エスキモーが氷を買うとき

3年の吉尾です!

「エスキモーが氷を買うとき」

なんのこっちゃ?というタイトルですが、プロスポーツがテーマのれっきとしたマーケティング書です。日本では大谷翔平選手の活躍が連日ニュースで取り上げられますが、どのチームにもそういったスター選手がいるわけではありません。むしろそういった選手がいるチームは一握り。では一体、スター選手のいない「その他大勢」のチームはどのようにしてファンを集めているのでしょうか。

この本の著者であるジョン・スポールストラはニュージャージー・ネッツ(NBA)をはじめ、アメリカのプロスポーツチームのコンサルタントやGMを歴任したスポーツビジネス界のカリスマです。“カリスマ“と呼ばれる人が増えて久しいですが、その中でも注目されたのは彼が在籍したチームが軒並み弱小チームだったからです。

彼がコンサルタントに就任した1990年当時ネッツは暗黒時代真っ只中、観客動員数は5年連続最下位という状況でした。しかし、スポールストラはやはり只者ではありません。徹底した売上至上主義を掲げ、常識破りのマーケティングによってチームの売上高を500パーセント増加させたのです。

ここで、彼が行った常識破りのマーケティングをいくつかご紹介したいと思います。

 

  1. 相手チームのスーパースターの利用

当時、ネッツにはスター選手がいませんでした。そこで、マイケル・ジョーダンなど国民的スターがいるチームとの試合チケットを一つのパッケージにして販売したのです。自分のチームにスターがいなければ相手を利用すればいい。日本では考えられない逆転の発想です。

  1. 破格のファミリーチケット

ファミリーレストランの協賛試合では、4人分のレストランでの食事とグッズ、チケットがセットで39ドル55セントという破格のチケットを販売しました。たとえ魅力的ではない対戦カードでもファミリー層が集まることでスタジアムが満員になりました。

 

「スポーツマーケティングにおいて重要なのは、エスキモーに氷を買わせるだけのアイデアだ」というのがタイトルの真意でしょう。常識破りのマーケティングという考え方を学べば、スポーツ観戦だけでなく日常生活がより楽しくなります。ビジネス書だからと肩肘張らず、気楽に読める名著です。ぜひ読んでみませんか。

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です