多様化する価値観と対応

こんにちは。3年の勝元です。

年度が新しくなって早々ヘビーな話題で恐縮ですが、消費者の価値観の変化と企業の対応について、最近思うことをお話しさせていただきたいと思います。

デジタル化、グローバル化や男女平等の推進により、人々の価値観は大きく変化し続けています。特にデジタル化の影響は凄まじく、それまで普通に過ごしていたら触れることはなかった少数の意見等に触れる機会が増えました。

最近の出来事で印象的だったのがR-1の広告です。R-1は体調を崩したくない受験生が購入することの多いヨーグルトで、広告も受験生をターゲットにしたものがあります。その1つとして、受験生の親から実際に集めた応援メッセージを広告として掲示するものがありました。駅から受験会場に向かうときは応援メッセージ、帰り道には労いの言葉が表示されるよう工夫した広告もあり、粋な演出だと話題になりました。

しかしSNS上では、わずかですが批判の声が。「母親がいない受験生に対する配慮に欠ける」等といったものです。(応援メッセージは母親からのものが多く見られました)

他にもサブカルチャー文化の拡大により、それまで一部消費者にひっそりと人気を得ていた所謂「萌え絵」が一般消費者の目に留まる場所に広告として掲示され始めたことで、不快感を訴える人やそれに対して表現の自由を訴える人等による論争(あるいは喧嘩)がSNSのそこかしこで見られるようになりました。その論争に決着はついておらず、法整備やガイドラインの形成もままならない現在の状況では、企業は自社の利益を追求するために自身で判断を下さなければなりません。「萌え絵」の例で言うならば、おそらく萌え絵に不快感を抱き批判の声を上げる消費者の殆どはその事業の顧客ではないため、反対意見に耳を貸す必要はないように思われます。当然、別の事業の(潜在的な)顧客である可能性等も考慮するべきかもしれませんが、いずれにせよ全ての消費者に受け入れられる広告はもはや難しく、消費者の取捨選択が必要になってきていると言えるでしょう。

(萌え絵に関連する騒動では「性被害者による苦痛の声」も同時に無視されることになってしまいます。それは大変心苦しく、何かしら対策が欲しいとは思いますが、マーケティングの話から外れてしまうため割愛します)

ただし、企業に与えられた選択肢は「消費者の変化に対応するか」「消費者の変化を無視するか」の2つだけではないことを忘れてはいけません。企業の行動自体が消費者の文化に変化を与えることもあります。

「イクメン」がその最たる例です。広告代理店「博報堂」のディレクターが、男性の育児参加を増やすために創り出した言葉で、それは狙い通り「子育ては格好悪い」といったマイナスの印象を取り払い、男性の育児参加に大きく貢献しました。今や男性の育児は当たり前と考える人から「イクメンという言葉は当たり前のことをしているだけの男性を美化している」と非難されるほどです。私はそういった否定的な意見を見かける度に「イクメン」という言葉の功績を感じます。企業が新しい価値観を社会に根付かせることは簡単なことではありませんが、1番理想的な形と言えるでしょう。

消費者の変化に対応するのか、抗うのか、あるいは変化を自ら創り出すのか、いずれにせよ多様化する価値観に注視して、冷静な判断を下すことが企業に求められていると感じます。画像もない堅苦しい長文となりましたが、ここまで読んでくださりありがとうございました。

ゲームでインフラを救え!

こんにちは。3年の阿部です。

さて…今回私が紹介するのは…

インフラ×ゲーム

です

では早速…(U〇er風)

 

昨今はPokémon GO、ドラゴンクエストウォーク、Pikmin Bloomのような位置情報を用いたゲームが有名ですよね。よくご高齢の方が立ち止まってボールを投げていたり、電車でキャラクターが歩く画面を眺めている会社員の方がいたりと日常に寄り添ったゲームは老若男女に好まれると思います。

 

スマートフォン

↑今回紹介するゲームは「マンホール聖戦」と呼ばれる、位置情報と写真撮影を掛け合わせた「社会貢献ゲーム」です。足下を見て歩くとマンホールが意外と多いことに気づくと思いますが、実を言うと多すぎて自治体が老朽化に気づけないという問題があります。この老朽化を防ぐために、ゲームユーザーはゲーム内の地図に記されているマンホールを撮影、もしくは地図に記されていない新たなマンホールを撮影して、一日何個撮影できたか・期間中何個撮影できたかで競い合い、賞金をゲットするために東奔西走します。また運営会社は撮影された写真を元に手入れが必要なものの管理ができ、通常の検査体制よりも金額を抑えた形で全国的な調査が可能になるというまさにWin-Winなゲームなのです。

 

今年8月に渋谷区のマンホールをコンプリート。10月には東京23区編、現在は全国編を展開中しています。東京23区はコンプリートには至りませんでしたが、24万/40万を2週間ほどで集めたようです。ユーザーには賞金というインセンティブがありますが、それよりも「理念やコンセプトに共感した」という参加理由が多いようで、社会貢献や官民共同を簡単に行えるツールをゲームやデジタルとして世に打ち出すという”ゲーミフィケーション”の有効性を裏付けるような企画として注目されています。

またこの企画は老朽化が激しいマンホールの場所を視覚化しつつ、水路等の情報とも組み合わせることでインフラが摩耗しやすい地域の割り出しにも繋がったり、シビックテックのさきがけとして事業が広まったりと、これからの時代に求められ「デジタルと人の協同」を推進する事業でもあります。

しかし、登録者は二万人を超えているようですが実際に活躍しているユーザーはわずかなようです。あまり広まらない要因としてはゲームの時まで社会貢献したくない人が多いのと、アプリではなくブラウザのみなのでやりづらいことなど多岐にわたりそうですが、一番の原因にはターゲットが特殊なセグメントに偏らないということが大きいと思います。

マンホールカードを集めたり、常日頃からマンホールを見ている人はこの企画が自然と目にとまるかもしれませんが、「マンホールか社会貢献に興味があり、時間と体力にある程度余裕のある人」というのは中々いなそうな枠です。唯一の訴求力は賞金ですが地域の一番にならない限り、抽選で当たるか否かなので続けていくのも限界が来そうです。

 

目新しい企画ですが、今以上にこの企画を盛り上げていくには遊びやすさ(投稿のしやすさ)の充実や、さらなる特定顧客の集客・企画などを推進する必要もありそうです。

皆さんもサイトを覗いて、是非「マンホール戦士」になり、一攫千金を狙ってみては?ちなみに南大沢1丁目で撮影されたマンホールは0/210です。早い者勝ちなのでみなさん沢山撮ってくださいね~

それでは…

 

参考サイト

第4回#マンホール聖戦「全国出陣祭り」 (guardians.city)

登録者数 2万人突破! 大好評につき、#マンホール聖戦 〜東京23区コンプ祭り〜を延長決定!|Whole Earth Foundation Ltdのプレスリリース (prtimes.jp)

GoTo復活なるか。

こんにちは!3年の小堀です。

 

皆さんは近場での宿泊に魅力を感じますでしょうか。

私は、昨年のGoToトラベルをきっかけに、都内や横浜といった近場のホテル泊に惹かれ、とある月には、1週間に1度、何処かのホテルに滞在しているなんてこともありました(笑)

 

すっかりホテル好きになった私ですが、新型コロナウイルス感染症によってホテル業界が厳しい現状にある事実も理解しています。最初の感染症流行を皮切りに、昨年4,5月の宿泊者数は2019年同月比で8割減少し、収まりつつあった夏以降徐々に回復傾向に転じるも、緊急事態宣言の発出に伴い、再度減少傾向となりました。また、今夏の東京オリンピック・パラリンピックに関連した需要増は、一時的な物であったため、当面の大幅な需要拡大は見込めないと考えられます。

(PwCコンサルティング「COVID19:ホテル業界への影響 2021年9月号」より)

こうした現状を踏まえた上で、早ければ来年の1月以降の再開が見込まれている「GoToトラベル」、本日はこの制度の在り方と課題を考察したいと思います。

 

まず、「GoToトラベル」とは、冷え込んだ観光需要を取り戻すため、2.3兆円の予算を用意した国による経済政策です。これまでの制度では、1人1泊あたり2万円を上限に、総額の35%の旅行代金を割引き、15%を地域共通クーポンとして配布することで、実質半額を政府が補助する仕組みでした。

(Go To 2.0 ※11/19時点)

この制度を利用した昨年の旅行の支出総額は、1兆1,663億円程度となり、昨年度の名目GDPの0.22%に相当するそうです。また、大和証券によると、「GoToトラベル」を再開した場合の経済効果は、直接効果で2,8兆円、波及効果と合算すると3.7兆円に及ぶと言われています。これらの試算から、キャンペーンによる経済効果は一定の根拠を持つと同時に、日本の経済全体を押し上げる施策であると判断できます。

 

一方、昨年まで実施されていた制度では、課題も浮かび上がりました。第一に、割引率の高さから、普段は利用しない高級・ラグジュアリーホテルへの宿泊が集中したことです。2万円の宿泊なら1万円の補助が受けられますが、1万円なら5千円しか補助が受けられないといった心理的な割安感が生じ、高価格帯での利用に偏ったのです。また、利用者は感染リスクを抑えた上での宿泊を狙ったため、しっかりとした感染症対策を行っている高級ホテルや大手チェーンに予約が流れやすかったことも影響し、既存の制度では、中小・零細事業者が恩恵を受けたかどうかに関して、疑問が残りました。

 

このように、「GoToトラベル」は、落ち込んだ観光事業ならびにその他の関連した産業への大きな経済効果が期待できる一方、制度上の課題から、支援を受けたい事業者全体には効果が行き渡らなかった可能性も示唆されます。そのため、現在検討されている割引上限の引き下げに加え、繁忙期と閑散期での割引率を変えて、需要を分散することや、割引率の段階的な引き下げといった対策が盛り込まれることに期待します。また、供給側である企業に焦点を当てると、インバウンド需要が見込めない中で、国内需要を喚起する必要があり、当分の間はマイクロツーリズムの推進が図られると考えられます。前回のGoToの反省を踏まえ、各企業が時間をかけて集客に向けた戦略を練ることができるという点においても、昨年とは違った動きが見られることでしょう。

皆さんも、「GoToトラベル」が再開した際には、キャンペーンを利用してみてはいかがでしょうか。

【参考文献】
Go To トラベル旅行者向け公式サイト
トラベルジャーナルオンライン|GoToの制度設計 産業界が望む2.0から訪日・海外版まで
PwCコンサルティング|COVID19:ホテル業界への影響 2021年9月号
大和証券|Go Toトラベル再開のインパクトと求められる視点
RIETI(独立行政法人経済産業研究所)|GoToキャンペーンをどうすべきか?
ナレッジ・インサイト|GoToトラベル再開で3.8兆円の景気浮揚効果:再開には慎重な検討も

推しのためなら【オタクジム】

3年の町田です!

私事ではありますが、来月に部活の引退試合を控えているので、最近は練習と減量のための運動・食事制限の日々です…。辛い…。

今回はそんな私が興味を持った、とあるジムについて紹介したいと思います。通称・【オタクジム】です。

株式会社クララボが2021年7月1日に、業界初・オタク向け女性パーソナリティトレーニングジム「Clara(クララ)」をオープンしました。アニメや漫画、ゲームなどのあらゆる二次元のオタク趣味を持つ女性が、日々「趣味」や「推し活」を全力で楽しめるように、という想いで創られました。内装も一般的なジムとは異なり、アニメキャラのフィギュアやポスターがそこら中にあります。

このオタク女性向けジムに関して、マーケティングの観点から”面白い!”と思った点がいくつかあります。

まずは顧客の設定についてです。Claraでは「女性かつ、二次元のアニメや漫画などを推しているオタク」といったセグメントをターゲットにしています。

顧客をセグメンテーションする際には、性別・年齢などのデモグラフィクス特性と、ライフスタイル・価値観などのサイコグラフィクス特性によって大別することができます。前者は測定がしやすく使い勝手が良い反面、それだけでは顧客の消費行動を表面的にしか理解できないといったデメリットがあります。

Claraでは「女性」というデモグラフィクス特性と、「二次元オタク」というサイコグラフィクス特性を掛け合わせたセグメントにターゲティングすることで、より具体的な施策を以て集中型マーケティングができると言えます。

 

そしてClaraは、その限られたセグメントの顧客の特徴やニーズを上手く汲み取って、以下のようなマーケティングを展開しています。

Claraは池袋に2店舗構えています。一般的に「オタク」と聞いて秋葉原をイメージする人は多いでしょう。しかし秋葉原はどちらかというと男性のオタクに向けた店や施設が多く、女性のオタク向けの店は池袋の方が圧倒的に多いです。こうしたターゲットが多く集まる立地で店を構えることで近隣での宣伝も行いやすく、集客も見込めると考えます。

また一言に「推し活」といっても、漫画やアニメやゲームを見る・するだけでなく、好きなキャラのイラストを描いて同人本を販売するオタク。好きな漫画の舞台を観に行くオタク。好きなキャラのコスプレをするオタク…というように、オタクの推し方は様々です。

それに伴い、「推しキャラに好かれるような体型になりたい」「漫画を描くとき長時間同じ態勢をとるから体が痛い」「コスプレをするから推しのように細くなりたい」…というようにオタクの悩みも多様です。

Claraではそうしたオタク女性の悩みを理解し、解決するため、トレーナーも全員「オタク女性」です。

日本のオタク文化が発展した今でも、「二次元オタク」という言葉にはネガティブなステレオタイプ、極端な場合ではスティグマ(「異端」「非常識」と思われた人が差別や偏見を受ける状況)が与えられることを恐れる人はいます。こうした理由から、一般的なパーソナルジムでは恥ずかしくて相談できない悩みも、Claraでは気軽に相談でき、推し活に合わせたトレーニングメニューを組むことができます。

 

Claraのオタクジムをマーケティング的観点から見てみましたが、いかがでしたでしょうか。今回は「二次元オタク×女性」、というセグメントでしたが、オタクのジャンルは多様なので、他のセグメントに向けたジムが展開する余地もありそうですよね!

【参考】

【業界初】オタク向け女性専門パーソナルトレーニングジム (claragym.com)

池袋オタク向け女性専門パーソナルジム【Clara】(@claragym_group) • Instagram写真と動画

松井剛、西川英彦『1からの消費者行動』(中央経済社、2016年)

ナイスパス!

こんにちは。3年の鮎澤です!

今回は、紙袋のリユースプロジェクト“NICE PASS”についてご紹介します。

昨年7月から開始されたレジ袋有料化にともない、レジ袋の代わりに紙袋を利用するお店も増えたのではないでしょうか?

一見エコに思われがちな紙袋ですが、1枚の紙袋を製造するまでに約150gのCO2が排出されているそうです。一方レジ袋1枚の製造では約10~30gと言われているため、CO2排出量だけで見ると、紙袋の方が環境に負担を与えていることになります。

この“NICE PASS”という取り組みは、長崎県でコーヒーショップを経営する伊藤寛之さんが考案し、クラウドファンディングで寄付を募り、今年の9月から全国で開始されました。伊藤さんのお店では、以前は新品の紙袋を利用していましたが、お客さまが持ち帰ったあと再利用することはめったになく、大抵はゴミになるか押し入れの奥にしまわれていました。確かに、ちょっと生地がしっかりしたものや、デザインがおしゃれなものなど、いつか何かに使うかもしれないと思い、ついついとっておいてしまう方は多いかもしれません、、、。この大量消費に対して大量に溜まってしまうという課題を解決するため、紙袋を回収・再活用して循環させるというプロジェクトを考えたそうです。

仕組みはとてもシンプルで、消費者が買い物で溜まった紙袋を賛同店舗に持ち込み、プロジェクトのステッカーを貼ってそのお店のショッパーとして再利用するという流れです。“パスがつながっていく”ことにちなんでこの名前が付けられています。

また、ステッカーを貼ることによって、ブランドごとにこだわりのあるデザインにも付加価値を与え、資源とともにデザインもアップサイクルしていこうという狙いがあります。

  

(Instagramより)

再利用されたバッグの数は事務局で推算され、長崎大学環境化学部の協力のもとCO2削減量や森林伐採の抑制量などを定期的に公表し、環境にどのような影響を与えられたかを可視化していくことで、プロジェクトの協力者たちが実感を持って参加できる仕組みをつくっています。

(Instagramより)

企業は、袋に貼るガムテープ(1巻で約300袋分)や店内掲出用チラシを購入するだけで参加でき、3,000円から気軽に始めることができます。SDGsの一環としての取り組みとなるほか、自社のペーパーバッグを作成するコストも削減することができるというメリットが考えられます。

(参加店マップ・11月22日現在)

導入店舗は、開始から1ヶ月で100店舗を超えており、北海道から沖縄まで少しずつ広まっています。ですが、関東のお店にはまだ少ないという現状なので、これから全国にもっと広まることを期待したいと思います。

 

あと1ヶ月に迫る大掃除の季節に向けて、みなさんの家に眠っている紙袋も、再利用で“ナイスパス!”してみてはいかがですか?

ご覧いただきありがとうございました!

 

公式Instagramこちらです↓↓

NICE PASS🛍♻️(@nicepass_reuse) • Instagram写真と動画

 

【参考文献】

使い終わったら次の人へ。紙袋のリユースプロジェクト『ナイスパス』はじまります。 – CAMPFIRE (キャンプファイヤー) (camp-fire.jp)

NICEPASSが全国で始まりました | お知らせ・ブログ | コーヒーの通販・オンラインショップ カリオモンズコーヒーロースター (kariomons.com)

3Rエコポイントシステム促進のためのガイドライン (env.go.jp)

今マイナーチェンジ!?

こんにちは!3年の清水です。今回のテーマは、有名な家電メーカーのバルミューダさんが初めて発売した新商品についてです。

BALMUDA The Brewは9月8日に予約開始され、10月7日に販売開始。価格は59,400円とお高め。バルミューダ独自の抽出方法「Clear Brewing Method(クリア ブリューイング メソッド)」を採用しており、ストロングかつクリアな味わいを表現できるといいます。それを実現するために、緻密な温度制御、0.2ml単位の正確なドリップ、バイパス注湯(出来上がり後のコーヒーに注湯)といった3つの独自技術を搭載しているそうです。

新型コロナウイルスの影響でおうちカフェを楽しむ人が増えた中での発売(開発には6年ほどかかったそうです)。スタイリッシュなデザインに、味も「自宅で出せるレベルじゃない」とまで言われています。

正直コーヒーメーカーとしては相当なお値段です。社長自身もそれは認めているようです。「味だけキープしてデザインを丸くすればいいかもしれないが、それでは普通になってしまう」。ステークホルダーが自社に求めているのはキレのある行動だと考え、味、デザイン、素材にまで妥協はしなかったそうです。結果、「この値段なら」と思わせるような商品にたどり着き、富裕層やコーヒーに特にこだわっている消費者に対してはヒットするのではないかと私も考えます。

 

ですが、自分の中で少し疑問が生まれたのはその後の出来事です。

BALMUDA The Brew STARBUCKS RESERVE LIMITED EDITIONという、スターバックスコーヒーとの限定コラボ商品が11月2日に予約開始され、12月上旬に発売されます。スターバックス特設サイトでは11月8日から先行販売されているそうです。価格は64,900円。スターバックスとの調整を重ねたことで専用の抽出メソッドを開発し、スターバックスのコーヒー豆のおいしさを更に引き出せるようになっています。

デザインはSTARBUCKS RESERVE®の世界観を凝縮したものになり、出来上がりのサイズもshort/tallに。開発にはStarbucks Coffee Japanのコーヒースペシャリスト、江嵜 讓二さんも携わっており、先述(コラボでない方)のコーヒーメーカーから抽出される味わいと体験に共感し、参画したとのことです。

 

疑問に感じたのはその発売のタイミングで、なぜ「2ヶ月後」かということです。自分がコラボ製品の発売を知ったとき、今???、と率直に感じました。1つ目を買ってしまった人が、「これにすればよかったわ、、、」となると考えたからです。ターゲット層に関してはどちらの製品も変わらないのではないかと思います。コアなスターバックスファンが含まれたくらいでしょうか。単純に開発スケジュール的な遅れなのか、、、(だとしたら僕の考えすぎなだけですね)。

 

僕が考えた利点としては、

・スターバックスとのコラボで知名度向上

・イノベーターやアーリーアダプター、メディアにより顧客全体の認知が向上したタイミングで新製品を発売することで、埋もれることを防ぎ更なるヒットを狙う

という感じです。

 

みなさんもぜひご一考ください!そしてもしこのコーヒーメーカーを買った人がいたら、試させて頂けるとありがたいです、、、

参考
https://www.balmuda.com/jp/brew/
https://www.balmuda.com/jp/brew/special-model
https://asciijp.cdn.ampproject.org/v/s/ascii.jp/elem/000/004/068/4068431/amp/?amp_js_v=a6&amp_gsa=1&usqp=mq331AQKKAFQArABIIACAw%3D%3D#aoh=16371222598058&referrer=https%3A%2F%2Fwww.google.com&amp_tf=%E3%82%BD%E3%83%BC%E3%82%B9%3A%20%251%24s&ampshare=https%3A%2F%2Fascii.jp%2Felem%2F000%2F004%2F068%2F4068431%2F

“タグ”を“フラッグ”に

こんにちは!3年の小林です。

 

皆さんは日頃Twitterを利用していますか。国内5310万人、世界3億2000万人が利用するTwitterは、誰もが知る主要SNSの1つになっています。

そんなTwitterの基本機能の1つに「#(ハッシュタグ)」があります。皆さんご存じの通り、自分が投稿する内容に関連したフレーズに#を付ける事で拡散を狙ったり、逆に自分が検索したい情報に#を付ける事で関連する投稿を検索したりと、ユーザーに広く使われるTwitterの機能になっています。

 

そんなハッシュタグ機能ですが、皆さんは「#○○」の後に絵文字が付いた、下の画像の様なものを目にした事はあるでしょうか。

 

これは2015年から活用が広まったTwitterの機能「ハッシュフラッグ」と言います。このハッシュフラッグ、Twitter社が流行語などに独自にハッシュフラッグを付ける事でユーザーを盛り上げるほか、企業がTwitter社に申請をして使用するケースも見られます。今回はそんなハッシュフラッグ機能について、現時点での長所と短所をマーケティングの視点で簡単に考えたいと思います。

 

まず、企業がこの機能を活用する目的にあたる長所についてです。先述した通り、Twitterにおけるハッシュタグ機能は投稿/検索両面で重要な役割を担い、Twitterが持つ拡散力の源となっています。このハッシュタグに絵文字が付く事で、元々そのハッシュタグに関心が高いTwitterユーザーは勿論、あまり関心の高くない人にも興味を持って貰える可能性が考えられます。したがって、各企業は自社のブランドロゴや商品に関連する絵文字をハッシュフラッグとして活用する事で、既存のハッシュタグ機能の持つ拡散効果に上乗せしてブランドイメージ向上を狙っていると考えられます。

 

一方、ハッシュフラッグには2つの短所が挙げられます。

1つは、その価格の高さです。企業がハッシュフラッグを申請するには最低でも約2500万~3000万円程度の料金をTwitter社に支払う必要があり、非常にコストが高くなっています。しかも、これらの金額は1つのハッシュタグ毎かかってくるため、下記の画像の様に複数のハッシュタグで申請すると、その分コストも2倍3倍となってしまいます。こうした事実から、費用対効果を考慮するとハッシュフラッグは決して手軽に使える機能とは言えません。

 

もう1つは、期間限定である点です。正確な期間設定については分かりかねますが、これまで各企業が設定してきたハッシュフラッグには最短で3日、多くは2~3週間程度で消えてしまっており、期間終了後は過去の投稿からも絵文字が消え去っています。先に述べたように、1つ2500万円以上も払って短期間しか活用できないという点が、企業がハッシュフラッグ機能を使うにあたり障壁となっていると考えられます。

 

このように、ハッシュフラッグは拡散力という点で強みを持つ一方、現時点ではコスト面・期間面で短所も抱えています。とはいえ、最近ではハッシュフラッグを活用する企業も増えてきているので、今後コスト面が改善さればさらにその輪が広がり、Twitterを活用したマーケティングの新常識になるかもしれません。

 

以上です!最後までお読みいただきありがとうございました。

癒されるSNS

皆さんこんにちは!3年の白澤です。

私が今回ご紹介するのは、「Gravity」というSNSアプリです。

こちらは「癒されるやさしいSNS」としてじわじわ人気を集めているSNSアプリで、アプリそのものは2020年12月からリリースされており、今年の10月時点で累計ダウンロード数100万を突破したそうです。私は、夏休み中に友人がやっていたのを見て初めて知りました(汗)

Gravityは、SNSの普及と共に問題とされてきた「SNS疲れ」に焦点を当てたアプリとなっています。SNS疲れというのはいくつか種類があります。例えば、既存のSNSでは現実での関係性がそのまま反映されているパターンが多く、常に連絡を取り合ったり、何か反応をしないといけない…といった「繋がり疲れ」や、フォロワー数や投稿に対するいいね数等、映えを気にするあまり自由な投稿が出来なくなる「映え疲れ」、更に何かつぶやくと不特定多数から批判が来るのではないかという不安による「つぶやき疲れ」といった多岐に渡るものがあります。

(Sirabee リサーチより)

こちらのSirabee編集部による調査では、10代や20代の若者の半数以上がSNS疲れを感じたことがあると回答しており、SNSは生活に身近になった分、それだけ他者との距離感のはかり方が難しくなっていてコロナ禍により更にその影響は大きいものとなったと考えられます。

このSNS疲れという問題に対して、Gravityは「匿名性の高さ」という点で既存のSNSと大きく差別化を図っています。まず、既存のSNSに見られる「他のSNSとの連携機能」が備わっていないため、知人に知られる心配がありません。次に、プロフィール画像に関しては、アプリ側が用意した複数のアイコンから好きな物を選べるだけで、自分の写真などは設定が出来ません。また、フォロー数やフォロワー数は相手側に表示されない仕組みになっており、自分だけが知ることができます。加えて、発信力を強めるような拡散機能も備わっていないため、所謂インフルエンサーという概念は存在しません。このような匿名性の高さからユーザーは自由に投稿を行なうことが出来ます。

広告に関しては、アプリの広告をインスタやtwitterという代表的なSNSの場において出していた点で、「SNS疲れをしている人」というターゲットを上手く狙い撃ちした仕掛けであると思いました。そのターゲットに関して、本来狙っている細かな性別や年齢層は定かではありませんが、実際にはどうやら20~30代の女性に受けているようです。

実際に私もアプリを使ってみたのですが、匿名性の高さが信頼できるため従来のSNSとは違ってとても気軽に投稿が出来るな~と思いました。そして何より、本当に「やさしい」SNSだなと感じました。このアプリではユーザー登録の際に性格診断テストを行い、その上で交流する星(場所)が決まります。

(↑例えばこのような感じ)

アプリを入れてすぐ、まだフォロワーもいない状態で試しに「こんにちは」と投稿をしてみるとすぐにいいねが18件ほど付き、こんにちは!と返してくれるユーザーもいて、その距離感の近さに驚きました。他のSNSではこんな些細なことでも投稿していいのかな?とか、知らない人の投稿にいいねを押したいけど、何か思われるんじゃないかな?と色々考えてしまったりしていたのですが、このSNSにおいてはとにかく自由に、自分の思いを気軽に投稿することができますし、いいねも既読感覚でポンポン押すことが出来ます。また、匿名性が高い故に攻撃的な人もいるんじゃないか?と当初は思っていましたがそんなこともなく、とても平和な空間になっています。ちなみに、友人は自分で書いた絵を載せたらコメント付きで褒めてくれる人が沢山いて、「他のSNSではそんな距離感ではないからすごく嬉しい」と喜んでいました。

GravityはSNS疲れの人をターゲットとして匿名性の高さを既存のSNSと差別化し、ヴァーチャルアイデンティティを通じてユーザーがより本音で自己を表現できる新たなSNSのジャンルとして地位を確立したものであると考えます。皆さんも、もっと気軽に誰かと繋がりたい、自分の思いを聞いて欲しい!と思ったら、是非Gravityを入れてみるのはいかかでしょうか?

以上、ご覧いただきありがとうございました!

(参考)

バトンリレー投稿人気も… SNS疲れ体験者が語る「止める」勧め – Sirabee

累計ダウンロード数100万突破!20~30代女性に人気の”癒やされるやさしいSNS 「GRAVITY」”|HiClub株式会社のプレスリリース (prtimes.jp)

癒やされるやさしいSNS「GRAVITY」がリリース5ヶ月で累計ダウンロード数30万を突破 |Applision | iPhone / Androidアプリ情報サイト

 

センキョ割!

皆さんこんにちは!3年の木﨑です。今回は素敵なキャンペーンをご紹介したいと思います(o^―^o)

 

選挙に行ったという証明をすると、それがクーポンの代わりとなり参加店でお得にサービスを得られるという「センキョ割」が全国で行われています!

参加企業・団体は写真のほかにもたくさんあり、皆さんがよく行くお店も含まれているのではないでしょうか。

一例として一風堂ではセンキョ割を使うと替え玉一玉、または玉子一個を無料で提供して頂けるそうです。

また、猿田彦珈琲では、100円引きでサービスを受けられます。

以下のグラフのように、数十年前に比べて投票率(特に若者)は大きく下がっています。選挙に関心がなくなっているということは、現状に満足している、政治に不満がない、という事も要因として考えられますが、投票率が下がるとそれだけ国民の意志を反映しない政治が行われてしまいます。どんな動機であれ、投票に行くということに意味があるので、私はセンキョ割は素晴らしいキャンペーンだと思います。


センキョ割は学生実施委員会が中心に行っていて、選挙を無意識でポジティブに捉えられる国民的行事にし、選挙割文化で社会参加意識向上のきっかけを作ることを目指しているそうです。このキャンペーンがどんどん大きくなって、若い人、そして全体の投票率が上がり、より民意を反映した社会になっていくといいですね。

私は今回の選挙で投票済証を貰わなかったので(どこで貰えるのか分からなかったです(><))今回のキャンペーンに参加することは出来なかったのですが、投票所と自分を写した写真も証明書代わりになるそうなので、次回は写真を撮るか証明書を頂いてキャンペーンに参加したいです!
(投票済証を発行していない自治体もあるそうです)

皆さんもぜひ次回の選挙で投票に行って、センキョ割を使いましょう( ¨̮ )

参考

センキョ割ホームページ センキョ割 / 選挙割 | センキョ割とは、投票したらサービスで、地域活性と社会参加のきっかけをつくる国民的行事 (senkyowari.com)

総務省ホームページ 総務省|国政選挙における投票率の推移 (soumu.go.jp)

 

 

 

1人焼き肉、もう怖くない。

こんにちは!3年の山口です!

突然ですが、「うわ~!今無性に肉が食べたい!!」と思うことありませんか?私はあります。

そして先日ついに行っちゃいました。
そう、1人焼き肉です。

引かないでください。美容院帰りに昼食に迷っていたら偶然見つけてしまったんです。この「焼肉ライク」を。

ということで、本日はこの「焼肉ライク」について紹介します。

近年、おひとりさま需要は高まり、「第三次おひとりさまブーム」とも言われています。
以下はマイボスコム株式会社が行った調査における「店・施設をひとりで利用することの抵抗感」という項目の結果です。
ひとりでの利用に抵抗感を抱く人の割合は、少しずつとはいえ、9年前から減少し続けています。
しかし、同調査での「ひとりで利用したくない場所」という項目の上位に「焼肉店」が入るように、1人焼き肉に対する抵抗感はまだまだ高いと見受けられます。

そんな中、焼肉ライクは、「1人でも行ける焼肉屋」をコンセプトとして、2018年8月に1号店を出店しました。

カウンター席1つ1つにロースターが設置されており、また、席と席の間には仕切りが設置されているため、人の目も周りのペースも気にせず黙々と焼肉を楽しむことができます
(店舗によっては複数人で座れる席もあるそうです)。

さらに、焼肉ライクではこの1人で食事ができる空間に加え、「無煙ロースター排煙装置によって換気が行き届いている」という魅力もあり、このコロナ禍でも安心して外食ができることが人気の後押しになったと考えられます。

従来、焼肉と言えば滞在時間が長く、その分回転率が悪いというイメージがあります。実際に焼肉屋の平均滞在時間は2時間とされています。また、価格設定も高く、ハンバーガー店や牛丼屋の様に気軽に立ち入れるファストフード的な一面は兼ね備えていません。

しかし、焼肉ライクはその常識を覆し、焼肉業界でのポジショニングを成功させた企業と言えます。

まず、回転率の高さ。先程、焼肉屋の平均滞在時間は2時間と紹介しましたが、焼肉ライクはなんとそれが平均22分。これには1人で食べることに加え、注文は全てタッチパネルで完結、水はそれぞれの席でのセルフサービス、タレも全種テーブルに備え付けという食べる際の効率の良さも影響しているのではないかと考えられます。

そして、これにより人件費を削減することが可能であり、品質を落とさず安価で商品を提供できます。一番安い「バラカルビセット」「牛・豚カルビセット」は肉100gにご飯・スープ・キムチ・玉ねぎ付きでなんと580円!毎日でも食べられそうです。
ちなみに一部店舗では学割も実施されています。私もこの学割を使って通常900円の「豚カルビ&牛ホルモンセット」を660円でいただきました。ご飯おかわり無料です。

このようにして、焼肉ライクは焼肉業界で従来の店舗とは違う地位を確立しました。焼肉ライク代表取締役社長の有村壮央氏は「従来の焼肉屋さんと焼肉ライクは全然違うものだと捉えています。(中略)僕らは焼肉ライクをファストフードと位置付けしています。たとえば、ラーメン屋さんや牛丼屋さんなど、いわゆるファストフード店が僕らのライバルとなります。」と語っています。私が行った際も、昼休憩のサラリーマンが短時間で食事を済ませ退店している様子が多く見受けられました。一般的にファストフードとされるハンバーガーや牛丼などの選択肢に「焼肉ライク」が入る日もそう遠くはないかもしれません。

みなさんもサクッと焼肉、いかがでしょうか?
以上、ブログ担当なことをすっかり忘れており当日の深夜3時にこれを書き終えた山口でした!

 

【参考】

MyEL「おひとりさま(一人でのサービス利用)に関するアンケート調査(第4回)」(2020)

YAHOO!ニュース「1人焼肉ブームを生んだ「焼肉ライク」急成長のワケを社長に聞いた」(2021)

焼肉ライク Official Site