテインメントを楽しんでみてはいかかでしょうか!

 

参考文献

黒岩健一郎・水越康介(2012)『マーケティングをつかむ』有斐閣.
水越康介・髙橋誠(2021)『技術者のマーケティング強化書 これだけは知っておきたいマーケティングの基本常識60』 日科技連出版社.
WOWOW公式サイト(https://www.wowow.co.jp/)(2021年4月25日閲覧).
WOWOW「中期経営計画について(2017年度~2020年度)」(2017)(https://corporate.wowow.co.jp/ir/library/presentations/docs/mid20172020.pdf)(2021年4月25日閲覧).
WOWOW「有価証券報告書」(2020)(https://corporate.wowow.co.jp/ir/library/security_reports/docs/36yuho.pdf)(2021年4月25日閲覧).
WOWOW RECRUIT SITE「WOWOWについて」(https://corporate.wowow.co.jp/recruit/about/)(2021年4月25日閲覧).
ORICON NEWS「”最高峰”に拘り続けたWOWOWの30年、編成局長が明かす動画配信時代に打ち勝つ独自コンテンツ」(2021)(https://www.yamagata-np.jp/oricon/print.php?id=2190207)(2021年4月25日閲覧).