観察法はすごいのか?

こんにちは、中嶋未希です。
Sカレに向けた課題ということで、
著書「1からの商品企画」の第3章、観察法について考えようと思う。

まず、観察法とは、観察によって内側からの理解を重視する商品企画の手法だ。

人の言ったことや客観的な事実などのデータを用いて顕在ニーズを明確にするだけでは素晴らしいアイディアは生まれない。なぜなら客観的な「傾向」は分かっても、そこから自分ひとりでは思いつかなかったような画期的なアイディアに結びつけるのは難しいからだ。

競争力のある商品企画を行うには「言葉にされない人々の思い」、すなわち潜在ニーズに気づくことが大変重要である。
アンケート調査などは、多くのサンプルから「平均的」な人々の「傾向」を知ることに優れている一方で、少数派の意見は見過ごされがちだ。これが統計的な事実に従うだけでは潜在ニーズを拾えない最大の理由である。少数派の「極端」な対象のニーズをとらえることが、これまでにない新しい商品開発のヒントになると考えられる。

ここで頼りになる手法が今回のテーマである観察法だ。
観察法といってもただ観察をしていればいいというわけではない。55ページの例に挙げられた、とある会社のように、集めた写真から分かる事実を集計したデータを使ったところでそれは単なる統計値に過ぎない。その商品やサービスを利用している人自身も気付けなかったことを発見するのが観察法だからだ。

しかしここで疑問が1つある。
果たして本当に統計的な事実だけでは潜在ニーズを発見することできないのだろうか?
答えはNOだ。
私は統計データを出すうえで必要な「アンケート」の方法と内容で可能性は大きく変化すると考える。
皆さんは適性診断というものを今までにした経験はあるだろうか。私は先日、マイナビというサイトの適職診断をネット上で行った。同じような質問にいくつも答えた結果、私の性格、特性が診断される。確かにな、と頷けるような診断だった。そして最後に私に合った職業をいくつか提案してくれる。こんな性格の私にはこんな職種が合うのか、と意外なものもあり、とても参考になったと思う。

そこでだ。私はこれを活用、そして応用したい。
マイナビの例でいえば、こんな性格、特性の人が多いことがわかった、その人にはこんな職種が合うことがわかった、という統計、だけではなく、さらに、その結果をその通りだと思ったのか、意外だと思ったのか、そこまで聞き出してデータにまとめたらどうだろうか。具体的な商品企画でこの方法は試したことはないが、これからもし統計データをとるときには意識した質問を考えようと思う。

最後に、マーケティングはたくさんの手法を適材適所で用いて組み合わせることが大事だということを強調したい。結局のところ観察法は潜在ニーズの発掘に焦点を当てた手法であって、より競争力のある発想を得る手掛かりに過ぎない。その商品を企画するための基礎知識の習得には統計的なデータを採用することが前提条件であるし、これを使えさえすれば良いアイデアが生まれるという手法はないだろう。多方面からのアプローチを地道に行う努力をしたいものだ。